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株式会社ブレーンセンター(代表取締役社長 平石 隆生)は、大学生および企業を対象としたアンケート調査の結果をもとに、サステナビリティに対する意識とキャリア形成、ならびに企業における人材評価の視点について分析を行い、その一部を取りまとめました。本調査は、当社と千葉大学 国際未来教育基幹の岡山咲子講師が2025年7月に開始した「サステナ×キャリア共育プロジェクト」※の一環として実施したものです。 |
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大学生を対象とした調査は、サステナビリティや社会課題に関する意識、就職活動における企業選択の基準、統合報告書に対する認識などを把握することを目的に実施し、545名から回答を得ました。企業を対象とした調査は、企業におけるサステナビリティに関する人材の評価・育成や、社内浸透の実態を把握することを目的として実施し、企業の人事、サステナビリティ、IRなどの業務に関わる担当者を中心に67名から回答を収集しました。 |
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※ 学生と企業(社会)との接点を創出・強化し、持続可能な社会の実現に向けて、環境問題や社会課題の解決に取り組む、次世代サステナビリティ人材の育成を目指すプロジェクト。 |
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学生の約9割がサステナビリティに関心 |
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本調査の結果から、サステナビリティや社会課題に対する関心は、学生の間で非常に高い水準にあることが明らかになりました。「とても関心がある」(38.2%)と「ある程度関心がある」(51.4%)を合わせると、約9割(89.5%)が関心を持っていることがわかりました(表1)。 |
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特に、「とても関心がある」と回答した学生が約4割にのぼる点は、単なる認知にとどまらず、主体的な関心を持つ層が一定数存在していることを示しています。一方で、「まったく関心がない」は1.3%にとどまり、サステナビリティが多くの学生にとって身近なテーマとなっている様子がうかがえます。 |
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表1:サステナビリティや社会課題に対する関心の程度 n=545 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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とても関心がある |
208 |
38.2% |
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ある程度関心がある |
280 |
51.4% |
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あまり関心がない |
50 |
9.2% |
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まったく関心がない |
7 |
1.3% |
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サステナビリティへの関心の起点は「教育」 |
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サステナビリティや社会課題に対して、「とても関心がある」または、「ある程度関心がある」と回答した488名に、関心を持ったきっかけを聞いたところ(表2)、「大学での講義・ゼミ」(61.7%)と「中学・高校での授業」(54.4%)がいずれも過半数を占め、教育の場が関心形成において大きな役割を果たしていることが明らかになりました。近年のSDGs教育の広がりが、着実に若い世代に届いている様子が見て取れます。 |
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また、「SNS・書籍・メディア」(29.1%)も約3割と一定の影響力を持っており、日常的な情報接触を通じて関心が広がっていることも特徴的です。一方で、「大学での実践活動・課外活動」は19.5%で、講義等に比べるとやや少なく、実際の体験を通じて関心を深める機会には、まだ広がりの余地があると考えられます。 |
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さらに、「友人・家族の影響」(6.8%)や「企業・自治体の情報発信」(6.4%)、「就職活動を通じて」(3.3%)といった項目はいずれも低水準にとどまりました。特に企業や社会との接点が関心形成に十分寄与していない点は、産学連携や情報発信の在り方に課題があることを示唆しています。 |
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これらの結果から、サステナビリティへの関心は主として教育を起点として形成されている一方で、実践機会の不足や社会・キャリアとの接続の弱さが課題として浮かび上がりました。 |
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表2:サステナビリティや社会課題に関心を持った理由・きっかけ(複数回答可)n=488 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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大学での講義・ゼミ |
301 |
61.7% |
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中学・高校での授業 |
266 |
54.5% |
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SNS・書籍・メディア |
142 |
29.1% |
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大学での実践活動・課外活動 |
95 |
19.5% |
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友人・家族・知人の影響 |
33 |
6.8% |
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企業や自治体の取り組みやPR内容・情報開示 |
31 |
6.4% |
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イベント・シンポジウム等 |
21 |
4.3% |
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有名人やタレントの影響 |
21 |
4.3% |
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就職活動の準備を通じて |
16 |
3.3% |
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その他 |
6 |
1.2% |
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関心は環境から社会課題へ広がる |
