株式会社デコス(本社:山口県下関市、代表取締役:安成信次)は、2 月20 日(金)、住宅事業者を対象に
結露に関するアンケートを実施しました。
昨年4 月に省エネ適合義務化が施行され、新築住宅において一定の断熱性が義務付けられました。高断熱
化が急速に進む中、一方で懸念されるのが結露や湿気のリスクです。今回、住宅事業者の意識と現場での対
策についてアンケートを行いましたので、その結果を報告いたします。
アンケート調査結果概要
●新築住宅の施工初期に発生する「初期結露」対策を全棟で実施している事業者は55.4%にとどまり、対策
が標準化されていないことがわかった
●施工中、躯体を濡らした際の対応や通気層の確認方法には、「特に対応しない」「口頭のみで確認」など現
場ごとにバラつきが見られた
●基礎コンクリートの水分対策は、多くの事業者が意識しているものの、設計段階での対応は8.7%と少数
●夏型結露については、認知は広がっているものの、4 割超が対策を行っていない
【調査方法:メールによるWEB 調査 有効回答数:130 対象者:住宅事業者 調査日:2026 年2 月20 日(金)】
「初期結露」対策を全棟実施している事業者は55.4%と約半数、対応にバラつき
「新築住宅において「初期結露」を想定した対策を行っているか?」を尋ねたところ、「すべての現場で対
策を行っている」と回答した事業者は55.4%にとどまり、「一部の現場のみ、あるいは行っていない」と回
答した事業者はあわせて34.6%となり、初期結露への対応が必ずしも標準化されていないことが分かりまし
た。また、「初期結露という概念を知らなかった」との回答も1 割あり、高断熱化が進む中で、施工初期の湿
気リスクについて十分な情報共有が行き届いていない現状もうかがえます。
「新築住宅の施工中、雨などで躯体を濡らしてしまった場合、どのような対応を行っているか?」との問いに対して、「送風や除湿、暖房などを組み合わせて乾燥させている」とする回答がある一方で、「特に何もしていない」「表面を拭き取るのみ」といった回答が約4割を占めました。
躯体内部の水分が住宅性能や耐久性に与える影響について、61.4%が十分な対策を講じているものの、15.7%は「特に行っていない」と回答しており、躯体の乾燥が不十分なまま次工程へ進むリスクが、現場ごとに残されていると言えます。
「基礎コンクリートの水分が室内環境に影響することを意識し、対策を行っているか?」との問いには、約4割が対策を行っていましたが、「意識はしているが具体的な対策はしていない」という回答も35.4%見られました。「設計や仕様として明確に対策している」とする事業者は8.7%にとどまっています。
断熱住宅では、基礎由来の水分が結露やカビの原因となるケースもあり、今後は設計段階からの対策がより重要になると考えられます。
「冷房期に発生する『夏型結露』について、どのレベルで認識・対応しているか?」との問いには、「言葉は知っているが対策はしていない」「知らなかった」とする回答が合わせて4割を超えました。一方で、断熱材の種類や配置を工夫したり、付加断熱などの設計的対策を行ったりしている事業者も存在します。
近年増加している夏型結露は、これまであまり問題視されてこなかった現象であり、今後さらなる周知と実務への反映が求められます。
「壁体内・屋根の通気層について、施工段階での確認・管理を行っているか?」を尋ねたところ、「写真やチェックリストで確認している」「標準仕様として管理している」といった回答がある一方、「図面上のみで現場確認はしていない」「口頭確認にとどまっている」とする回答も見られました。通気層は完成後に確認することが難しいため、施工中の確認や記録の重要性が改めて浮き彫りとなりました。
■今回のアンケート結果を受けて 湿気管理を含めた品質の向上は業界全体の課題
(株式会社デコス 取締役 企画部長/JCA事務局長 田所憲一)
省エネ基準の義務化により、住宅の断熱性能は確実に向上していますが、断熱性能だけでは住宅の快適性や耐久性を担保することはできません。高断熱住宅においては、湿気や結露を適切にコントロールする設計と施工管理が、これまで以上に重要になります。
今回の調査結果は、現場において結露対策や湿気管理が十分に標準化されていない実態を示しています。今後は、断熱性能の向上に加え、湿気管理を含めた住宅品質の向上を業界全体の課題として捉える必要があります。
当社では、今後もセミナーや情報発信を通じて、結露対策の重要性と具体的な対応策の普及に取り組んでまいります。