沖縄美ら海水族館(所在地:沖縄県国頭郡本部町/館長:佐藤 圭一)では、2026年4月1日より餌生物から「盗んだタンパク質」で発光するキンメモドキの展示を開始しました。また、東北大学の別所-上原 学 助教を中心とした研究チームで、「盗タンパク質」という独自の現象を“全ゲノム解読※”で証明しました。

生物が持つ遺伝情報(ゲノム)のDNA塩基配列(約30億文字)のすべてを網羅的に読む技術。特定の遺伝子だけを解析する      従来の手法と異なり、遺伝情報全体を解析できるために、がんや難病の特定、個人の体質に合わせた医療、治療法開発、進化   の検討に活用されています。

キンメモドキキンメモドキParapriacanthus ransonneti体長約7 cmの“キンメモドキ”は、インド・太平洋沿岸に生息するハタンポ科の一種です。昼間は岩陰やサンゴの下などに身を隠しており、時にはサンゴ礁の割れ目や洞窟に数万匹の群れを作ることがあります。夜間は餌を求めて活発に行動します。国内の水族館でもしばしば展示されていますが、発光することはあまり知られていません。

キンメモドキParapriacanthus ransonneti体長約7 cmの“キンメモドキ”は、インド・太平洋沿岸に生息するハタンポ科の一種です。昼間は岩陰やサンゴの下などに身を隠しており、時にはサンゴ礁の割れ目や洞窟に数万匹の群れを作ることがあります。夜間は餌を求めて活発に行動します。国内の水族館でもしばしば展示されていますが、発光することはあまり知られていません。

体長約7 cmの“キンメモドキ”は、インド・太平洋沿岸に生息するハタンポ科の一種です。昼間は岩陰やサンゴの下などに身を隠しており、時にはサンゴ礁の割れ目や洞窟に数万匹の群れを作ることがあります。夜間は餌を求めて活発に行動します。国内の水族館でもしばしば展示されていますが、発光することはあまり知られていません。

発光の様子薄暗い環境で水槽の下から高感度カメラで撮影すると、腹側が青色に発光する様子が観察できます。この発光に使われる酵素や化学分子は、キンメモドキ自身は作ること(生合成)ができずに、エサであるウミホタルの一種(Cypridina noctiluca)から摂食により取り込んでいます。

薄暗い環境で水槽の下から高感度カメラで撮影すると、腹側が青色に発光する様子が観察できます。この発光に使われる酵素や化学分子は、キンメモドキ自身は作ること(生合成)ができずに、エサであるウミホタルの一種(Cypridina noctiluca)から摂食により取り込んでいます。

キンメモドキは沖縄で普通にみられる小魚で、当館でも度々展示してきましたが、2020年に本種が 餌生物から「盗んだタンパク質」で発光するという未知の機能が備わっていることが発表されました。当館では餌にウミホタルを混ぜて給餌し、高感度カメラで発光の様子を観察してきましたが、このたび、東北大学の別所-上原 学 助教を中心とした研究チームが、「盗タンパク質」という独自の現象を“全ゲノム解読”で証明されたことを機に、キンメモドキの生体と発光の映像の展示を開始しました。

※生き物の状態により展示を終了することがあります。

※発光は微弱なため、肉眼でご覧いただけません。高感度カメラで撮影した映像を放映します。

東北大学学際科学フロンティア研究所:別所-上原 学助教、基礎生物学研究所:山口 勝司主任技術員、重信 秀治教授、琉球大学理学部:小枝 圭太助教、沖縄美ら海水族館:松崎 章平主査、慶應義塾大学先端生命科学研究所:前田 太郎特任助教からなる研究チームは、キンメモドキ(Parapriacanthus ransonneti)が、餌であるウミホタル類から発光酵素「ルシフェラーゼ」を取り込み、自らの発光に利用しているという「盗タンパク質現象」を以前に発見していました。

しかし、本当に魚のゲノムに発光酵素の遺伝子が全く存在しないのか、あるいは遺伝子の水平伝播によって獲得したウミホタル由来の発光遺伝子が働いているのかは、ゲノム全体を調べなければ断定できませんでした。

研究チームは、最新のシーケンス技術を用いてキンメモドキの高品質なドラフトゲノムを構築し、解析した結果、キンメモドキのゲノムの中に、ウミホタル類由来のルシフェラーゼ遺伝子は一切見つからず、さらに他の遺伝子がウミホタル類から水平伝播している証拠も認められませんでした。

この結果は「キンメモドキが自身でタンパク質を作る遺伝子を持たずに、他者のタンパク質を盗んで使う」という極めて珍しい特性を持っていることを決定づけるもので、その成果は生物が遺伝情報の書き換えを伴わずに新しい機能を獲得する進化の多様性を示す重要な発見となります。

【論文情報】タイトル:Absence of the luciferase gene in the genome of the kleptoprotein bioluminescent fishParapriacanthus ransonneti著者:別所-上原 学*、山口 勝司、小枝 圭太、松崎 章平、前田 太郎、重信 秀治*責任著者:東北大学学際科学フロンティア研究所(兼 生命科学研究科)助教授 別所-上原 学掲載誌:Scientific Reports論文URL:https://www.nature.com/articles/s41598-026-43942-6#Sec1【問い合わせ先】東北大学 学際科学フロンティア研究所(研究について)助教 別所-上原 学TEL: 022-795-5581Email: manabu.bessho.a3@tohoku.a.ac.jp(報道について)特任准教授 波田野 悠夏TEL: 022-795-5754Email: yuka.hatano.c4@tohoku.ac.jp

*責任著者:東北大学学際科学フロンティア研究所(兼 生命科学研究科)助教授 別所-上原 学

沖縄美ら海水族館では、これからも研究機関と共同で行うさまざまな研究に参画し、海洋や生物から得られる研究結果をもとに、沖縄そして世界の豊かな海を未来へと引き継ぐ架け橋となることを目指します。

「沖縄美ら海水族館」の「ちゅら」とは、沖縄の言葉で「美しい、清(きよ)らしい」という意味を持ち、自然豊かな沖縄の海を再現する展示コンセプトのもと、「沖縄の海との出会い」をテーマに南西諸島・黒潮の海に生きる多種多様な水圏の生きものとの出会いの場を創出しています。また、世界最先端の水族館として希少生物の保全・繁殖学的研究および生物学的研究を行うほか、質の高い教育の機会をすべての人々に提供し、持続可能な観光をけん引する拠点施設を目指しています。日本全国の博物館のうち、法律上の位置付けがある登録博物館に認定されています。

※沖縄美ら海水族館は、「一般財団法人 沖縄美ら島財団(URL https://churashima.okinawa/」が管理・運営しています。