三菱重工業は、株式会社Algomatic(本社:東京都港区、代表取締役CEO:大野 峻典氏)と共同で応募した、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による懸賞金活用型プログラム「GENIAC-PRIZE」(注1)において、テーマ「製造業の暗黙知の形式知化」に関する提案が第2位を受賞しました。
当社とAlgomatic社が共同で提案したのは「TIG溶接(注2)技術を例にした熟練者・非熟練者の作業動画の“比較”アプローチによる暗黙知の形式知化」。TIG溶接は、高品質な溶接方法として、エネルギープラントからロケットまで当社製品を幅広く支える技術である一方で、溶接士の熟練度に応じて品質や作業時間に差が出る難しさがあり、技能継承において課題となっています。本提案では、熟練者と非熟練者の溶接作業の動画を撮影しアップロードするだけで、エージェントAIが両者の作業差分を自動解析。 複数の解析モジュールから最適な手法を選択し、身体知を含む技能の差異を多面的に抽出・可視化します。これにより、言語化が困難な技能を形式知として体系的に蓄積し、AIによる非熟練者への技術評価やフィードバックが可能となります。
製造業の現場では、熟練者の技能が暗黙知として蓄積されている一方で、その言語化や標準化は長年の課題となっています。本提案は、熟練者と非熟練者の作業を“比較”することで身体知の可視化に挑戦し、製造現場における技能継承の効率化や生産性向上に寄与することが期待されており、今後の社会実装に向けた重要な一歩となります。
三菱重工は、経営方針「Innovative Total Optimization(ITO)」のもと、「全体最適」の考え方でリードタイム半減や業務の生産性向上に取り組むとともに、「領域拡大」の視点で各事業の成長戦略を具体化しています。今後も本技術の社会実装を推進し、製造現場の技能継承と生産性向上に貢献していきます。
(注1)GENIAC-PRIZEは、生成AIの社会実装促進を目的としたNEDOの懸賞金活用型プログラムで、「製造業の暗黙知の形式知化」「カスタマーサポートの生産性向上」「官公庁等における審査業務等の効率化に資する生成AI開発」「生成AIの安全性確保に向けたリスク探索及びリスク低減技術の開発」の4テーマを対象に、総額約8億円の懸賞金を提供しています。2026年3月24日の最終審査・表彰式では、200件超の応募から42件が受賞しました。詳しくは以下をご覧ください。https://geniac-prize.nedo.go.jp/
(注2)TIG溶接とは、タングステン電極とアルゴンなどの不活性ガスを使って、金属を溶接する手法です。