◆ 今後3年間で最大35基の有機ランキンサイクル設備を供給

◆ ファーボ・エナジー社の次世代地熱プロジェクト拡張に向け、強固なサプライチェーンで有機ランキンサイクル設備の納期を確保

三菱重工グループでイタリアに本拠を置くターボデン社(Turboden S.p.A、本社:イタリア ロンバルディア州)は、米国ユタ州で次世代地熱プロジェクトの拡張を進めているファーボ・エナジー社(Fervo Energy、本社:米国テキサス州ヒューストン)※1と3年間のフレームワーク契約※2を締結しました。

本契約に基づき、ターボデン社は最大35基、合計1,750 MWの有機ランキンサイクル(Organic Rankine Cycle:ORC)設備をファーボ・エナジー社の次世代地熱プロジェクトに供給し、地熱エネルギーをカーボンフリーのベースロード電源へ変換します。また、強固なサプライチェーンによりORC設備の納期を確保することで、プロジェクトのリードタイムを短縮し、増大する電力需要に対して、エネルギー供給事業者がより効率的に対応できるよう支援します。

本契約は、ターボデン社とファーボ・エナジー社の協力関係を強化するものです。昨年締結した、ファーボ・エナジー社の米国ユタ州における次世代地熱システムプロジェクト「ケープステーション」のフェーズII向けORC設備3基の供給契約※3に続き、複数年にわたる連携により、ファーボ・エナジー社は、ORC技術を同社のプロジェクトの中核要素として活用し、ターボデン社を信頼できるサプライヤーと位置付けています。両社は、導入される設備で得られる知見を生かし、システムの性能を継続的に向上させる計画です。

ターボデン社は現在、「ケープステーション」のフェーズIでORC設備の試運転の段階にあり、本年後半の操業開始を予定しています。このプロジェクトは、今後の大規模かつ戦略的な開発計画の中で最初に稼働するもので、重要なマイルストーンとなります。

データセンターの開発事業者の間で地熱エネルギーが有望なベースロード電源として認識されつつあるなか、ターボデン社とファーボ・エナジー社は、本契約の締結によって、差し迫った電力需要に迅速に対応できる体制を整えました。ターボデン社のORC設備は、燃料消費量や水使用量、CO2排出量を増やすことなく熱を電力へ変換できるため、ガスタービンをはじめ廃熱を発生させるさまざまな産業プロセスにも適用可能です。このため、既存インフラ設備に追設することで発電容量を増やすこともできます。

三菱重工は、広範囲かつ高効率な発電・エネルギーシステムの提供を追求するグローバル企業として、今後もターボデン社と緊密に連携し、世界規模でのエナジートランジションを推進していきます。

※1 三菱重工グループはファーボ・エナジー社に出資しています。詳しくは、2024年2月29日発表の「革新的な地熱システムを開発する米国ファーボ・エナジー社に出資」をご覧ください。

※2 フレームワーク契約は、一定期間における複数回の受発注に備えて、価格や品質などのルールを事前に決めておく枠組み契約。受発注のたびに交渉する必要がないため、迅速な対応が可能です。

ターボデン社は、1980年にイタリアのミラノ工科大学の教授らが主体となって設立されました。有機ランキンサイクル(ORC)タービンなどを開発・製造する企業で、2013年から三菱重工グループに加わっています。

その製品は、ORCプラントから、大型ヒートポンプやガスエキスパンダーまで多岐にわたります。1980年以来、ターボデン社はエナジートランジションにおけるパイオニア的存在です。50カ国以上で470以上のプラントを納入し、累計1GW以上の発電容量を実現するなど、ORC技術の世界的リーダーとしての地位を確立したターボデン社は、プロセスの脱炭素化のための最適化ソリューションを提供する、最も信頼できるテクノロジーパートナーのひとつです。

ターボデン社の技術は6,300万トン以上のCO2削減に貢献しており、エネルギー効率化と持続可能性の分野におけるグローバルなキープレーヤーであることが証明されています。詳しくは、www.turboden.comをご覧ください。

ファーボ・エナジー社は、次世代地熱発電の開発を通じて、24時間365日、カーボンフリーのエネルギーを提供しています。同社のミッションは、地球科学のイノベーションを活用し、世界の持続可能なエナジートランジションを加速することです。水平方向の掘削、光ファイバーを活用した計測、先進的な貯留層エンジニアリング分野での技術革新により、地熱発電を大規模かつ競争力のあるものとし、世界的な需要増加に応える準備を整えています。詳しくは、fervoenergy.comをご覧ください。

有機ランキンサイクル(Organic Rankine Cycle:ORC)技術について

ORC技術は従来の蒸気タービンとしくみが似ていますが、大きな違いは高分子有機媒体を蒸発させて利用する点です。

これにより、タービンの回転速度を低く設定することが可能となり、翼などの部品の浸食もありません。また、ORCユニットは工場出荷時にスキッド上で組み立てられるため、輸送が容易です。

ORCシステムでは、中・高温の熱媒油により、蒸発器内の有機作動媒体を加熱・蒸発させます。その蒸気によりタービンが回転し、クリーンで安定した発電が行われます。ORCシステムのアプリケーションとしては、地熱、廃熱回収、バイオマス、太陽熱などがあります。

詳しくは、https://www.mhi.com/jp/business/products-services/energy-environment/renewable-energy/organic-rankine-cycle-orc-technologyをご覧ください。