2030年の図書館を考える|未来像シリーズ(3回)+実践編(特別編1回)
図書館は「本を借りる場所」から「人が過ごす場所」へ(※未来イメージ)
1. もう図書館は必要ナイ? 
あなたの町の図書館は、10年後もそこにあるでしょうか。
 
図書館はいま、「再定義の岐路」に立っています。
あなたが最後に図書館を訪れたのは、いつですか?
 
「行かなくても困らない」
「行く用事がない」
「スマホで充分」
 
そんな声が、確実に増えています。
 
しかも、単なるイメージの問題ではありません。
データもまた、図書館の変化を示しています。
 
2. データが示す静かな変化
■公共図書館の来館者数の推移(2015~2022年度)
※文部科学省公表資料をもとに作成
 
2015年:337,334人
2016年:340,611人
2017年:333,683人
2018年:346,877人
2019年:335,068人
2020年:222,332人(コロナ禍で大幅減)
2021年:263,361人(回復傾向)
2022年:296,175人(回復傾向)
 
数字を見ると、よりハッキリと状況が見えてきます。
 
1. 来館者数は、コロナ前に戻らないまま
2015~2019年は、来館者数33~34万人台で推移していましたが、
2020年にはコロナ禍の影響により大きく減少。
 
その後は回復傾向にあるものの、2022年時点でもコロナ前の水準には戻っていません。
 
特に深刻なのは若年層です。
10代・20代の利用率は、地域によっては半減している自治体もあり、
図書館は彼らの日常の「選択肢」から外れつつあります。
 
2. 増え続ける運営コスト
・蔵書の維持費
・建物の老朽化
・人件費の増加
 
利用者が減少している一方で、コストは減るどころか増加傾向にあります。
「使われない公共施設」を維持し続ける構造は、もはや無視できない段階にあります。
 
3. デジタル化の遅れ
電子書籍やデジタルアーカイブの整備は拡がりつつあるものの、
多くの図書館は依然として「紙中心」の運営が続いています。
 
世界の図書館が「デジタル×創造の拠点」へ進化する中、
日本は10年遅れているとも指摘されています。
 
3. 図書館は、静かに消えていくのか? 
図書館は、誰かが「やめよう」と決めて、突然なくなるものではありません。
 
使われなくなり、
価値が見えにくくなり、
予算が削られ、
気づいたときには静かに消えていく。
 
そんな未来も、決して遠い話ではありません。
 
だからこそ、いま問うべきなのです。
「もう図書館は必要ないのか?」ではなく、
「図書館は何のために存在するのか?」
 
図書館は「役割を失った」のではありません。
―― 社会が変わり、「役割が変わりつつある」のです。
 
4. 図書館は「本の倉庫」から「人のための空間」へ 
かつて図書館は「本を借りる場所」でした。
 
しかし、いま求められるのは、それだけではありません。
・学び直しの拠点
・子どもの安心できる居場所
・高齢者のデジタル支援
・地域のつながりを生む場所
・災害時の情報インフラ
 
―― 図書館は、「人のための空間」へと役割を拡げつつあります。
 
■まとめ
図書館はいま、「未来へ向けた再定義の岐路」に立っています。
 
何も変わらなければ、
図書館はその役割を失い、地域から消えていくかもしれません。
 
しかし、未来を変えるヒントはすでにあります。
次回は世界の図書館の取り組みから、これからの図書館の可能性を探っていきます。
 
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