~宮崎市教育委員会と共に「宮崎モデル」を構築し、全国の教育現場の変革へ~
すべての人が性と生き方を自分で選べる世界を目指してSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の推進に取り組む国際協力NGOジョイセフ(公益財団法人、東京都新宿区:以下ジョイセフ)は、2026年4月2日、宮崎市教育委員会(宮崎県宮崎市、教育長:大木隆)と、小中学校における「包括的性教育」の展開に関する連携協定を締結いたしました。
 
自治体が特定の団体と、包括的性教育の推進に特化した連携協定を締結するのは全国で初めての試みとなります。
 
背景と目的
現在、日本国内では子どもへの性暴力、予期しない妊娠、性感染症の増加が深刻な社会課題となっています。特に宮崎県においては、10代の中絶率や梅毒の罹患率の高さが喫緊の課題となっており、科学的根拠に基づき、人権やジェンダー平等を基盤とする「包括的性教育」の導入が強く求められていました。
 
宮崎市教育委員会は、全国に先駆けて包括的性教育の基本方針を策定し、独自の指導案を整備するなど、先進的な取り組みを進めてきました。本協定により、ジョイセフが半世紀以上にわたり世界各地で培ってきたSRHRの知見と、宮崎市の教育現場を直結させ、実効性の高い「宮崎モデル」の構築を目指します。
 
連携協定式でのコメント
ジョイセフ理事長:勝部まゆみ
「教育には『質の高い教材』と、それを届けるための『スキル』の両輪が不可欠です。宮崎市が作成された素晴らしいカリキュラムが、現場で期待以上の大きな効果を発揮できるよう、私たちの知見を活かすことができれば、本当に嬉しく思います。この連携によって、将来的にこの宮崎モデルが日本全国へ広がっていくことを期待しています。」
 
宮崎市教育委員会:大木隆教育長
「包括的性教育は未来を担う子どもたちに欠かせないものですが、教員だけで実施するにはハードルが高いのも事実です。世界的な知見を持つジョイセフ様との連携は、まさに『渡りに船』でした。この取り組みを、単なる計画ではなく教室の中で子どもたちの心に染み入る生きた教育にしていきたいと考えています。」
 
協定当日にモデル校にて教員研修を実施
協定締結直後、モデル校の一つである宮崎市立古城小学校にて、教職員を対象とした包括的性教育の研修会を開催しました。
 
ジョイセフのスタッフがファシリテーターを務め、科学的な知識の伝え方から、子どもたちの「自分を大切にする権利」を尊重する視点まで、具体的な指導スキルの一部を共有しました。参加教員の声としては、実践に向けた進め方や伝え方への不安、性教育と包括的性教育の違いに対する理解の不足、基礎から学び直そうとする姿勢、そして無意識の思い込みに気づき改善したいという意欲などが見られました。
 
今後の展開
今後は、宮崎市内のモデル校で展開される授業実践、教職員向けの継続的なトレーニング、および教材活用などに、ジョイセフは知見を生かしたアドバイスを通じて、宮崎市全域への展開をサポートします。ジョイセフは、この「宮崎モデル」を、日本の公教育における包括的性教育の成功事例として全国へ発信してまいります。
 
【団体概要】
公益財団法人ジョイセフ(JOICFP)
ジョイセフは、すべての人が性と生き方を自分で選べる世界をめざして、基本的人権であるセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利=SRHR)を推進する、日本生まれの国際協力NGOです。とりわけ、アフリカやアジアの低・中所得国で支援活動を実施。これまで半世紀以上にわたり、日本を含む43国と地域で、妊娠・出産・安全でない中絶によって亡くなる女性を減らすための支援、意図しない妊娠を防いで女性の人権を守るための家族計画の推進、性感染症の予防、SRHR推進のための啓発や教育、アドボカシーを行ってきました。2025年第77回保健文化賞を受賞。
 
ウェブサイト:https://www.joicfp.or.jp/