既存拠点を軸としたドミナント展開を強化し、より多くの子どもたちへ訪問看護サービスを拡大
一般財団法人KIBOW(東京都千代田区、代表理事:堀義人、以下 KIBOW)が運営する「KIBOW社会投資ファンド3号」は、児童精神科訪問看護ステーション「ナンナル」を運営する株式会社カケミチプロジェクト(東京都杉並区、代表取締役CEO:岡琢哉氏、以下 カケミチプロジェクト)に追加出資をしました。
 
カケミチプロジェクトは、2023年10月に実施した「KIBOW社会投資ファンド3号」からの3,000万円の出資に続く今回の資金調達により、より多くのメンタルケアを必要とする子どもたちに訪問看護サービスを届けるため、既存拠点を中心としたドミナント展開を強化します。
 
 
■カケミチプロジェクト事業概要
近年、日本の子どもたちを取り巻く環境は急速に変化しています。不登校の小中学生は過去最多の35万人となり、12年連続で増加しており、いじめや若年層の自殺問題も深刻化しています*1。一方、対応可能な児童精神科医は国内に約750名程度*2と極めて少なく、病院の初診待機期間は3カ月以上、外来診察時間は1回あたり15分程度となっており、病院だけに頼らない新しい仕組みが求められています。
カケミチプロジェクトは、児童精神科医が設立した、日本初*3の児童精神科特化型訪問看護ステーション「ナンナル」を運営しています。専門的な看護師が自宅を訪問し、子ども一人ひとりの特性や家庭環境に合わせた手厚いケア(1回30分以上)を提供するサービスです。
 
*1 「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00006.htm
*2 2025年4月時点、一般社団法人日本児童青年精神医学会
*3 2021年4月時点、カケミチプロジェクト調べ。同時点で国内で開業している精神科訪問看護ステーションを対象に調査

 
■追加出資の背景と目的
KIBOWは、カケミチプロジェクトの取り組みと成果を高く評価し、事業とインパクトのさらなる拡大を支援するために追加出資を決定しました。
 
1. 社会的インパクトの拡大
初回出資以来、ナンナルの利用者は大幅に増加し、利用者メンタルヘルス指標は有意に改善しました。また、子ども本人だけではなく、その家族の離職防止に寄与するという社会的インパクトにもつながることが明らかになりました。
<カケミチプロジェクトの目指すインパクトモデル>
 
2.事業拡大と経営基盤の強化
KIBOWの初回出資以降、カケミチプロジェクトの月次売上は約2倍に成長しています。今後のさらなる事業成長加速のため、追加出資を決定しました。児童精神科専門の訪問看護ステーションの既存拠点を中心としたドミナント展開の強化に向け、戦略検討や経営伴走を行ってまいります。
KIBOWは、これまでの実績やノウハウ、エビデンスを基礎として医療・福祉・教育の支え合いの輪を広げ、より多くの子どもとその家族に最適な支援が提供されることを期待しています。


■カケミチプロジェクトについて
設立日:2020年12月28日
事業内容:児童精神科訪問看護ステーション「ナンナル」の運営
代表者:代表取締役CEO 岡琢哉
所在地:東京都杉並区阿佐谷北3丁目2番10号
URL:https://nannaru-houkan.com/


■代表取締役CEO 岡 琢哉氏からのコメント
今回の追加出資を通じて、私たちの取り組みや目指している方向性にあらためて期待を寄せていただけたことを、大変心強く感じています。日々の現場では、子どもたちやご家族が抱える困難の複雑さに向き合いながら、地域の中で必要な支援をどう届けていくかを模索し続けてきました。こうした実践の積み重ねを評価いただけたことを、非常に嬉しく思っています。
カケミチプロジェクトはこれからも、児童精神領域における訪問看護の可能性を広げ、子どもと家族を支える社会基盤づくりに挑戦してまいります。今回の追加出資を大きな後押しとして、支援の質の向上と提供体制の強化を進めながら、より多くのご家庭に価値を届け、社会的インパクトを一層拡大していきたいと考えています。
 
