一般社団法人InnoDrops(イノドロップス 代表理事:小山直子、所在地:佐賀県唐津市)は、2025年11月~2月にかけて、三菱みらい育成財団の助成の元、DAO型起業家教育プログラム「SAND lab2025」を開催しました。
本プログラムは、中高生・地域企業・エンジニア人材がチームとなり、
社会課題の解決に寄与する事業開発を行う「SAND lab 2025」プログラムを2025年11月より4ヶ月間にわたり開催しました。
このプログラムは、「挑戦と学びの循環」を可視化し、立場や年齢を超えて“共に創る”新しい社会実験場として位置付けられています。
 
■ 学生が「社会起業家」として「意思決定し切る」経験
「SAND lab(サンドラボ)」は、DAO(分散型自律組織)プラットフォームとWeb3技術を融合させた、日本初の「DAO型起業家教育」プログラム(※自社調べ)です。
これからの地域に求められるのは、既存の役割に縛られず、他者と共創して新たな価値を生み出せる人材です。AIが急速に進化する現代だからこそ、自ら意思決定を下し、誰かのためにプロダクトを創り上げる力が不可欠です。
SAND labでは、DAOを活用してプロジェクト内の意思決定を可視化。中高生、エンジニア、そして地域企業がフラットに繋がり、アジャイル開発を通じて共にプロダクトを形にする。そんな、次世代の共創のカタチを社会に実装しています。
■ 成果とインパクト
実施期間:2025年11月~2026年2月
SAND lab起業家輩出数:7名
参加者総数:17名(中高生7名、地域企業担当者2名、エンジニア3名、大学生伴走サポーター5名)
SAND lab起業家(参加中高生)意思決定数:12回(株式会社設立、アプリ開発承認、ユーザビリティ検証承認、EXIT意思決定)
 
STEAMDAYS!!2025の参加者の希望者の中から、地域の企業とマッチングを行い、仮想株式会社3社を創設。「精神発達障がいと自分らしい個性の活かし方」という社会課題テーマに向き合い事業開発を行いました。社長である中高生がリーダーシップを執り、ユーザー検証からアプリ開発までをアジャイルに推進しました。
 
