「Microorganisms」はスイスの出版社MDPI社が2013年に創刊した微生物・感染症学関連分野における主要な査読付きオープンアクセスジャーナルの一つです。ジャーナルに掲載された論文がどの程度引用されているかを示す指標であるインパクトファクターは4.2(※)と一定の影響力を持ちます。
今回の掲載は、パナソニックと群馬パース大学が共同で検証した、実際に人が利用する室内環境空間における次亜塩素酸の効果を検証する論文として、2025年9月に続く2回目の掲載となります。
権威ある学術誌への掲載を受けて、群馬パース大学大学院・附属研究所先端医療科学研究センター長である木村博一教授(インフェクションコントロールドクター)は、「次亜塩素酸技術により、人が居住する空間(実使用空間)の付着ウイルスが有意に制御可能なことが科学的に証明された。さらなる研究に期待したい。」とコメントしています。
室内環境における表面付着微生物の管理は、感染予防・制御戦略の重要な構成要素となります。従来のアルコールなどを用いた拭き消毒に代わる環境表面の除染手段として、低濃度のガス状や気化消毒剤は非接触かつ連続的に表面付着微生物を制御できる有望な手段として注目されています。そこで気体状次亜塩素酸を発生させる検証装置を用いて、群馬パース大学の実際に講義で使用される室内環境にて、付着ウイルスの不活化効果を評価しました。
検証装置の運転により、評価開始後24時間でインフルエンザウイルスA型(H1N1)は99.9%、エコーウイルス30型(E30)は99.0%不活化することが観察されました。また、感染に関与するウイルスタンパク質における次亜塩素酸反応性のアミノ酸残基の割合を比較し、三次元立体構造解析を詳細に行うことで、気体状次亜塩素酸に対する不活化が、暴露条件だけではなく、タンパクの立体構造とアミノ酸組成が関与することを示しました。
なお、本研究は、群馬パース大学との共同研究の成果です。