AIソリューション事業を手がける株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース」)は、当社メンバーが取り組む「大規模言語モデル(LLM)による物語翻訳感性サロゲート」に関する研究成果について、第21回日本感性工学会春季大会 & ISASE2026にて発表しました。
 
本研究における「感性サロゲート」とは、主観的で個人差の大きい「人の感じ方(感性)」に関する評価を、LLMなどのAIで代理・補完するための考え方です。
この考え方に基づき、物語翻訳における世界観やキャラクター性、語調といった感性的な品質に着目し、LLMを活用した評価設計の論点を整理しました。
 
第21回日本感性工学会春季大会 & ISASE2026/大会・発表概要
 ・大会概要
  大会名:第21回日本感性工学会春季大会 & ISASE2026
  会期:2026年3月16日(月)~18日(水)
  会場:宇都宮大学 陽東キャンパス
  公式ページ:https://www.jske.org/conference/jske21s/

 ・本研究の発表概要
  
題目:大規模言語モデルによる物語翻訳感性サロゲート
  発表日:2026年3月16日
  発表者:下斗米 貴之、柴田 楓佳、志賀 紘輝、竹石 興紀(株式会社ヘッドウォータース)、
      上條 美和子(相模女子大学)
  詳細:https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jske2026s/presentation/1D02-05
 
背景:コンテンツ翻訳の拡大と品質評価の課題
ゲーム、アニメ、映画、書籍などコンテンツのグローバル展開が広がる中で、翻訳やローカライズの需要は一段と高まっています。一方で、翻訳リソースの不足に加え、品質評価にかかる人手や工数の大きさが課題となっています。
 
特に物語翻訳では、意味の正確さに加え、原作の世界観、登場人物の個性、語調、場面の躍動感といった要素が品質を大きく左右します。しかし、このような品質は主観性や文脈の依存性が高く、既存の自動評価指標だけでは十分に評価しにくい側面があります。
 
このため、生成AIやLLMの実用化が進む中で、感性的な品質をどのように評価工程へ組み込むかが新たな技術課題となっています。
 
研究概要:評価設計の整理
研究では、評価観点として忠実性(Fidelity)、世界観(Worldview)、キャラクター性(Character)、語調(Tone)、躍動感(Dynamics)、総合評価(Overall)など、物語翻訳で重要となる複数の軸を設定しました。
 
その上で、直接評価と比較評価(ペア比較)を用いて検討を行い、比較評価の集計にはBradley-Terryモデルを採用することで、主観的な評価結果を構造化しやすい枠組みを取り入れています。
 
本研究は、感性的な品質を評価する際には評価軸を先に定義し、その軸に基づいてAI評価を設計することが重要である点を示すものです。
 
今後の展開
本研究で整理した評価設計は、AIによる翻訳品質評価の高度化に加え、生成AIを活用した文章生成、ローカライズ、ブランドトーンの整合性確認、コンテンツ品質管理など、主観的な品質評価が求められる領域への応用も期待されます。
 
ヘッドウォータースは今後も、実務に活用できる評価技術や設計知見の研究開発を進めてまいります。
 
以上
 
商標について
記載されているイベントなどの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
 
会社情報
会社名:株式会社ヘッドウォータース
所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
代表者:代表取締役 篠田 庸介
設 立:2005年11月
URL : https://www.headwaters.co.jp/