|
|
|
|
クリス智子、土井善晴 |
|
|
|
|
ラジオ局J-WAVE(81.3FM)は、3月14日(土)、毎月第2・第4木曜日の16時に配信中の番組『土井善晴とクリス智子が料理を哲学するポッドキャスト supported by ZOJIRUSHI』(ナビゲーター:料理家・土井善晴、J-WAVEナビゲーター・クリス智子)の初となる公開収録を開催しました。 |
|
|
|
本イベントは、3月14日(土)、15日(日)の2日間にわたり赤坂にて開催された、国内最大級のポッドキャストの祭典「JAPAN PODCAST FESTIVAL 2026」の中で開催されたものです。 |
|
|
|
|
|
【オフィシャルレポート】 |
|
|
|
■人間は料理をする動物である |
|
|
|
大勢のファンの拍手と歓声に迎えられ、ステージに土井善晴とクリス智子が登場した。二人のポッドキャストが始まって3年半。今回は番組初となる公開収録だ。会場は笑顔に包まれ、いつも以上に熱を帯びた“料理を哲学する”トークが繰り広げられた。 |
|
|
|
クリス:この番組は先生が“料理を哲学するをテーマにしたらいいのでは”というところから始まりましたよね。 |
|
|
|
土井:料理から人間を考えるのです。“人間は料理して人間になった。人間は料理をする動物なのです”ということです。“料理することで人間たらしめられるのです。料理って大事なのです。食べるだけじゃない。料理して食べるという関係に、人間らしい思いやりとか、気づく力、知る力が身につくんです。 |
|
|
|
|
|
|
クリス智子、土井善晴 |
|
|
|
|
すでにAI時代のなかにいる私たち、人間らしさを失わないたくない……と思いませんか。そのためには料理を知ることです。みんな誰でも、知っているつもりなんですが、知らないから、料理をしなくても良いと思っているのです。料理を知ることは人間を知ること、自分を知ることなのです。世の中では、いくらでもおいしいものはお金を出せば買えるんだけど、毎日家族のためにお料理する人を後押しできるような番組にしたい、という願いから、「料理を哲学する」という番組名になりました。 |
|
|
|
料理研究家の土井は、ずっと以前からクリス智子が出演する番組の大ファンだったという。 |
|
|
|
クリス:私も料理を作ることが好きで、土井先生とはこのポッドキャスト番組をする以前からお話しをさせていただいていましたが、例えば惣菜などを買って帰って、楽をして“おいしい”ときもあるけれど、一方で料理を作っていることに意味があるんじゃないかと思ったりもします。そのあたりは先生とお話しする中で、明快になったことです。 |
|
|
|
土井:そうですか。私は家庭料理を39年も指導してきました。実は家庭料理のことを本当の意味でわかったのは最近のこと。何もわかっていなかったのです。何も知らないで……偉そうなこと言ってきて……すみませんでした。お詫びいたします。 |
|
|
|
クリス:そう仰っていましたね(笑)。 |
|
|
|
|
|
|
クリス智子 |
|
|
|
|
土井:料理番組は、収録時間内に収めなければなりません。制約があるので、そのためにお膳立てして、ちゃんと時間内に収めないといけない。仕事は準備万端整えているからできるのです。でも実際の暮らしというのは、家族それぞれに都合があって、そのつもりでお料理していても、思うようにならないのが家庭料理です。まず予定通りなんていかない、分量通りの材料があるわけじゃない。準備万端整わないのです。それでも、何も言わずに、変化に合わせる……これが本当のお料理です。これを母親(父親)はちゃんとしているのです。これはすごいことですね、お母さんというのはほんとうに大したものです。 |
|
|
|
|
|
■何が食べられるか、何を食べるべきか、何を食べたいか……すでに決まっている |
|
|
|
公開収録では会場に集まった観客からの質問に答える場面も。 |
|
|
|
女性の質問者:私は料理をしていると“これで大丈夫かな”と迷うことがあります。そんなとき、私の頭の中では土井先生の声で『それでええんです』という声が聞こえてきます。そうすると“これでいっか”と不思議と自信がわいてきます。土井先生は料理をさせているとき、ふと頭の中で聞こえてくる誰かの声はありますか? |
|
|
|
クリス:料理研究家でお父様である土井勝さんの声が頭に思い浮かびますか? |
|
|
|
土井:そんなんありません(笑)。父は何にも言わないです。もし何か言うとしたら、「それでいいよ」と言うと思います。 |
|
|
|
“和食は素材を活かす”というでしょ。つまり、和食というのは、何もしないことが最善ということなんです。料理とは食べられるようにすること、お刺身は火を通さないで切るだけ。極めて加工度の低い料理です。工夫する、“料理はクリエーション”というのは、フランス料理などの料理観念です。いつのまにか日本人も料理とはクリエーションだと思いこんだのですが。日本のクリエーションと、フランスのクリエーションとは真逆の意味があるのです。
「何が食べられるか、何を食べるべきか、何を食べたいか」、現代人は、わからなくなっているのです。それって、つまり自分が何者かわからない。日本の料理とは、食材を食べられるようにすることです。今では、味付けを料理だと思っているでしょう。何が料理なのかがわからなくなっているのです。まあ、ポッドキャストを聞いていれば、わかります。ね、みなさん! |
|
|
|
|
|
|
クリス智子、土井善晴 |
|
|
|
|
