定性リアルタイムPCR法および定性LC-MS/MS法を確立
ハウス食品グループ本社株式会社は、令和8年4月の食品表示基準改正により特定原材料に追加された「カシューナッツ」について、PCR検出技術(※1)およびLC-MS/MS検出技術(※2)を開発しました。開発した2つの検査法は、国が定める「アレルゲンを含む食品の検査方法を評価するガイドライン」等に示された評価基準を満たすことが確認されました。両技術は“消費者庁次長通知 「食品表示基準について」の一部改正について(令和8年4月1日付、消食表第237号)別添「アレルゲンを含む食品の検査方法」”の「2.2.4. リアルタイムPCR法」 に「カシューナッツ-H法」、「2.2.6. LC-MS/MS法」 に「カシューナッツ-HF法」として、それぞれ収載されています。
※1 「PCR検出技術」とは、個々の食品等に特有のDNA配列を増幅させて検出することにより、対象とする食品等が含まれているか否かを判定する検出技術のこと。PCRはPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略。
※2 「LC-MS/MS検出技術」とは、個々の食品等に特有のタンパク質片(ペプチド)を検出することにより、対象とする食品等が含まれているか否かを判定する検出技術のこと。LC-MS/MSはLiquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry(液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析)の略。
 
開発した技術は、加工食品中の「カシューナッツ」を十分な感度で検出することが可能です。原料および製造工程の適正な管理と、検査結果に基づく適正な食品表示により、食物アレルギーのある方が加工食品を安心して選択できることに役立つと考えています。
■技術のポイント
1. これまでのPCR検出技術を活かした“カシューナッツ定性リアルタイムPCR法”
ハウス食品グループは、これまでに開発した「小麦」「そば」「落花生」「くるみ」の食物アレルゲンPCR検出技術で培った知見を活かし、カシューナッツ特異的DNA配列を標的とした定性リアルタイムPCR法を開発しました。
 
2. 多品目同時分析への道を拓く、“カシューナッツ定性LC-MS/MS法”の開発
LC-MS/MSを用いた食物アレルゲン分析法は、多品目同時分析が可能な技術として近年注目されています。ハウス食品グループでは、これまで、「卵」「乳」「小麦」を対象としたLC-MS/MSによる一斉検出法の開発に取り組んできました。その知見を活かし、カシューナッツ特異的ペプチドを標的とした定性LC-MS/MS法を開発しました。
今回の“消費者庁次長通知 別添「アレルゲンを含む食品の検査方法」”に、本法を含むLC-MS/MS法が初めて収載されました。
 
開発した検査技術は、いずれもライセンス先である株式会社ファスマックから以下の検査キットとして販売されます。
 
・カシューナッツ定性リアルタイムPCRキット
「カシューナッツ」の表示義務化に先立って検査が行えるよう、2026年3月5日より検査キットの販売を開始しました。
定性リアルタイムPCR カシューナッツ検出用プライマー&プローブセット(商品コード:F927-1S,2S)
定性リアルタイムPCR 小麦、そば、落花生、くるみ、カシューナッツ検出用プラスミドセット(商品コード:F928-1S)
 
・カシューナッツ定性LC-MS/MSキット
準備が整い次第、順次販売を開始します。
 また、ハウス食品分析テクノサービス株式会社においても、カシューナッツ定性リアルタイムPCR法の受託分析を順次開始します。
■ハウス食品グループの食物アレルギーに対する取り組み
ハウス食品グループでは、食物アレルギーのある方とそのご家族が安心して食を選択できる社会の実現に貢献すべく、食物アレルギーへの取り組みを進めております。1996年頃から、その当時まだ検査方法がなかった食物アレルゲンについて、PCR検出技術の開発研究を進めてきました。研究を通じて得られた成果や知見を専門誌への投稿などを通じて発信し、実績を積み重ねてまいりました。
これらの研究の経験を活かし、2005年から「えび」「かに」「キウイフルーツ」「もも」「りんご」、2017年から「小麦」「そば」「落花生」、2021年から「くるみ」を対象としたPCR検出技術を開発。従来の検査法ではできなかった「えびとかにの区別」や「加工度の高い食品での微量の小麦の検出」などを可能にし、食物アレルゲン分析の精度向上に寄与してきました。
 
また、食物アレルギーのある方やそのご家族が安心して食事を楽しむことができるよう、食物アレルゲン検出技術の研究開発に加え、様々な取り組みを行っています。カレーやシチュー等の「特定原材料8品目不使用シリーズ」の製品展開、アレルギー専門医が使用する「加工食品のアレルゲン含有量早見表」への製品情報提供活動、食品メーカー6社による食物アレルギーの協同取り組み「プロジェクトA」への参画などを通じて、活動を推進しています。
 
・ハウス食品グループ 食物アレルギーへの取り組み
https://housefoods-group.com/sustainability/health_nutrition/allergy/index.html