― 全国12の支援団体とともに双子・三つ子家庭の負担実態をデータによって明らかに。社会全体で支える仕組みへ ―
株式会社pono(所在地:福岡県福岡市、代表取締役:牛島智絵)が運営する多胎妊娠・育児支援アプリ「moms」は、九州大学都市研究センター(所在地:福岡県福岡市、センター長:馬奈木俊介、特任助教:武田美都里)、株式会社シティアスコム(所在地:福岡県福岡市、代表取締役社長:池田勝)、株式会社インクルーシヴシティ(所在地:福岡県福岡市、代表取締役:中間裕一)と共同で、「多胎児育児が親の精神的健康に与える影響」に関する実態調査および研究を実施いたしました。
 
アンケートには489もの回答が集まり、本研究により多胎育児の実態がデータとして明らかになり、支援の必要性が裏付けられました。今後は、本研究で得られたデータをもとに、「moms」を起点とした支援を広げ、負担を社会全体で支えていくことを目指します。
 
なお、本研究成果は、2026年3月20日に開催された「第96回日本衛生学会学術総会」にて、九州大学の武田美都里特任助教により発表されました。
■見過ごされてきた多胎家庭の現実
多胎育児は、同時に複数の子どもを育てるという特性から、身体的・精神的負担が大きいことが知られています。特に乳幼児期においては、同時対応の連続による慢性的な疲労や、外出・社会参加の難しさからくる孤立感など、単胎育児に比べて、より大きな負担が生じやすいことが指摘されています。
 
「一人でも大変なのに、同時に二人を見るのは限界に近い」――そうした声も少なくありません。
多胎育児家庭では、虐待死のリスクが単胎児家庭と比べて約2.5~4倍、離婚率が約1.5~2倍に高まるとする報告もあり(*厚生労働省の調査)、その負担の大きさは家庭の問題にとどまらず、社会的課題としても捉えられています。
 
一方で、こうした多胎育児が親の精神的健康に与える影響は明らかにされておらず、どのような支援が母親の状態の改善につながるかは明確になっていません。そのため、多胎育児に伴う負担は個々の家庭の努力や工夫に委ねられやすく、社会的な課題として十分に認識されてこなかった可能性があります。
 
* https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520465.pdf
■当事者の声と現場の知見が可能にした本研究
株式会社ponoが運営する多胎妊娠・育児支援アプリ「moms」は、双子・三つ子などを育てる約7,200世帯が参加しています。
本研究では、「moms」と全国12の多胎支援団体との連携により、これまで集まらなかった現場のリアルな声と生活データの収集を実現しました。
さらに、これらのデータを九州大学が解析することで研究としての信頼性が担保され、多胎育児支援の必要性について示唆が得られました。
■調査で明らかになった 多胎育児の負担構造
本研究により、多胎育児における負担は単なる育児量の多さではなく、複数の要因が重なり合う「構造的な負担」であることが明らかになりました。
 
まず、多胎児を育てる母親は単胎児の母親と比べて、すべての満足度が低い傾向がみられ、特に生活・仕事・経済面においては有意に低いことが確認されました。こうした傾向はウェルビーイング指標と心理的ストレス指標においても一貫して見られました。
 
さらに、母親の年齢および子どもの数を調整した分析においても、多胎児の親であることは生活満足度の有意な低下と関連しており、多胎育児そのものが親のウェルビーイングに影響を与えている可能性が示唆されました。
 
また、単胎児の母親では子どもの成長とともに育児満足度が上昇する傾向が見られる一方で、多胎児の親では満足度が低下する傾向が確認されており、時間の経過だけでは育児負担が軽減されにくい構造が明らかになりました。
 
こうした背景には、複数の子どもを同時に育てることによる負担が長期にわたり持続しやすく、時間の経過だけでは十分に軽減されにくいことが影響していると考えられます。
 
また、母親のウェルビーイング指標に影響を与える要因を解析した結果、母親の収入、父親の育児参加、地域における支援環境が、その向上に寄与することが明らかとなりました。
 
以上の結果から、多胎育児における負担は個人の努力や工夫にだけで解消されるものではなく、経済的支援や職場環境の整備、家庭内の協力、地域の支援体制といった複合的な支援があって初めて軽減される社会的課題であると考えられます。
■支援が届く社会へ--研究成果を社会実装へ
本研究で得られた知見をもとに、株式会社ponoはデータとテクノロジーを活用し、多胎家庭に支援が届く仕組みの構築を進めます。
 
多胎妊娠・育児支援アプリ「moms」を起点に、当事者同士のつながりを広げるとともに、必要な支援情報やサービスを適切なタイミングで届ける基盤を強化していきます。
さらに今後は、自治体・医療機関・企業と連携しながら、多胎家庭の負担を社会全体で支える支援モデルの構築を目指します。
 
本研究を出発点として、多胎育児における課題を「見えないもの」から「社会で支えるべきもの」へと転換し、誰もが安心して子育てできる社会の実現に貢献してまいります。
■協力団体(NPO法人つなげる 代表理事中原様)コメント
今回の研究結果は、私たちが現場で感じてきたことに近しい数字だと感じました。幸福度の差は多胎親と単胎親でそれほど大きくありません。子どもへの愛情や育児への思いは、単胎でも多胎でも変わらないのだと思います。
 
しかし、仕事・経済・夫婦関係の満足度はいずれも多胎親で有意に低く、それが生活全体の満足度の低さとして表れていました。働きにくいから収入が減り、余裕がなくなって夫婦関係もしんどくなる。さらに多胎家庭同士のつながりも持てず、孤立が深まっていきます。
 
子育ては、家庭の中だけで完結するものではありません。多胎家庭同士や地域・社会とのつながりの中で育てられることが本来の姿であり、そこに幸福度の鍵もあると感じています。孤立した状態での子育ては、過酷でしかない。NPO法人つなげるは、その関係性を「つなげる」ことを、支援の出発点としています。
■学会発表の概要
学会名:日本衛生学会学術総会
発表日時:2026年3月20日
発表内容:「多胎児育児が親の精神的健康に与える影響」に関する研究成果報告
発表者:九州大学都市研究センター 武田 美都里
■アプリ「moms」概要
名称:moms(マムズ)
提供開始:2025年3月5日(ふたごの年みつごの日)
ダウンロード数:7,376件(2026年3月24日時点)15カ国
対応OS:iOS / Android
提供:株式会社pono
概要:双子・三つ子など多胎家庭専用の妊娠・育児アプリ。情報交換、サポート機能、ショップ機能などを提供。
▼アプリダウンロードはこちらから
App Store (iOS)
Google Play (Android)
■株式会社ponoについて
双子・三つ子など多胎家庭に特化した妊娠育児アプリ「moms」を開発・運営しています。現在は15カ国で利用されており、当事者コミュニティや多胎SOS、SHOP機能などを提供しています。
また、自治体・企業・団体と連携し、当事者の声を社会に還元するエコシステムを構築。さらにエンゲージメントマーケティングを通じて多胎家庭と企業をつなぐことで、孤立や情報不足の解消を図り、多胎育児におけるウェルビーイングの向上を目指しています。
 
法人名  : 株式会社pono
所在地  :〒810-0041 福岡市中央区大名2-6-11 Fukuoka Growth Next
代表取締役: 牛島 智絵
設立日  : 2025年2月5日 (ふたごの年ふたごの日)
事業内容 : アプリ開発・運営事業、多胎育児支援サービス
momsサービスページ:https://moms-app.com
moms公式Instagram:https://www.instagram.com/moms__app/