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また、学生が関心を寄せるサステナビリティのテーマは、気候変動や教育格差、経済格差など多岐にわたり、環境問題にとどまらず、社会課題全体へと関心が広がっていることがわかりました。「気候変動」(51.4%)は半数を超え、最も関心の高いテーマとなっています(表3)。 |
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表3:特に関心のあるイシュー(複数回答可)n=488 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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気候変動 |
251 |
51.4% |
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教育格差 |
186 |
38.1% |
|
経済格差 |
152 |
31.1% |
|
人権問題 |
149 |
30.5% |
|
エネルギー問題 |
148 |
30.3% |
|
貧困問題 |
141 |
28.9% |
|
廃棄物・資源循環 |
130 |
26.6% |
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生物多様性 |
117 |
24.0% |
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ジェンダー平等 |
111 |
22.7% |
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食糧問題 |
107 |
21.9% |
|
その他 |
5 |
1.0% |
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就職選択にも広がるサステナビリティ意識 |
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調査の結果、就職先を考える際にも、サステナビリティ経営や社会課題への取り組みは重要な判断要素として意識されていることがわかりました。「とても関心がある」(28.8%)と「ある程度関心がある」(53.9%)を合わせると、全体の約8割(82.8%)が関心を示していることがわかりました(表4)。 |
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一方で、「まったく関心がない」は2.0%にとどまり、サステナビリティが就職観の中にも広く浸透している様子が見て取れます。こうした結果から、企業・自治体・NPO等にとっては、サステナビリティに関する取り組みをわかりやすく発信し、学生がその意義や具体的な内容を実感できるようにすることが、採用活動においても重要になってきていると考えられます。 |
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表4:就職先を考える際の企業・自治体・NPO等のサステナビリティ経営や社会課題への取り組みに対する関心 n=545 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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とても関心がある |
157 |
28.8% |
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ある程度関心がある |
294 |
53.9% |
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あまり関心がない |
83 |
15.2% |
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まったく関心がない |
11 |
2.0% |
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企業選びで重視される「理念・ビジョン・社会課題」 |
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また、学生が就職先を選ぶ際には、仕事内容や待遇だけでなく、企業の考え方や姿勢といった“本質的な価値”を重視していることが明らかになりました。就職先を検討する際に、仕事内容や待遇以外で志望動機となり得る要素としては、「長期的なビジョン」(40.4%)、「社会課題への向き合い方(事業を通じた社会課題解決)」(40.0%)、「企業理念・パーパス(存在意義)」(39.8%)、「人的資本・人材育成への考え方」(38.3%)と、いずれも約4割と高水準で並んでおり、企業の考え方や姿勢に関わる項目が志望動機の要素として広く認識されていることがうかがえます(表5)。 |
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表5:仕事内容や待遇以外で、志望動機になり得ると感じる要素(複数選択可)n=545 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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長期的なビジョン |
220 |
40.4% |
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社会課題への向き合い方(事業を通じた社会課題解決) |
218 |
40.0% |
|
企業理念・パーパス(存在意義) |
217 |
39.8% |
|
人的資本・人材育成への考え方 |
209 |
38.3% |
|
経営戦略 |
137 |
25.1% |
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経営トップの考え方 |
92 |
16.9% |
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ESG/サステナビリティへの本気度 |
83 |
15.2% |
|
その他 |
2 |
0.4% |
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これらの結果から、企業・自治体・NPO等にとっては、個別の取り組みを発信するだけでなく、自らの理念やビジョン、社会との向き合い方を一貫したストーリーとして伝えることが、学生の共感や志望動機の形成につながる重要な要素であると考えられます。 |
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統合報告書は“高関心・低利用”の状態 |
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「就職活動や企業研究の中で、企業の「統合報告書」を読んでみたいと思いますか」という問いに対しては、「ぜひ読んでみたい」(28.6%)と、「機会があれば読んでみたい」(52.8%)を合わせると、約8割(81.5%)の学生が関心を示しました。 |
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一方で、統合報告書を読むうえで難しそう・ハードルに感じる点としては、「専門用語が多く理解が難しそう」(71.2%)や、「分量が多そう」(64.6%)が多く、さらに、「どこを読めばよいか分からなそう」が(37.1%)、「学生向けに書かれていなさそう」(35.2%)と続いており、読み方や対象読者との距離に関する課題も認識されていることがうかがえます。(表6) |
