国際文化会館が『新領域戦略研究所』を設立
公益財団法人国際文化会館(東京都港区、理事長:近藤正晃ジェームス)は、本日、「新領域戦略研究所(Research Institute for Advanced Innovation and GeoStrategy: RAIS、以下、本研究所)」を設立するとともに、共同代表として古谷知之・慶應義塾大学総合政策学部教授と神保謙・国際文化会館常務理事(代表理事)が就任したことをお知らせします。
 
近年、先端技術をめぐる国際競争が激化し、安全保障は軍事に加え、技術・経済・情報空間へと拡張しています。こうした中、日本でも先端技術と安全保障を多面的に捉えた戦略と政策が求められています。本研究所は、従来の枠を超えた先端技術主導型の安全保障研究を進め、AI・統計・工学・法律・経済などの専門家ネットワークを活用し、安全保障政策の実現やイノベーション・エコシステム構築に取り組みます。
共同代表ご挨拶
古谷 知之(国際文化会館ディレクター、慶應義塾大学総合政策学部教授)
本研究所の最大の特徴は、従来の安全保障に関するシンクタンクとは異なり、新興技術を開発する研究者、国際政治や法律の専門家が文理融合で一体となって実証研究や政策立案に取り組む点です。また、AI領域においては、AIとデータサイエンスに精通した独自のチームを有することで、SNSや衛星画像のデータ分析やAI関連の技術開発も横断的に研究いたします。 本研究所では、技術主導型の安全保障研究を活動の基軸として、日本の安全保障イノベーション・エコシステムを構築する中核的な役割を果たすべく、政府機関、海外連携、そしてプライム企業からスタートアップまで多くの民間企業と共同研究を推進すること同時に、積極的にクロスドメインで活躍できる若手研究員の育成にも力を入れてまいります。本研究所の活動にご期待ください。
神保 謙(国際文化会館常務理事(代表理事))
いま世界は、AI、量子、宇宙、サイバー、バイオに象徴される新興技術と国家安全保障がかつてなく深く結びつき、戦争と戦場のあり方そのものが大きく変わろうとする時代に入っています。国際文化会館が新たに立ち上げる新領域戦略研究所(RAIS)は、従来の安全保障・防衛研究の枠組みにとどまらず、科学技術に精通した研究者や実務家との連携を通じて、この新しい時代にふさわしい安全保障戦略のあり方を探究してまいります。 あわせて、世界各国の先進的な研究機関や政策コミュニティとの連携を深め、知見を集積しながら、産官学をつなぐ知的基盤と実践的なコミュニティの形成を進め、日本から世界に通用する新時代の戦略構想を発信していくことを目指します。日本において今後一層の発展が期待されるこの領域を担うRAISの取り組みに、ぜひご理解とご支援を賜れれば幸いです。
本研究所の概要は以下の通りです。
研究分野 先端技術と安全保障を横断する、文理融合型の研究
取り組み 1.先端技術と安全保障に関する統合研究
2.企業との共同研究型コンソーシアム
3.国際連携と政策提言
4.人材育成プログラム
組織体制 1.AIと安全保障研究グループ
2. 研究と産業をつなぐ共創型プラットフォーム
3. 国際ネットワークによる知の連携
参考:本研究所詳細
共同代表について
慶應義塾大学総合政策学部教授 古谷 知之
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(博士(工学))。専門は先端技術と安全保障、応用統計学、都市工学。チュラロンコン大学(タイ)で客員教授、ウィーン大学(オーストリア)で客員研究員を歴任。
国際文化会館常務理事 神保 謙
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了(政策・メディア博士)。専門は国際政治学、安全保障論、アジア太平洋の安全保障、日本の外交・防衛政策。タマサート大学(タイ)で客員教授、国立政治大学、国立台湾大学(台湾)で客員准教授、南洋工科大学(シンガポール)客員研究員を歴任。政府関係の役職として、防衛省参与、国家安全保障局顧問、外務省政策評価アドバイザリーグループ委員などを歴任。
活動の特徴
本研究所の活動は、以下の3つの特徴を持っています。
1. 先端技術と安全保障を横断する研究
AI、データ分析、統計、法律、国際政治などの専門家が連携し、文理融合型の研究体制を構築しています。先端技術と安全保障を統合的に分析することで、新しい政策研究領域を切り拓きます。
2. 研究と産業をつなぐ共創型プラットフォーム
企業・研究機関・政府などと連携し、共同研究型コンソーシアムを形成します。研究活動と産業界のニーズを結びつけることで、安全保障分野における新たな技術開発や産業創出を促進します。
3. 国際ネットワークによる知の連携
海外の研究機関、大学、政府機関との連携を通じて、国際的な安全保障研究ネットワークを構築します。グローバルな視点から研究成果を発信し、日本の政策形成や国際協力に貢献します
組織体制
本研究所では、先端技術と安全保障を多角的に研究するため、以下の3つの研究グループを設置しています。
1.AIと安全保障研究グループ
AI技術の進展が安全保障環境に与える影響を研究します。AIを活用した軍事戦略分析、AI安全保障政策、AI技術の信頼性評価などをテーマに研究を推進します。
2.技術・資源・人材研究グループ
安全保障に関連する先端技術、重要資源、人材の動向を分析し、日本の技術安全保障政策や制度設計に関する研究を行います。AI駆動型システムや重要技術の国際競争環境などを研究対象としています。
3.情報戦研究グループ
SNSや衛星データなどの多様なデータを活用し、情報空間における政治・安全保障動向を分析します。OSINTデータ解析や情報戦の分析手法の研究などを行います。
 
これらの研究グループの知見を統合し、先端技術時代の安全保障戦略に関する政策提言や社会発信を行います。
研究所の取り組み
本研究所では、先端技術と安全保障をめぐる研究・産業・政策を結びつけ、日本における「安全保障イノベーションエコシステム」の構築を目指しています。その実現に向けて、研究活動を基盤としながら、企業連携・国際連携・人材育成を組み合わせた以下の取り組みを推進してまいります。
1.先端技術と安全保障に関する統合研究
2.企業との共同研究型コンソーシアム
3.国際連携と政策提言
4.人材育成プログラム
公益財団法人 国際文化会館について
日本と世界の人々の間の文化交流と知的協力を通じて国際相互理解の増進をはかることを目的に、1952年にロックフェラー財団をはじめとする内外の諸団体や個人からの支援により設立された非営利の民間団体です。創立70周年を機に「多様な世界との知的対話、政策研究、文化交流を促進し、自由で、開かれた、持続可能未来をつくることに貢献する」という新たな使命のもと、アジア・太平洋地域を代表する知の交流の拠点となり、グローバルでよい高いインパクトを発することを目指してまいります。 事業活動は主として、1.国際関係・地域研究・地政学、2.社会システム・ガバナンス・イノベーション、3.文明論・哲学、4.アート・デザインの4つの領域からなるプログラム部門と、その事業を支える国際交流の場としての施設の維持運営にあたる業務部門とからなっています。