2年間・1000件超の実践データをもとに顧客起点の対話を可視化。トークスクリプト不要で、理解を“できる”に変えるトレーニング基盤
名案企画株式会社(本社:東京都中央区、以下 名案企画)は、保険会社・保険代理店向けの実践型模擬トレーニングサービス「モクトレAI」の正式版を、2026年4月7日より提供開始しました。
 
モクトレAIは、トークスクリプトを前提とした読み合わせ型のロープレではなく、顧客属性と面談シーンのみを設定し、二人一組で即興的に行う実践型の模擬トレーニングです。Webブラウザ上で音声を録音すると、AIが内容を分析し、約90秒で具体的なフィードバックを返します。PC・スマートフォンの双方に対応し、短時間でも回しやすく、日常業務の中に無理なく組み込める設計としています。
 
今回の正式版は、ベータ版を通じて見えてきた、短時間で回せる運用性、商談前準備としての有効性、具体的フィードバックの実践性に加え、AI研究者・清水亮氏のアドバイスも踏まえながらフィードバック内容のチューニングを重ね、より現場で使いやすい形へ改善したものです。
品質向上の本質は「対話品質」にある
保険業界では品質向上への取り組みが進んでいます。
一方で名案企画は、測りやすい指標の改善だけでは、顧客接点そのものの質を十分に捉えきれないのではないかと考えました。
 
私たちがたどり着いた結論は明確です。
保険サービスの品質は、最前線である募集人とお客さまの対話そのものに宿るということです。売りたいものを決め打ちするのではなく、会話の中でニーズを把握し、そのニーズに対して解決策を提案すること。そこにこそ、顧客が感じる品質の本質があります。
研修だけでは埋まらない「理解」と「実践」のギャップ
保険業界では、顧客対応や商品提案に関する研修や座学の機会は多く提供されてきました。
しかし、理解できていることと、実際の商談で自然にできることのあいだには大きなギャップがあります。
また、高い満足度のサービスを提供する募集人ほど、質の高い対話を実践している一方で、その多くは暗黙知化しており、何をすると顧客が安心し、納得し、次の一歩に進めるのかを明確に言語化できていないケースも少なくありませんでした。
だからこそ必要なのは、理解を深めることだけではなく、実践の反復によってそれを身体知化し、暗黙知を再現可能な形にすることだと、名案企画は考えました。
2年間・1000件超の実践データから、顧客起点の対話を言語化
この課題意識のもと、名案企画は2年間にわたり、保険募集人との実践型ロープレを重ね、顧客役・営業役の双方から1000件超の実践データを蓄積・分析してきました。
そのなかで見えてきたのは、商品説明が流暢であることと、顧客が「理解した」「納得できた」と感じることは必ずしも一致しない、という現実です。

顧客の立場から見ると、
なぜこの商品を勧められているのか
自分の課題は何なのか
どの課題を解決する提案なのか
が見えない対話が少なくありませんでした。
こうした実践データをもとに整理・分析し、顧客起点の対話をフレームワーク化したものが、名案企画独自の「CANVASメソッド」です。
顧客起点の対話フレームワーク「CANVASメソッド」
モクトレAIは、顧客起点の対話を現場で再現可能にする
モクトレAIは、単にロープレをAIが採点するサービスではありません。
名案企画が実践データの分析を通じて言語化してきた顧客起点の対話品質を、日常のトレーニングとして現場で再現可能にするためのサービスです。
AIの評価観点は、顧客のニーズを引き出す力、解決策を提案する力、次回アポイントにつなげる力に置いています。
また、フィードバックは単なる点数化や指摘にとどまらず、強み・弱み・クセを把握し、次にどう改善すべきかまで返す設計です。
モクトレAIのフィードバック
なぜ「ロープレ」ではなく「モクトレ」なのか
モクトレAIの「モクトレ」は、Mock Training の略称です。
一般的なロープレが想起させる、トークスクリプトを前提とした読み合わせ型の訓練とは発想が異なります。
モクトレAIでは、顧客属性と面談シーンのみを設定し、トークスクリプトなしで即興的に対話します。
決まったセリフを覚えるのではなく、実際の商談に近い状況のなかで、相手の反応を受け取りながら対話を組み立てる力を鍛えることを目的としています。
また、必ず二人一組で行うことで、実際の商談に近いコミュニケーションを再現し、お客さま役を通じて買い手視点も学べる設計としています。
従来のロープレとモクトレの違い
ベータ版で確認できた活用価値
ベータ版では、数百件規模のモクトレが実施されました。
利用者からは、
面談前の不安が減り、商談に臨む自信につながった
自分の商談のクセに気づけた
具体的なトーク例が次回準備に生かしやすかった
事前トレーニングによって商談でも近い反応が出て、落ち着いて対応できた
短時間で実施でき、日常業務の中でも継続しやすかった
若手や経験の浅いメンバーにも使いやすかった
といった声が寄せられています。
特に、訪問予定のお客さまを想定して事前に行う「プレ商談」は、現場での有効な活用方法として手応えが見えてきました。単なる練習ではなく、商談品質を高めるための事前準備として機能したことは、ベータ版で得られた大きな成果のひとつです。
今後について
名案企画は、モクトレAIを通じて、保険業界の品質向上を単なる指標改善ではなく、顧客接点の対話品質を高める取り組みとして支援してまいります。
また、保険のような無形サービスの商談を分析し、改善につなげてきた知見をもとに、将来的には他業界への展開も視野に入れながら、より幅広い領域でサービス品質の向上に貢献していくことを目指しています。