この度、LURF GALLERY(ルーフギャラリー)2Fでは、本田誠の個展「Gary Give me」を開催します。
本田の作品には、ふとした感情の揺らぎや記憶の断片が、モチーフや気配として静かに現れています。そこに何らかの物語性を見出したくなりますが、明確な筋書きが示されているわけではありません。鑑賞者は、本田の記憶や感覚から立ち上がったイメージを、自身の記憶や感覚と重ね合わせながら、それぞれの文脈で作品を受け取ることになります。
本展にあたり、本田は言葉による説明を最小限にとどめ、ステートメントとして「ABRACADABRA」という言葉が一文字ずつ消えていく逆三角形のかたちのみを提示しています。文字が一文字ずつ消えていくそのかたちは、意味や説明をいったん手放し、絵そのものへと視線を向けていく感覚とも重なります。
作品の前に立ったとき、そこにひとつの答えがあるわけではありません。作品と向き合いながら、それぞれの感覚のままにご覧いただけましたら幸いです。
動物や風景を手がかりに、言葉では説明できない内側の世界を油絵具を通して探っている。1998年頃から制作を続ける。
ルーフギャラリーは、現代社会の日常に潜む内面を、それぞれのスタイルで鋭く表現するアーティストたちを発掘・紹介し、同時代美術におけるひとつの潮流を提唱することを目的として、2022年に代官山で開廊しました。近代リアリズムが追求した人間の存在と社会の現実、また現代抽象が掘り下げた精神的・構造的探究などに関心をもちながら、モダンからコンテンポラリーへと続く美術の流れに敬意を払いつつ、時代の気配を繊細にとらえる感性をもつアーティストたちに光を当てています。 国籍やキャリアの枠にとらわれず、国際的な視点から、多様で本質的な表現を探究するアーティストをサポートしていきます。私たちは、こうした活動を通じて、現代社会を反映した、美術の普遍的な流れを紹介していくことを目指しております。