<岡氏 プロフィール>
岐阜大学医学部卒業、初期研修終了後に同大学附属病院精神神経科入職。同院助教を経て、東京都立小児総合医療センター児童思春期精神科に入職。同時期に国立精神・神経医療研究センターで学童期のメンタルヘルス研究に従事し、岐阜大学博士課程を修了。2020年に臨床と研究のギャップを埋める目的で株式会社カケミチプロジェクト設立、代表取締役就任。2021年、杉並区に「ナンナル」開設。現在、NPOカケルとミチル、医療法人社団あやなり 理事を兼任している。


■社外取締役 森 暁郎からのコメント
社外取締役として、カケミチプロジェクトに伴走してまいりました。岡氏、塩見氏率いる経営陣の最大の強みは、明確な志の元で日々事業に邁進している点にあります。加えて、外部の意見を柔軟に取り入れる真摯な姿勢があり、経営会議での議論を形骸化させず、具体的なアクションとして事業運営に反映させています。こうした実行力こそが、今回の追加出資という成果につながったのだと考えています。
今後、さらなる経営体制の強化や人材採用など取り組むべき課題はありますが、現経営陣のリーダーシップのもとで同社がさらに飛躍していくことに期待しています。
 
<森 プロフィール>
三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。国内及びニューヨーク支店にて、シンジケートローン、買収ファイナンス等の営業及び審査業務に従事。MBA取得後は、General Electricに入社。営業・マーケティング分野のグローバルなリーダーシッププログラムに参画しながら、大型の買収案件等を担当。その後、事業会社のベネッセに転じ、新規事業開発室長として、教育・介護分野での買収や戦略出資を進めるとともに、全社横断の新規事業開発制度を構築、具体案件のインキュベーションを担当。 現在はグロービスの講師として、アカウンティング・ファイナンス領域を中心とした様々な経営課題に日英両言語で取り組んでいる。慶應義塾大学経済学部卒業、コロンビア大学経営大学院修士課程修了。


■KIBOW社会投資ファンド インベストメント・プロフェッショナル 五十嵐剛志からのコメント
カケミチプロジェクトには2023年10月の初回投資以来、着実に事業を成長させながら、子どもたちとそのご家族に対する重要な支援を届けてきた実績があります。こうした歩みを踏まえ、さらなる発展を期待して追加出資を決定しました。今後も児童精神科訪問看護分野のリーディングカンパニーとして、さらなる社会的インパクトの拡大を期待しています。


◆KIBOWについて (http://kibowproject.jp
東日本大震災の3日後に始動した救援・復興支援プロジェクト「Project KIBOW」は、「希望」と「Rainbow」から命名しました。長期的に被災地を支援していきたいという想いから、2012年2月に一般財団法人化し、以下の活動を行ってきました。
現在は、被災地に限定せず、全国の「社会を変える」志を持った社会起業家たちに投資し、事業の規模化を支援する「社会的インパクト投資」を中心に活動しています。
 
1)「場」の提供(イベント)
被災地各地で、地域の復興を願う人たちが集まる「場」を作っています。地域の内外のリーダーたちが集まり、交流を生むイベントを定期的に開催しています。
 
2)寄付
これまで、約1400名以上の方々にご協力いただき集めた資金約1億円を、被災地で活動しているNPOや各地のリーダー達に提供しています。
 
3)社会的インパクト投資(KIBOW社会投資ファンド)
2015年9月にKIBOW社会投資ファンドを設立、これまで合計22社のスタートアップ企業に投資を行いました。現在は「KIBOW社会投資ファンド3号」(総額10億円)を運営し、未知・未解決の社会課題にも挑戦し、社会的インパクト投資を通じて社会課題の解決を加速させています。