株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、当社が設計した「こち亀記念館」がiF DESIGN AWARD 2026を受賞しましたことをお知らせします。
長きにわたって愛されている漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は地域に根差した作品として世界中で読まれています。本施設「こち亀記念館」は亀有の街の魅力を世界に発信する建築となることで街のさらなる活性化を図っています。
展示施設と観光拠点施設の機能を併せ持つため、「『こち亀』の世界」と「亀有の街」を徐々にシンクロする一つの展示ストーリーでつなぎ、来館者を街へと誘う空間構成としました。
5階から始まる展示空間を展示のストーリーに沿って1階まで一筆書きの動線とするため、施設の南北の両端に階段を互い違いに配置しました。お神輿が吊られた小さな広場のような1階の空間は、現実の亀有のまちの魅力がたくさん展示されており、来館者が様々な興味を持って街へと繰り出してゆくための工夫が施されている場所です。
街のいたるところにメインキャラクターの銅像やデザインマンホール、公共サインがちりばめられた亀有は『こち亀』が根差した地域です。
「『こち亀』の世界」と「亀有の街」の魅力を世界中に発信する拠点として、エンターテイメント業界における世界最高峰の賞であるiF DESIGN AWARDの受賞を大変喜ばしく思います。
また、同じ目標を共有した関係者の皆様との協働により実現できたものとして、深く感謝申し上げます。
施工者:トーヨー冨士工(建築) / 洞田貫設備工業(空調) / 洞田貫設備工業(給排水) / 高野電気工業(電気) / 日本オーチスエレベータ(昇降機) / 乃村工藝社(展示)
漫画のコマ割りに見立てたキューブ状の動線空間を「立体的な漫画の空間」としてファサードにデザインしました。漫画のコマに見られるいろいろな表現方法を参照して、それぞれのキューブで建具周りの形態やマテリアルを使い分けています。コマごとに内外の壁面や階段にキャラクターのイメージカラーを用いることで、「立体的な漫画の空間」に「こち亀」の世界観を感じられるようにしました。
来館者は漫画のコマの中に入り込み、展示の世界とリアルな街を行き来するような感覚を体験できます。一方、外部に向けてはコマの中のグラフィックコンテンツや来館者が表出し、街に賑わいを演出します。
敷地は間口が狭く細長い狭小な形状であるため、隣地を向いた長手方向をRC壁構造で閉じた構成としつつ、短手方向をスレンダーなS造としたハイブリッド構造にしました。壁構造によって柱型をなくし、限られた敷地の中でも展示空間を最大化しました。ブレースを配置してRC壁相互をつなぐことで高い架構剛性を確保しつつ、まとまりのある展示空間とファサードの開放的なデザインとしています。
「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。
1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。