今回制定された CNS16282 は、公共施設、交通施設、観光、スポーツ施設、商業施設、行動指示、安全、アクセシビリティの8分野を網羅し、合計253種類のピクトグラムを収録しています。公共環境における柔軟な活用を想定し、原則として単色表現を採用していますが、安全分野については CNS 9328 に基づく色彩規定に準拠しています。なお、本標準は一般公共空間を対象としており、鉄道・航空・道路標識などの交通信号類は対象外とされています。
設計プロセスでは、調査研究、プロトタイピング、検証を含む1年以上の開発期間を経て、年齢、性別、障害の有無、外国人など多様な背景を持つ245名を対象に理解度および視認性のテストを実施しました。言語に依存しない直感的な理解を重視し、異なる文化背景においても認識しやすい形状を検討しています。
特に重視されたのが、ヒューマンセンタード視点に基づくインクルーシブデザインです。人物を表す基本形において性別を限定しない中性的な表現を採用し、従来の固定的な人物像に依存しない設計を行いました。また、アクセシビリティ関連図記号についても、従来の補助対象としての表現から、主体的な行動を想起させる造形へと見直しています。
本ピクトグラムはオープンデータとして公開されており、CC BY 4.0 ライセンスのもと、共有、改変、商用利用が可能です。公共機関のみならず、民間事業者、教育機関、デザイナーなど多様な主体による活用が期待されています。使用にあたっては関連法規への適合に留意する必要がありますが、公共空間における情報伝達の質向上、アクセシビリティの改善、産業分野での応用促進など、多方面での展開が見込まれています。
台湾デザイン研究院は、本標準の整備とオープン化を通じて、公共環境における情報伝達の基盤を強化し、多様な人々が利用しやすい社会環境の形成を目指しています。今後も社会的ニーズや国際動向を踏まえながら継続的な改善を行い、デザインを通じた社会課題解決と国際連携の推進に取り組んでいきます。参考情報
■ 国家標準 CNS16282 オンライン閲覧
https://www.cnsonline.com.tw/?node=result&generalno=16282
■解説
https://www.tdri.org.tw/en/news/57?slug=news
https://www.youtube.com/watch?v=48nQZtkRiMs
■ オープンデータ申請フォーム
https://tdri.surveycake.biz/s/v2xNP
■ SEGD Award プロジェクトページ
https://segd.org/projects/taiwan-public-pictogram-system-tpps/