『体の居場所をつくる』(朝日出版社)の重版を記念し、5月19日(火)、 ジュンク堂書店池袋本店でトークイベントを開催いたします。
津野青嵐さんは、精神看護とファッションデザインの領域を横断して活動する、世界的に注目されているアーティストで、この春、伊藤亜紗さんの研究室を卒業したばかりです。大学院では「衣服を作ることを通した当事者研究」を行っていました。自分自身を「太っている」と感じている人が、どのような身体感覚を持ち、どのように自分の体と付き合っているのか。「ファット」な身体との付き合い方を、衣服を作ることで発見するという研究です。
数年前、『体の居場所をつくる』に登場する方の伊藤さんによるインタビューを読んだとき、「これは自分のことではないか」と大きな衝撃を受けた津野さん。その感想ともに、津野さん自身が抱えていた、誰にも話せなかった体の困りごとを伊藤さんに話してみたところ、「面白いね。どうしてそういうことが起こっているんだろう」という反応が返ってきました。自分の体が「面白い」なんていう発想を、これまで抱いたことがなかった津野さん。「暗闇に突然光が照らされたような、まるでミステリー小説の中に入り込んだような、あるいは宝さがしのようなワクワク感」が生まれ、それがきっかけで、少しずつ体について考えること、語ることができるようになってきたのだそうです。
伊藤さんは、教え子である津野さんを、自身の理解者だと言います。(肥満ではなく)「ファット」な体を捉え直し、自分の言葉を見つけようとする津野さん。人がこれまで奥底にしまっていた、オリジナルな言葉をどんどん引き出し、宝さがしに誘い出す。そのとき、伊藤さんは何をしているのか?言葉、触覚、布、色。いろんな物を使って、居心地のいい「しっくりくる」居場所を探す冒険。お二人の対話は、体とうまく付き合えていないと感じる方、自分の言葉を探してみたい方、必見です。
1979年生まれ。美学者。東京科学大学未来社会創成研究院DLab⁺ ディレクター、リベラルアーツ研究教育院教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学(文学博士)。 主な著書に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)、『手の倫理』(講談社選書メチエ)、『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』(講談社学術文庫)、『体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉』(文藝春秋)など多数。 第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、第42回サントリー学芸賞、第19回日本学術振興会賞、第19回日本学士院学術奨励賞受賞。
アーティスト、ファッションデサイナー、看護師。1990年生まれ。看護大学卒業後、精神科病院勤務と並行して山縣良和主宰のファッションスクールcoconogaccoで学ぶ。2018年欧州最大のファッションコンペ『ITS』のファイナリストに選出された3Dペンを使用したドレスのコレクションが注目される。2019年より北海道にある精神障害当事者等の地域活動拠点「浦河べてるの家」で看護師として勤務。今春、東京科学大学大学院修士課程修了。芸術祭での作品展示や文芸誌などで執筆も行う。金沢21世紀美術館で初の個展「アペルト20 津野青嵐 共にあれない体」を開催。現在、初の著書『「ファット」な身体(仮)』(文藝春秋)を準備中。
※当日ご参加いただけない場合でも、アーカイブ配信をご用意しております。アーカイブ配信はイベント開催日翌日の15時から配信いたします。
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