~内部熱暴走のリスクを評価し、安全なシステム設計をサポート~
リチウムイオン電池の評価試験・認証サポートを展開する株式会社ケミトックス(本社 東京都大田区、代表取締役 中山 紘一)は、EV(電気自動車)や産業用蓄電システム、各種ポータブル機器のバッテリーパックに対する安全評価として、新たに「類焼試験(Thermal Propagation Test)」の受託サービスを開始いたしました。
類焼試験のイメージ画像
■ 類焼試験導入の背景と目的
一般的に、複数セルで構成される電池パックはBMS(バッテリーマネジメントシステム)によって過充電や過放電などの異常から保護されています。しかし、万が一セル内部の要因(微小な異物混入による内部短絡)などによって一度でも熱暴走が発生してしまうと、もはやシステムによる電気的な制御は極めて困難となります。
 
このような「制御不能な単電池の暴走」が起きた際の最悪のシナリオにおいて、隣接するセルへ飛び火(熱伝播)するか否かが、火災の規模やシステム全体の被害を決定づける最大の要因となります。
 
EVの普及に伴い、国際的な規制(UN GTR No.20やGB 38031など)では、単体のセルの安全性だけでなく、車載パックレベルでの「延焼防止」や「乗員の避難時間の確保」が厳格に定められています。また、産業用リチウムイオン電池の安全規格であるJIS C 8715-2(IEC 62619準拠)においてもシステム全体の安全性を担保するために本試験が要求されており、電動工具やポータブル電源などでも、この試験は、製品の安全性を守るサプライヤーの責任として重要視されています。
 
ケミトックスはこうした市場のニーズに応え、致命的な大規模火災を防ぐための実証データを提供する類焼試験サービスを提供いたします。
 
リチウムイオン電池の類焼実験によりセルが吹き飛んで燃焼する様子
■ 類焼試験の概要と試験方法
本試験では、バッテリーパックまたはシステム内の1つのセル(トリガーセル)を意図的に熱暴走(サーマルランナウェイ)させ、隣接するセルやモジュールへの熱伝播を評価します。
 
トリガーセルを熱暴走させるためのきっかけとして、お客様の製品仕様や規格に合わせて以下の方法を使用します。
ヒーター加熱(外部加熱) 外部から熱を加えて熱暴走を誘発します。
 
釘刺し(内部加熱) 金属釘を刺して物理的な内部短絡を起こします。
 
過充電(電気的負荷) 規定以上の電圧をかけて化学的に暴走させます。
※円筒型でPTC素子やCIDが採用されているセルには適用できません。
■ 本サービスはこんなお客さまにお勧めです
ケミトックスの類焼試験は、バッテリーに関わる幅広い事業者の皆様にご活用いただけます。
複数セル構成の電池パックを搭載した製品のメーカー(電動工具、サービスロボット、ドローン、ポータブル電源、業務用清掃機など)
 
産業用蓄電システム・EV等の大型モビリティメーカー(系統連系蓄電池、UPS、電動フォークリフト、EVなど)
 
電池パック・モジュールのアセンブリメーカー(セルを調達し、自社でBMSや冷却機構を組み込んでパック化するメーカー)
 
電池パック・システムの輸入販売企業(海外規格で製造された外製電池パックなどを日本国内向けに輸入・販売する商社や代理店)
 
バッテリー向け新規部材のサプライヤー(難燃材、断熱シート、冷却部材などを開発する素材・化学メーカー)
ケミトックスは、本試験を通じてお客様の製品の安全性評価を強力にサポートし、より安全なリチウムイオン電池製品の普及に貢献してまいります。試験の詳細やご相談につきましては、弊社ウェブサイトまたは担当窓口までお気軽にお問い合わせください。