「再エネ賦課金の使われ方」正しく回答できたのは、38%
セレクトラ・ジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:グザビエ・ピノン)は、25~85歳までの男女1,000人とその中で「再エネ賦課金を知っている」と答えた男女300人に対して「再エネ賦課金に関する意識調査」を行いました。
 
2026年3月19日、再エネ賦課金の新しい単価が発表され、ついに1kWhあたり4円の大台を突破しました。実際に新単価の適用が始まる5月以降は、不満の声が多く聞こえると見られます。
 
この値上げを機に、日本人のエネルギー意識に関するアンケート調査を実施。そもそも、再エネ賦課金の認知度はどのくらいなのか、注目すべき結果が出ました。
 
▶調査結果の詳細:https://selectra.jp/energy/news/renewable-energy-survey
調査結果まとめ
再エネ賦課金の存在を知らない人が半数(51%)以上
「知っている」と答えた人のうち、正しく理解していたのは38%にとどまる
昨今の中東情勢の影響? -化石燃料に依存することのリスクを理解している人は多い
「再エネを増やすべきか」-賛否は真っ二つ、基本的な思いは共通している(実際のコメントを引用)
「ペロブスカイト太陽電池」の認知度は36% -無視できない関心の高さ
 
電気代が「高い」と感じている人は90%
ここ最近の電気代に関しては、9割が「高いと感じている」と回答し、負担感の強さが非常に際立つ結果となりました。
「知らない間に引かれている」 - 再エネ賦課金の存在を「知らない」人は51%
続いて、同じ1,000人に再エネ賦課金の認知度について質問を行いましたが、「知らなかった・初めて聞いた」という方が約51%で、「知っていた」の49%を上回りました
 
以下の表の通り、電気代への意識が高いほど、賦課金を知っている率が上がるという傾向が見られます。ただしこの差は緩やかで、「非常に高い」と感じている人でも約半数が知らないままです。「電気代が高い=再エネ賦課金を把握している」とはならないことが分かります。
再エネ賦課金の認知度20代はわずか12.5%、30代、40代でも約40%
再エネ賦課金の認知度を年齢別に見てみましょう。
 
20代の認知率がわずか12.5%として低く、年齢が上がるにつれて認知率が上昇しています。50代を境に「知っている」が過半数になることが分かります。
「再エネ賦課金は何に使われている?」の正答率38% - 正確に理解している人は少ない
「再エネ賦課金の存在を知っている」と答えたうちの300人に、「再エネ賦課金が何に使われているか」を質問しました。
 
62%の人が不正解、正しく答えられた人は38%でした。このように、 再エネ賦課金の存在を知っていても、用途について正しく認識している人が少ないことが明らかになりました。
再エネ賦課金は何に使われる?- 正しい回答は・・・
再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が一定期間決まった価格で買い取るために使われます。再エネで発電された電気は、市場価格よりも高いため、買取費用の一部を賄うために使用されます。これ以外の用途では使用されません。
関連記事「再エネ賦課金をわかりやすく説明!これまでの単価の推移は?
(https://selectra.jp/energy/electricity/renewable-energy-surcharge)
一番多い誤解は『再エネ賦課金は「設置費用の補助」にも使われている』
最も多い誤答は、選択肢にある「上記すべてに使われている」でした。つまり、再エネ賦課金は、買取額の補填以外にも太陽光パネル等の発電設備の設置費用の補助、再エネ研究開発・技術革新への投資にも使われていると考えている人が多いことが浮き彫りになりました。
 
「再エネ賦課金=太陽光パネルを買うお金」ではない。なぜ誤解されやすい?

正式名称「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、"発電促進"という言葉の影響もあり「再エネを増やすための費用」つまり、パネルなどを「設置する」費用と誤解しやすいと言えます。
このように、名称が中身を明瞭に表していない点が誤解されやすい理由の1つとして指摘できます。
また、実際に、再エネ賦課金とは別に、国や自治体が太陽光パネルの設置費用を補助する制度が存在します。このため、これと混同しやすいという側面もあるでしょう。

ただし、再エネ賦課金そのものは、「すでに再エネ設備を設置した人・企業・自治体から電力会社が電気を買い取る費用の補填」であり、それ以外には使われていません。
 
 
電気代を押し上げる原因は?「化石燃料コスト」の認識は高い - 背景にイラン情勢
「電気代が高くなる理由は?」という質問に対して、最も多かった回答は「火力発電の燃料コスト」でした。
日本は海外からの化石燃料に頼らざるを得ず、それが発電コストの上昇につながっているという認識が広く浸透していることが読み取れます。
 
この背景には、昨今のイラン情勢などにより、原油やLNG価格の動向が大きく報道されている影響もあると考えられます。
電気代が高い理由は?の2番目に多い回答は、「再エネ賦課金など政策コスト」でした。イラン情勢による原油価格高騰の報道がなければ、消費者の化石燃料コストに対する認識が低いままで、再エネコストを原因とする声が一番多くなっていたかもしれません。
 
昨今の中東情勢が化石燃料に依存することの脆弱性を強く印象付ける役割を果たしています。
 
化石燃料がなぜ問題?
 