【EXIT達成事例】
2025年度は、3社中1社が「事業譲渡(EXIT)」という形で、社会実装を実現させました。
交換日記アプリ「Break Isolation」 孤独を解消するために開発されたこのプロダクトは、その高いユーザー価値が認められ、佐賀県の就労支援施設「ジーニアスラボ」へ正式に事業譲渡されました。中高生が創り上げたアイデアが、実社会の課題を解決するツールとして歩み始めています。
■ 仮想株式会社3社 取り組み紹介
バーチャル株式会社 スリーライス
制作したアプリ画面
活動の様子
【取り組み内容・プロダクトへの思い】
孤立を解消するため、交換日記アプリ「Break Isolation」の開発・社会実装に挑戦しています。交換日記を通じた心理的安全性の高い「共感」により、利用者が対面コミュニケーションにも自信を持てる状態を目指すのが事業パーパスです。共創パートナーと連携し、現場の声を反映したアプリ開発を進めました。
【直面した壁・葛藤】
・技術的な課題(通知機能の実践で苦戦)
・「孤立解消」につながる「交換」の仕組みをどう設計するか
・パートナーの期待とのズレ(「下請け化」の危機)
プロダクトが出来上がるにつれ、「ユーザーが期待するもの」と「自分達が作りたいもの」の乖離が生まれ、どちらを優先すべきか葛藤しました。
【成長・学び】
・自分たちでパーパスとパートナーの要望の共通点を再整理
・小さく作って早く検証することの重要性を実感
自分が社長として意思決定を下すことやユーザーに使ってもらえるプロダクトを作るという責任感を得ました。
バーチャル株式会社 考え中
制作したアプリ画面
活動の様子
【取り組み内容・プロダクトへの思い】
「新たなチャレンジを起こし、後悔をなくす」というパーパスを掲げ、ライフログとチャレンジ支援を組み合わせたアプリケーション「KIKKAKE(きっかけ)」の開発・社会実装に挑戦しました。日常的なタスク管理をベースとしながら、AIがユーザーの行動履歴に基づき、新しい世界へ踏み出すための「チャレンジタスク」を提案する仕組みです。単なる効率化ツールではなく、コミュニティ内での「応援」や「共感」を通じて、ユーザーが小さな一歩を積み重ね、自己実現に向けた一歩を踏み出せる状態を目指しました。
【直面した壁・葛藤】
・ターゲット像の曖昧さと解像度の不足
・共有機能の価値定義の困難
・機能とニーズの不一致
プロダクトアウトの思考に陥り、一時は、ユーザーの方に使ってもらった際に使いやすさ評価(1~6)で1の評価をされた時もありました。
【成長・学び】
・ターゲットを「コミュニティ」へ絞り込むことでの解像度向上
・ユーザーが楽しみながら繋がれる体験(ゲーミフィケーション)の重要性
・「仮想ユーザー」による徹底的な自分事化
プロダクトの機能を再度整理するとともに、ユーザーが使い続けられるプロダクトの追求をしました。
バーチャル株式会社 クランベリー
制作したアプリ画面
活動の様子
【取り組み内容・プロダクトへの思い】
ストレスの重圧から解放するためのストレスコーピングアプリ「魔法の鏡水族館」の開発・社会実装に挑戦しました。突発的なネガティブな感情を魚として「放流」し、それらを客観的に眺めたり消し去ったりすることで、悩みから解放される「負荷を飼育する、青い世界」という独自の感性に基づいた世界観の構築を目指しています。チームのこだわりを優先するプロダクトアウト型のアプローチにより、利用者が自らの感情を「美化」して整理できる状態を追求しました。
【直面した壁・葛藤】
・3DレンダリングやUnityを用いたゲームエンジンによる開発
・独自の世界観とユーザビリティの乖離
・コミュニケーションと進行の遅延
・ユーザー解像度の不足
エンジニアや地域共創パートナーへ依頼を伝えることにハードルがあり、中々アプリの開発検証が進まない時期もありました。
【成長・学び】
・成長・学び ・「ユーザー解像度」を高める重要性の再認識
・感性と実用性の折り合い
・伴走者による心理的サポートの活用
兄弟である2人の「お互いの強み」を再度実感し、次のチャレンジへと昇華しました。
 
■最終プレゼン会の実施
2026年2月8日にプログラムの最終プレゼン会を開催しました。
イベント内では、SAND lab起業家たちに、プログラム内の一連の起業家経験を語ってもらうと共に、
佐賀・長崎・東京を拠点に起業家人材育成に取り組まれているプレイヤーの皆さんにお集まりいただき、「DAO型起業家教育」「「経験」の可視化・資産化」についてディスカッションを行いました。
最終プレゼンのチラシ
最終プレゼン会の様子

【詳細】
日時:2026年2月8日13時~16時
会場:ものづくりカフェこねくり家
トークセッション登壇者:
長尾和弘氏
長崎県教育庁高校教育課 金融経済教育推進機構J-Flec認定アドバイザー
長崎県立大学大学院地域創生研究科 博士課程
藤山雷太氏
株式会社 スチームシップ
代表取締役
2017年“地域の宝探しカンパニー”Steamshipを創業。“地域から、未来を変えていく。”というミッションのもと約400名のクルーと航海中。
福田竹志氏
株式会社リクルート 人事
自治体や学校、他企業と「人と組織」に関わるR&D組織『HITOLAB(ヒトラボ)』ファウンダー
来場者数:33名
 
【修了証明NFTの発行】
EXITに成功した・失敗したに関わらず、起業家として取り組んだ3ヶ月間には、それぞれの葛藤や成長があり、どれも貴重な学びだと確信しています。修了生には、活動履歴を改ざん不可能な状態でIPFS(分散型ストレージ)に記録した「修了証明書NFT」を発行し、それぞれ個人の意思決定の過程を資産として残し、可視化しました。
授与式の様子
SAND lab 2025 修了者に授与したNFT
 
