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学習・人材ソリューションを提供するグローバル機関であるETSは本日、2026年版「ETSヒューマン・プログレス・レポート」を発表しました。今年で3回目となる本調査は、労働市場、テクノロジー、雇用機会の急速な変化に対して、世界中での対応を分析しています。日本を含む18か国、約32,000人を対象に実施した今年の調査は、変化に積極的に適応する従業員の姿が浮かび上がりました。一方で、将来求められる仕事と、自らの学びをどのように結びつけるかについて、不確実性が高まっていることが明らかになりました。
日本では、日々の業務における変化は限定的で、過去1年間に職場で少なくとも1回大きな変化を経験したと回答した従業員は25%と、世界平均の67%を大きく下回りました。こうした職場環境の緩やかな変化は、AI導入に対する慎重な姿勢とも一致しています。現在、業務でAIを活用していると回答した従業員は18%で、これも世界平均の32%を下回る結果となりました。 |
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3年目を迎えた「ETSヒューマン・プログレス・レポート」では、世界の傾向として、雇用を取り巻く環境が大きな転換点にあることが顕在化しました。雇用の安定は、もはや勤続年数や肩書によって定義されるのではなく、適応力、証明可能なスキル、そしてAI対応力であることが示されました。多くの従業員がスキルアップの必要性を認識している一方で、時代に即したスキルの取得に対する明確な指針や、共通の評価基準が整備されておらず、資格取得の機会も不足していることがわかりました。 |
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ETSのCEOであるアミット・セヴァクは次のように述べています。「変化する雇用環境の中で、労働者は急速に適応しています。世界の従業員の5人に4人が、将来の仕事像が不透明な状況でも新たなスキルの習得に取り組んでいます。こうした適応能力は、今や必須スキルになりつつあります」 |
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2026年版「ETSヒューマン・プログレス・レポート」の主な調査結果は以下の通りです。 |
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日本の傾向 |
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職場環境の変化は世界と比べて非常に限定的:労働環境における変化を報告した人の割合は全体的に低く、業務で使用するテクノロジーやツールが変化したと答えた人は11%(世界43%)、職務内容や役割に変更があった人は10%(世界41%)、勤務先の戦略的方向性・優先事項に変化があった人は10%(世界38%)でした。 |
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従業員は継続的な学習を重視:従業員の77%が、現代社会で成功するためには、継続的な学習が不可欠だと捉えています。さらに、72%がアップスキリングまたはリスキリングが、今後のキャリア全体を通じた新たな標準になると考え、65%がそれらは今日の雇用市場で競争するために必要だと考えています。 |
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AI活用は緩やかなペースで進行:従業員の30%は、今後2年以内に自身の業務でAIを利用すると予想しており、現在の利用率(18%)の約2倍に相当します。AI活用への関心が高まる一方で、世界平均と比較すると、将来の利用率(52%)及び今の利用率(32%)においても大きく下回っています。 |
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世界の傾向 |
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新たなカギとなるスキルは適応力:世界の従業員の77%は、雇用を維持するためには継続的なスキルアップが必要だと感じています。また61%は、安定よりも、適応力を重視しています。 |
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AIによりプレッシャーと不確実性が増大:世界の従業員の73%は、雇用主からどの程度のAIリテラシーが求められているのか把握するのが困難だと感じています。AIリテラシーについては、その重要性に対する認識と実際の習熟度の間に19ポイントの差があり、世界的に見て最も大きなスキルギャップを示しています。 |
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スキル習得の証明が必須、しかし機会は不足:世界の従業員の85%が、キャリア形成には資格の取得が不可欠だと感じています。一方で、現在の職場で認定プログラムがあると答えたのはわずか45%でした。このことにより、学習意欲と、スキル習得の機会に大きな隔たりがあることが明らかになりました。 |
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3年目を迎えた「ETSヒューマン・プログレス・レポート」では、世界において現代の職場環境に見られる最大の変化の一つとして、「安定志向から変化適応型キャリアへの移行」が浮き彫りになりました。調査開始以来、本レポートは加速するテクノロジーの変化に対する、従業員、組織、経済の対応、またプログレス(進歩)の定義の変化を追ってきました。 |
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第1回調査(2024年)では、従業員に求められるスキル、利用ツール、業務内容の急速な変化に対して、世界全体で混乱と不安が高まっていることが明らかになりました。 |
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第2回調査(2025年)では、転換期を迎えました。従業員は、混乱や不安の状態から主導権を取り戻すために、継続学習や資格取得に取り組み、最新テクノロジーを受け入れ始めました。 |
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第3回調査(2026年)である今回のレポートでは、新たな動きが顕在化しました。適応力が世界的に必須であると認識される中、従業員は自身の努力を実際の機会に繋げるためにも、雇用主に対して明確な指標、仕組み、証拠を求めています。 |
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過去3年間のデータからは、人々は変化に抗うのではなく、変化に対応しようとしている姿が一貫して読み取れました。一方で、AIによる変化が加速する中では、自らの努力と自信の差が広がるという課題が浮上しました。従業員の適応スピードに、スキルアップ支援が追い付いていない現状です。特定スキルに対する共通の評価基準、信頼性の高い評価、スキルアップを証明する資格の取得支援が、求められていることが浮き彫りになりました。 |
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今回の調査は、企業、教育機関、政策立案者に対する明確な示唆が提示されました。特にAIが日々の業務で必須になる中で、従業員の変化への対応を支援するためには、共通の評価基準、信頼できる評価、公平な資格取得の機会を提供していく必要があります。 |
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調査結果の詳細は、2026年版「ETSヒューマン・プログレス・レポート」(英語)を参照ください。 |
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調査方法について |
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本調査は、ETSの委託を受けて米調査会社ハリス・ポールが2025年8月25日から9月10日にかけて18か国(日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、ケニア、メキシコ、ナイジェリア、サウジアラビア、韓国、アラブ首長国連邦、英国、米国、ベトナム)の18歳以上の成人32,558人を対象にオンラインで実施しました。各国における最低回答者数は、1,000人です。今年は米国の州レベルのデータ分析も行うため、通常より米国の回答者を増やしています。
一方で、各国のデータは、必要に応じてレーキング法(別称:RIMウェイト)を用い、実際の人口構成比に合わせて重み付けを行いました。レーキング法の採用により、複数の変数を考慮して重み付けを行い、各変数の補正量を最小限に抑えています。 |
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ETSについて |
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ETSは、人々が未来に備えるための生涯学習を支援する、グローバルな学習・人材ソリューションを提供する機関です。私たちのミッションステートメントは、「教育測定技術の向上によって、人類の発展を促進する」です。世界中のすべての人々が自身のスキルを証明し、生涯にわたって自分の道筋を描けるように支援することに注力しています。ETSは、2035年までに1億人以上の人々が、次世代の仕事に必要なスキル習得を実現することを目標に掲げています。
TOEFL、TOEIC、GRE、Praxis、Futurenav、PSIなどの信頼性の高い評価やスキル認定サービスの提供、ならびにETSの研究機関による先進的な取り組みを通じて、その実現に取り組んでいます。子会社も含め、200以上の国と地域にオフィスや事業拠点を構える強固なグローバルネットワークを有し、毎年5,000万人以上の人々が自らの能力を測定し、新たな機会を切り開けるよう支援しています。ETSは、世界規模で影響力の拡大に取り組んでいます。詳細はhttps://www.ets.org/ をご覧ください。 |
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