日本の電源構成の約7割は、天然ガスや石炭などを燃やして発電する火力発電に依存しています。そして、その燃料の多くは海外からの輸入に頼っているのが実情です。
 
この構造には、大きく2つのリスクがあります。ひとつは「地政学的リスク」で、紛争や国際情勢の変化によって燃料の供給が不安定になる可能性がある点です。もうひとつは「為替リスク」で、円安が進行すると輸入価格が上昇し、電気代にも影響が及びます。
再エネ比率は国民が思っているより「実際は高い」 - 知られていないのはもったいない?
現在の日本の電源構成における再エネの割合を聞いてみました。現在は、22.9%を超えています。(参照元:資源エネルギー庁 > 日本のエネルギー
 
一方、 アンケート回答で最も多かったのが「10%程度」でした。この結果を見ると、 一般的な認識よりも日本の再エネ率は高まっていることが分かります。
 
多くの日本人が、実際の普及スピードよりも再エネ比率を低く見積もっているという傾向が確認されました。
「再エネを増やすべきか」―賛否は真っ二つ、でも動機の根っこは同じ
「今後も日本は再エネ発電の割合を増やすべきだと思いますか?」という質問に関して、非常に興味深い結果がでました。
 
賛成(非常にそう思う+そう思う)は151人・50.3%、反対(そう思わない+全くそう思わない)は149人・49.7%と、ほぼ完全に真っ二つに割れました

性別・年代・地域を問わず意見が拮抗しており、この問いが日本社会のエネルギー政策における日本人の根深い分断を表していることが見て取れます。
 
【理由を深堀り】賛成派も反対も「自然破壊・環境」を懸念する気持ちは共通
賛成派・反対派の方にも理由を聞いてみました。それらの自由回答を分析すると、興味深い構造が浮かび上がります。
 
それは、 賛成派も反対派も、「環境・エネルギーへの不安」を出発点にしている点です。
反対派の最大の動機は「自然破壊への懸念」であり、これは賛成派の「環境を守りたい」という 動機と根っこが同じであることが分かります。

実際の声の一部を紹介します。他のコメントは、調査記事(https://selectra.jp/energy/news/renewable-energy-survey)でご覧いただけます。
賛成:増やすべき派の声
- 毎回外的要因に振り回されすぎだと思うので、再エネなど分散できる方法に取り組むべきだと思う。(63歳・男性・埼玉県)
- LNGとか輸入困難になったときに大変だから。(42歳・男性・北海道)
- エネルギー安全保障の観点から。(32歳・男性・大阪府)
- 旧来の発電方式では環境への影響や資源の枯渇など先行きはよくない。(70歳・女性・東京都)
反対:増やすべきでない派の声
- 発想は良いと思うが自然破壊しまくってるし中国製品がほとんどなので納得できない。(59歳・女性・茨城県)
- 再エネ技術も進展せず賦課金のツケを利用者に押し付けるという悪循環になっている。しかも文句を言わせず上乗せしてくるから利用者から取り放題という極めて愚かな政策である。(61歳・女性・神奈川県)
- メガソーラーのために荒地化が進んだり本来の主旨とは違う方向に行っているから。(54歳・女性・山口県)
- 太陽光発電は既得権利益の温床とされ、環境汚染の問題も抱え、常時発電もできず問題だらけで国民に電力高騰の一因となる再エネ賦課金という罰金が科せられている。(78歳・男性・東京都)
再エネ発電「反対派」の意見の背景を考察
反対派の意見にある心理を考察してみます。
反対派の意見には、1. メガソーラーの設置による環境破壊2. 中国への富の流出懸念が多く見られました。
無秩序なメガソーラー設置には規制の動きがある
大規模太陽光発電所(メガソーラー)に関しては、法的規制強化をすすめる動きがあります。これによれば、第三者機関が建設前に設備計画を確認する仕組みが作られたり、太陽光パネルの適切な廃棄・リサイクル方法が確立されることになっています。
 