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表6:統合報告書を読むうえで、難しそう・ハードルに感じる点(複数選択可)n=545 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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専門用語が多く、理解が難しそう |
388 |
71.2% |
|
分量が多そう |
352 |
64.4% |
|
どこを読めばよいか分からなそう |
202 |
37.1% |
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学生向けに書かれていなさそう |
192 |
35.2% |
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就職活動での活用方法が分からない |
87 |
16.0% |
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特にハードルは感じない |
11 |
2.0% |
|
その他 |
3 |
0.6% |
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統合報告書に期待する情報としては、「企業等がどのような社会課題に向き合っているか」が62.4%と最も高く、次いで「企業の将来性や成長性がわかる情報」(41.4%)、「中長期的に目指している方向性」(39.6%)が続きました。 |
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この結果から、統合報告書は学生にとって重要な情報源である一方、現状では十分に活用されていないと言えます。 |
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サステナビリティの学びはキャリアの土台に |
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本調査の結果から、サステナビリティや社会課題に関する学びや経験は、将来のキャリア形成において高い有用性が認識されていることが明らかになりました。「非常に役立つと思う」(48.3%)と「ある程度役立つと思う」(47.5%)を合わせると、約96%が役立つと回答しており、ほぼすべての学生がその意義を肯定的に捉えています。一方で、「役立たない」とする回答はごくわずかにとどまり、サステナビリティに関する学びが、幅広い学生にとって有意義なものとして受け止められていることがうかがえます。(表7) |
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表7:サステナビリティや社会課題に関する学び・経験は役立つと思うか n=545 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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非常に役立つと思う |
263 |
48.3% |
|
ある程度役立つと思う |
259 |
47.5% |
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あまり役立つとは思わない |
21 |
3.9% |
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まったく役立つとは思わない |
2 |
0.4% |
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「非常に役立つと思う」または、「ある程度役立つと思う」と回答した522名にその理由を聞いたところ、「社会や業界を見る視野が広がる」(65.3%)、「働くうえでの価値観や軸を考えるきっかけになる」(51.0%)、「課題発見力・問題解決力が身につきそう」(49.2%)と、キャリア観の形成に関わる項目が多く挙げられました。(表8) |
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一方で、「志望動機や自己PRにつながる」(23.0%)といった就職活動への直接的な効果は相対的に低く、学生はサステナビリティの学びを短期的な就職対策ではなく、自己成長やキャリア形成の土台として捉えていることが特徴的です。 |
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表8:サステナビリティに関する学び・経験がキャリア形成に役立つと感じる理由(複数選択) n=522 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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社会や業界を見る視野が広がる |
341 |
65.3% |
|
働くうえでの価値観や軸を考えるきっかけになる |
266 |
51.0% |
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課題発見力・問題解決力が身につきそう |
257 |
49.2% |
|
企業等の魅力を多面的に評価するスキルが身につく |
148 |
28.4% |
|
仕事のやりがいや面白さを想像する力がつく |
120 |
23.0% |
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志望動機や自己PRにつながる |
120 |
23.0% |
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将来のキャリアを長期的に考える材料になる |
74 |
14.2% |
|
企業等との対話やインターンで活かせそう |
73 |
14.0% |
|
その他 |
2 |
0.4% |
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企業の94%が「環境課題解決人材」を必要と認識 |
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企業を対象とした調査では、「環境課題解決人材」がこれからの社会や企業活動において求められる人材であるかについて、「非常にそう思う」(37.3%)と「ある程度そう思う」(56.7%)を合わせると、94.0%が肯定的に回答しており、その必要性が広く認識されている状況がうかがえます(表9)。 |
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評価される能力としては、課題解決力や企画力、企業価値への貢献、新しい発想、コミュニケーション力などが挙げられています。一方で、「理想論が先行し実行力に不安がある」「現場業務とのミスマッチ」「収益性への理解不足」といった懸念も繰り返し指摘されており、サステナビリティ志向とビジネス実装力の間にギャップが存在していることが明らかになりました。 |
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また、サステナビリティの社内浸透においては、「経営層が日常の判断で示すこと」や「現場業務と結びつけた説明」が重要とされており、理念だけでなく業務との接続が鍵であることが示されています。 |
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表9:「環境課題解決人材」は、これからの社会や企業活動において求められている人材だと思うか n=67 |
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| 項目 |
人数 |
割合 |
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非常にそう思う |
25 |
37.3% |