テレビの料理レシピを作るとなると、何か新しいことを料理に入れていかないといけないので、私なりに若い頃はアレンジしていたわけです。たとえば、鶏ささみを叩いて薄くして、粉を打ってゴマを表面につけて、「ささみの胡麻焼き」というレシピを考えたのですが、自分では、「こんなことをしても良いかどうかを判断できない」のです。「……こんなことをしてもいいものか?」ということを父に聞いたことがあります。父は「いいんじゃない」と言ってくれて、安心したのですが。今なら、まあ、それは酒の肴ですね。それをする理由があればしますけど(笑)。 |
|
|
|
ところで、最近は春らしくなってきましたね。 |
|
|
|
クリス:旬の食材には明らかに力がありますよね。 |
|
|
|
土井:日本には四季があるって、自慢げにいう人がありますが、四季は外国にもありますから、そんな言い方はしないほうがいいですよ。 |
|
|
|
日本の季節には、それぞれに「はしりもの」、「さかりもの」、「なごりもの」を区別して、同じ野菜でも全く別物のように、扱って味わいます。それが日本の季節感です。季節と暮らしが繋がっています。 |
|
|
|
クリス:日本には海外の料理がたくさん入ってきていますが、日本の料理には、今食べるべきものがあるということですね。 |
|
|
|
土井:そうです。私たちの楽しみは自然と共にある。季節の今を楽しむことです。日本の文化は自然がなくては成立しません。和食のユネスコ無形文化遺産の指定理由の大前提として「豊かな自然を背景に……」とあるのです。 |
|
|
|
|
|
■「集まってくれた皆さんの笑顔が最高です」素晴らしい時間を共有できた/またやりたい! |
|
|
|
収録後半も、観客からの質問に答えていく。 |
|
|
|
女性の質問:ぬか漬けをして今年で4年目になりますが、酸味が出てしまい、味が安定しません。ぬか漬けのコツを教えてください。 |
|
|
|
土井:酸味が強くなったときは、布巾の上から重石をしっかり効かせて、水分が浮かせて、その水気を絞ったら、味はすぐになおります。 |
|
|
|
糠漬けが、おいしいなと思うときの糠床の味を覚えておいて、実際に糠を食べる。時々、少し味見したり、塩を補ったりして味を安定させる。糠床はむしゃむしゃ食べなくてもいいですよ! |
|
|
|
クリス:ふふふ。それもおいしそうですけどね(笑)。 |
|
|
|
|
|
|
クリス智子、土井善晴 |
|
|
|
|
男性の質問:子どもが料理をするようになったんですが、台所を汚します。何か良い解決策はありますか? |
|
|
|
土井:自分が使った後、いつも次の人のことを考えることです。次の人が気持ちよく使えるようにすること。次の人って自分かもしれないですね。『お料理は、材料を集めること、料理する、食べる、食事が終わったら、片付け、掃除する』。これを私は「食事活動」って言っていますが、その繰り返しが、「暮らし」です。片付けも掃除も含めて「持続可能な料理」なのです。掃除して綺麗にする意味を知ることです。 |
|
|
|
それはレストランでも同じこと、いくら腕が良くても、忙しくて片付けや掃除をおろそかにしていたら、少しずつ汚れが積み重なって、空気中に浮遊細菌が大量に舞うようになって、扉を開けただけで、嫌な臭いがするようになる。そうしたらおいしいものは絶対にできなくなるのです。持続不可能です。 |
|
|
|
クリス:そうですね。片付けて掃除することもお料理ですね。片付けも済ませて、きれいにすると何より気持ちがいいですね。 |
|
|
|
土井:お料理の半分は、掃除です。それでないと火を通さない生のお刺身なんて食べられないのです。清潔なお店は何より安心。安心がないとおいしいものは絶対にできないのです。 |
|
|
|
クリス:お子さんに対して結構難易度の高いアドバイスになってしまいましたが、大切なことですね(笑) |
|
|
|
土井:いや、わかりましたよね! |
|
|
|
|
|
|
クリス智子、土井善晴 |
|
|
|
|
約1時間にわたって行われた、番組初の公開収録。会場は終始あたたかな笑いに包まれたひとときとなった。 |
|
|
|
土井は「食事とは、料理して食べること」という考えを軸に、料理の楽しみ方を笑いとともに語りながら、料理することを日々の生活へとつなげていった。クリス智子が言葉を丁寧に引き出すことで、その思いはより生き生きと観客へと届けられたのであった。 |
|
|
|
土井は、最後に「まだまだ皆さんと一緒に話していたい。まだまだ物足りない」とコメント。さらに「また、こんな機会があれば嬉しい」「集まったみなさんの笑顔が最高」と語り、初の公開収録を笑顔のうちに締めくくった。 |
|
|
|
なお、本イベントの模様は、4月配信の『土井善晴とクリス智子が料理を哲学するポッドキャスト supported by ZOJIRUSHI』で放送される。レポートと合わせて、ぜひチェックしてほしい。 |
|
|
|
(文:中山洋平、写真:夛留見彩) |
|
|
|
|
|
【番組情報】 |
|
|
|
放送局:J-WAVE(81.3FM) |
|
番組名:土井善晴とクリス智子が料理を哲学するポッドキャスト supported by ZOJIRUSHI |
|
配信日: 毎月第2・第4木曜日の午後4時に配信予定 |
|
ナビゲーター:土井善晴、クリス智子 |
|
番組HP: https://j-wave.podcast.sonicbowl.cloud/podcast/8770390b-dc1f-485e-8081-9a2fc42f203c/
|
|
番組X(旧twitter):https://x.com/ryouritetsugaku
|
|
番組Instagram:https://www.instagram.com/ryouritetsugaku_jwave/
|
|
ハッシュタグ:#料理を哲学する |
|