また、これに先駆けて、自治体レベルでは、条例を制定して規制を強めているところも増えています。
今後、早い段階で、法整備されていくことが予想されます。今後の動向を注視していきたいところです。
中国への富の流出懸念 - 再エネ賦課金とは別軸で考える必要あり
回答の中には、再エネ賦課金が、中国製のソーラーパネルの購入に使われており、富が流出しているという懸念も多く見られました。まず、一点、再エネ賦課金はソーラーパネルの購入に利用されているというのは、よくある誤解であることはすでに説明をした通りです。
 
一方で、日本での中国製のソーラーパネルのシェアが非常に高いのは事実です。住宅用では、日本企業がまだ5割ほどシェアが持つ一方、メガソーラーは中国製が8割と言われています。
再エネ賦課金は利用されていなくても、「富が中国へ流れている」という指摘は、あながち間違っていません。
 
メガソーラーに関わらず、家電・スマホ、ひいてはアパレルなども日本における中国製のシェアが高まっています。
 
日本メーカーの存在感をいかにして維持していくかという点は、再エネ賦課金とは別軸で考える必要があると言えます。
 
まとめ:エネルギー政策に対する関心の温度差
今回のセレクトラ・ジャパンの独自調査によれば、再エネ賦課金の存在自体を知らない人が半数を超え、知っていると答えた人の中でも正しく理解できていたのは38%でした。
 
つまり多くの人は、 何に対して不満を感じているのかを正確に把握しないまま、毎月電気代を払い続けているということを意味します。
 
分かりにくいことも事実、再エネにまつわる他の問題も
一方、名称が誤解を生みやすいと指摘した通り、非常に分かりにくいのも事実です。
 
再エネ賦課金に関する政府の説明は十分だと思いますか?という設問では、十分でないという回答が多く見られました。政府の説明不足も指摘できます。
現状は日々刻々と変化 - 規制や次世代型の技術も登場
一方で、「メガソーラーが自然を破壊しているのでは?」や「太陽光パネルの多くが中国製で、国内メーカーが弱体化するのではないか」という懸念もありました。
 
これに関しては、規制強化の方向にすすんでいますし、 ペロブスカイト太陽電池に代表されるような新技術も実用化がされ始めています。
 
ニュースに注目してみると、再エネ発電にまつわる状況は日々変化していることが良く理解できます。
新しい発電技術に敏感な人も一定数いる
「ペロブスカイト太陽電池を聞いたことがあるか?」という質問に、あると回答したのは36%でした。「ない」と答えた人の半数以下ではありますが、この36%は無視できない数字といえます。
 
このように、新しい再エネの発電技術に関心を寄せている人が少なからずいることが読み取れます。
 
ペロブスカイト太陽電池は、日本のメーカーが活躍できる可能性の高い技術です。2026年3月27日には、積水化学工業のフィルム型ペロブスカイト太陽電池「SOLAFIL」の事業開始が決定されたという報道がありました。
 
エネルギーを取り巻く状況は刻一刻と変わっています。是非注目していきたい分野です。
ペロブスカイト太陽電池とは?

ペロブスカイト結晶を用いた太陽電池のこと。軽量で柔軟性がある点が特徴です。従来型の太陽電池の設置が困難なビルの壁面や耐荷重性の低い屋根でも設置ができるため注目されています。
他にも主な材料のヨウ素を国内で調達できる、といったメリットがあります。耐久性の面で乗り越えなければいけない課題はありますが、今後実用化され、一般普及されることが期待されます。
高騰する光熱費には別途対策が欲しい
エネルギー政策は国政の最も重要な分野です。正確な理解を持ち、興味をもってこれからも注目していく必要があるといえます。
 
一方、電気代の高騰に苦しめられている人が多くいることはまぎれもない事実です。これに関しては、国からのサポートが必要であることは言うまでもありません。
 
2026年の年明けから開始した「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は3月で終了となりますが、さらなる延長などが期待されます。
 
調査期間 2026年3月21日~23日
調査対象 25~85歳までの男女1,000人
その中で「再エネ賦課金を知っている」と答えた男女300人
調査方法 インターネット調査
調査機関 アイブリッジ株式会社
設問数 スクリーニング:4問
本調査:9問
本調査レポートのご利用について
本アンケートは、セレクトラが独自に行ったものです。日本のエネルギー理解の一助として本調査を活用していただければと思います。

※本調査の内容を引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。
引用元が「セレクトラ・ジャパン株式会社:電気・ガス部門による調査」である旨の記載
アンケート調査結果掲載ページのリンク設置
https://selectra.jp/energy/news/renewable-energy-survey
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