株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、このたび、韓国の宇宙ロボティックスおよび宇宙探査企業であるUnmanned Exploration Laboratory (以下UEL)との間で、韓国初となる二輪月面探査ローバーを月面へ輸送するためのペイロードサービス契約を締結したことを発表しました。本契約に基づき、ispaceは2028年に予定している新ミッション3(旧ミッション4)において、新ランダーモデル「ULTRA」にUELが開発する二輪月面探査ローバーをペイロードとして搭載し、月へ輸送する予定です。

UELが開発する二輪月面探査ローバー「SCARAB」は、約2kgの超小型ローバーであり、本ミッションでは技術実証を通じた宇宙実績(スペースヘリテージ)の確立を目的としています。初号機の主なミッションは、月の昼間における画像データ取得です。SCARABローバーは、2台のカメラを用いた「ランダー・セルフィ―・ローバー」構成により、ランダーおよびその搭載ペイロードを撮影し、高精度な3次元画像を生成することで、月面探査システム全体の検証を行います。

また、SCARABローバーには、約200gまでのペイロードを搭載可能です。ローバーはシンプルな「クイック・リリース」機構により月面に展開される予定で、この設計により、複雑な構造を排除し、全体的な軽量化を実現しています。同ローバーは、韓国の将来の月面探査ミッションに向けた初期の技術実証において、重要な役割を担うことが期待されています。

ispaceはUELと2024年10月に本ミッションに向けた最初の覚書を締結*¹し、協議を開始しました。その後、2025年10月には、UELが開発する二輪月面探査ローバーを最大2台、月面へ輸送するためのペイロードサービス中間契約を締結*¹し、今回の正式契約に至っています。本契約は、約2年にわたり積み重ねてきた日韓協業の成果として、両社の関係深化を示すものです。

今後もispaceとUELは、将来の月ミッションにおいて、後続の月面探査ローバーの輸送契約について継続的な検討を続け、両社でシスルナ経済圏の発展および月面のモビリティサービス拡大を目指してまいります。

「このたびの、UELとのペイロードサービス契約は、日本と韓国の宇宙探査企業が連携して、世界に向けて月面での技術実証を示していく 、ispaceの協調的かつ段階的なアプローチを示すものです。今後も、機動力のある月面へのペイロードサービスを提供していくことで、世界中のパイオニアによる技術実証を力強く支えてまいります。」

「本契約により、UELは民間主導による月面ミッションを実施する、韓国初の企業となることを目指しています。また、当社の技術的な成熟度をグローバルな宇宙市場に示すとともに、新たなビジネスモデルの有効性を実証します。

UELは、さらに、将来の有人月ミッションに向けて、有益なデータを取得するロボティクスミッションを通じ、人類の深宇宙探査および火星探査への活動も支援していきます。加えて、宇宙における極限環境での生存に向けて開発した技術を、地球上の過酷な環境下におけるモビリティソリューションへ応用することも目指してまいります。」

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。 2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。最速2027年には新ミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経産省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」による新ミッション3(旧ミッション4)の打ち上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指す新ミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。さらに、米国拠点が主導する新ミッション5(旧ミッション3)(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げは2030年iiiを予定しており、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

i 当該打上げ時期については2026年3月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション4は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年3月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。