【ディスカッションで挙げられた参加者の声】
「DAO型起業家教育」
「誰が最終決定を下しているのか」を透明にすることが、若者の自立には不可欠であり、今回SAND lab DAO上でのトークン比率によって、大人ではなく学生側に決定権を持たせた仕組みを評価する声が聞かれました。
起業家とは、周囲に止められても「自分で決めて進む」存在。その孤独な決定を、コミュニティが称賛し自信に変えていくサイクルこそがDAO型教育の真価であるとの意見も聞かれました。
「「経験」の価値化・資産化」
経験の価値化・資産化については、ハッシュタグによる「見える化」や「ラベリング」を行うなど、ユニークなアイデアが飛び交いました。
一方で、単に透明化・平坦化すれば良いわけではない、という鋭い指摘もなされました。イベント参加やボランティアという言葉で括ってしまうと、その中での葛藤や学びといった「固有の価値」が消えてしまうため、人の人生(プロセス)を丸ごと可視化し、嘘のつけない「真の実績」を資産化する必要があります。また、誰がどう意思決定に関わっているのかという「プロセスの純度」が問われていることも指摘されました。
 
最終プレゼン会の様子は、Youtubeでご覧いただけます。
https://youtu.be/jFMSyz7X0oE
■ 今後の展望
InnoDropsでは、本プログラムを単発の教育事業にとどめず、「地域の中で共創型の人材育成エコシステムをつくる基盤」として拡張を進めています。
InnoDropsの一事業であるSAND labは、2026年度は以下の取り組みを行ってまいります。
1.
学生×企業×ものづくりのプロジェクトを地域に広げる
SAND lab2026プログラムの実施
九州の学生と企業、エンジニアのコラボプロジェクト伴走支援の実施
2.
若者の「挑戦と経験が循環する」拠点づくり
SAND lab KARATSU(サンドラボカラツ)の運営
InnoDropsは2026年度より佐賀県唐津市にものづくり拠点「SAND lab KARATSU(サンドラボカラツ)」をオープンしました。本拠点は、若者が3DプリンターやPCを活用して、社会起業家としてものづくりに取り組める場所になります。
詳細はこちらから
https://www.instagram.com/sand_lab_karatsu/
3.
挑戦と経験が「循環」する基盤づくり
ウォレットアプリの開発開始
社会起業家としての経験を可視化するだけでなく、次の挑戦へと繋げ、地域で循環していく基盤づくりとして、経験値が貯まりそれを使えるウォレットアプリの開発に取り組んでまいります。
地域をより良くする1人の社会起業家として、学生たちの主体性を引き出し、自ら行動するエンジンとなるプロダクトを目指します。
SAND lab KARATSU
SAND lab KARATSUのオープニングイベントで行われた小学生の小商い起業体験「Goccco(ゴッコ)」の様子
■ 一般社団法人InnoDropsについて
InnoDropsは、「今ある認識の枠を超えて 私たちの世界の半径を広げる」ことを理念に、STEAM教育・アントレプレナーシップ教育・伴走者育成を融合した学びの仕組みを地域に実装する団体です。
教育・企業・行政が連携し、地域発のイノベーションが生まれる土壌を育てる活動を行っています。
 
 
【お問い合わせ先】
一般社団法人InnoDrops(イノドロップス)
Mail:contact@innodrops.org
URL:
https://www.innodrops.org/

一般社団法人InnoDrops(イノドロップス 代表理事:小山直子、所在地:佐賀県唐津市)は、2025年11月~2月にかけて、三菱みらい育成財団の助成の元、DAO型起業家教育プログラム「SAND lab2025」を開催しました。

本プログラムは、中高生・地域企業・エンジニア人材がチームとなり、社会課題の解決に寄与する事業開発を行う「SAND lab 2025」プログラムを2025年11月より4ヶ月間にわたり開催しました。

このプログラムは、「挑戦と学びの循環」を可視化し、立場や年齢を超えて“共に創る”新しい社会実験場として位置付けられています。

最終プレゼン会の様子は、Youtubeでご覧いただけます。

InnoDropsでは、本プログラムを単発の教育事業にとどめず、「地域の中で共創型の人材育成エコシステムをつくる基盤」として拡張を進めています。

InnoDropsの一事業であるSAND labは、2026年度は以下の取り組みを行ってまいります。

InnoDropsは、「今ある認識の枠を超えて 私たちの世界の半径を広げる」ことを理念に、STEAM教育・アントレプレナーシップ教育・伴走者育成を融合した学びの仕組みを地域に実装する団体です。教育・企業・行政が連携し、地域発のイノベーションが生まれる土壌を育てる活動を行っています。