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ある程度そう思う |
38 |
56.7% |
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あまりそうは思わない |
3 |
4.5% |
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まったくそうは思わない |
1 |
1.5% |
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まとめ |
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教育・キャリア・企業をつなぐ新たな知見 |
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本調査の結果から、サステナビリティをめぐる関心は、教育・キャリア・企業という複数の領域をまたいでいることが明らかになりました。 |
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教育によって形成された価値観がキャリア選択に影響を与え、その価値観が企業評価の基準となる一方で、企業は実行力や収益性への理解を重視しているため、両者の間には明確なギャップが存在しています。この構造を定量的に示した点は、教育設計や採用戦略を考えるうえで重要な示唆を提供するものです。 |
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特に、千葉大学が提供する、教育と実践を接続するプログラムは、このギャップを埋める有効な手段となり得ると考えられます。 |
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企業と人材をつなぐコミュニケーションの可能性 |
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本調査は、企業の情報開示のあり方にも新たな課題を提示しています。統合報告書は投資家向けの資料として高度化してきた一方で、将来の労働力である学生にとっては理解しづらい構造となっており、情報の受け手に応じた設計が求められています。 |
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また、学生が重視する「理念」「社会課題」「人材育成」といった要素は、従来のIR情報の中にも含まれているものの、その伝え方が十分ではない可能性があります。今後は、投資家・学生・従業員といった多様なステークホルダーに対して、同一の情報を異なる視点で再構成するコミュニケーションが重要になると考えられます。 |
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今後の展望 |
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本調査を通じて、サステナビリティは企業経営のテーマであると同時に、人材の価値観やキャリア選択を規定する基盤へと変化していることが明らかになりました。 |
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千葉大学との連携を通じて得られた知見は、教育と企業を接続する新たな実践モデルとして、今後さらに発展が期待されます。当社は今後も、大学・企業との共創を通じて、持続可能な社会の実現に資する人材育成と日本企業の競争力向上に貢献していく考えです。 |
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【調査概要~大学生向け】 |
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・調査名:サステナビリティと就職活動・キャリア意識に関する調査 |
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・調査対象:千葉大学を主として全国11大学の大学生 |
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・回答数:545名 |
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・調査期間:2026年1月21日~2月28日 |
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・調査方法:Webアンケート調査 |
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【調査概要~企業担当者向け】 |
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・調査名:「環境課題解決人材」に関する調査 |
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・調査対象:国内企業において、人事、サステナビリティ、IRなどの業務にかかわる担当者 |
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・回答数:67名 |
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・調査期間:2026年2月5日~2月28日 |
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・調査方法:Webアンケート調査(一部、対面でのヒアリング) |
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会社概要 |
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ブレーンセンターは、東京と大阪に事業拠点を置く企画制作会社です。 |
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ブランディング、IR、CSR、SP、採用PRなどの分野で、企業分析を起点にお客様のコミュニケーション課題を解決する多様なメディア開発(印刷物、Webサイト、動画)を支援しています。 |
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社名 株式会社ブレーンセンター |
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URL https://www.braincenter.co.jp/
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設立 1979年10月(創業1975年3月) |
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代表者 代表取締役社長 平石隆生 |
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本社所在地 大阪市北区天満4丁目2番13号ブレーンセンター「風の万華鏡」 |
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資本金 5,000万円 |
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従業員数 124名(2025年8月期) |
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株主 株式会社ブレーンセンターホールディング(100%) |
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