―岐阜大学との共同研究で高温ストレス耐性の向上を確認―
 飛騨産業株式会社(本社:岐阜県高山市、代表取締役社長:岡田明子/以下 飛騨産業)は、バイオスティミュラント資材「杉山水」に関して、国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学(以下 岐阜大学)との共同研究を実施しました。その結果、特許技術により抽出した「杉山水」の杉枝葉蒸留成分が、植物の抗酸化機能(※1)を高めることが確認され、「杉山水」の使用による苗の生育促進や高温ストレス条件下での生育維持、収量の増加傾向が認められました。
 これらの知見から、「杉山水」は猛暑などの環境ストレス下において農作物の健全な生育を支え、収量の安定化につながる新たな高温対策資材としての活用が期待されます。
 
※1 抗酸化機能|植物は高温や低温などの環境ストレスを受けると、体内で有害な活性酸素種が増加します。抗酸化機能はこれらを除去し、細胞のダメージを抑えることで生育の維持につながります。
 
■研究の背景
 気候変動の影響により、近年、日本の農業では夏季の猛暑が深刻化しており、苗の活着不良や生育停滞などのリスクが高まっています。こうした環境ストレスへの対策として、植物自身の能力を引き出すバイオスティミュラント資材への関心が高まっています。「杉山水」は、これまで農業生産の現場において、環境ストレス耐性の向上や成り疲れ(※2)の軽減などの効果が報告されており、本研究ではその作用メカニズムと植物の生育および高温ストレス耐性への影響を検証しました。
 
※2 成り疲れ|連続した収穫により植物の生育や収量が低下する現象
 
 
■研究結果
1. 根量が増加し苗の生育が向上
 イチゴ苗を用いた生育評価試験において、「杉山水」使用区では対照区と比較して根量が140%増加(100倍希釈の場合)するなど、葉茎および根のいずれにおいても生育の向上が見られました。また、植物は高温などの環境ストレスを受けると有害な活性酸素種(ROS)を蓄積しますが、本試験では「杉山水」使用区で活性酸素種を除去する抗酸化機能(DPPHラジカル消去活性 ※3)の向上が確認されました。
[試験条件1~3共通]調査期間:2025年4月-8月/品目:イチゴ(すずあかね)/調査場所:岐阜大学農場(岐阜市柳戸)/ 施肥:肥効180日(N:P:K=13:9:11)
 
※3 DPPHラジカル消去活性は植物の抗酸化機能を示す指標です。活性酸素種を消去する能力が高いほど環境ストレスに耐えられると考えられています。
 
 
2. 猛暑でも枯死を抑制
 高温ストレス耐性試験においては、「杉山水」使用区では枯死の発生が確認されず、葉の褐変は大幅に低減されました(対照区比で約94%低下)。また、細胞ダメージを抑制する抗酸化酵素(SOD活性)の増加が確認され、高温環境下においても「杉山水」が植物の生育維持に寄与することが認められました。
[試験条件 2] 12時間日⾧/昼40℃ 夜30℃/ 相対湿度60%
 
 
3. ストレス下でも収量が安定
 収量評価試験では、「杉山水」の使用による肥料削減の可能性も検証するため、施肥量を半減した条件での栽培を行いました。その結果、減肥条件にもかかわらずイチゴ収量の増大が確認されました。さらに、使用区では収穫開始が早まり、高温条件下においても栽培後半まで安定した収量が維持されました。これらの知見から、「杉山水」が肥料使用量の低減と収量安定の両立に寄与する可能性が示されました。
[試験条件 3]「杉山水」使用区は推奨施肥量を半減(10g/株)/対照区では同じく推奨施肥量半減のCのほか、慣行施肥 (20g/株)の C20 を設けて比較
 
 
以上の結果から、「杉山水」の散布により、猛暑などの環境ストレス下において農作物の健全な生育を支え、収量の安定化に寄与することが確認されました。
 
 
■今後の展望
 飛騨産業は本研究結果を受け、岐阜大学との共同研究を継続し、「杉山水」の植物生理への作用や環境ストレス耐性について、さらなる検証を進めてまいります。気候変動の進行や国際情勢の不安定化に伴う肥料価格の高騰が懸念されるなか、イチゴや水稲をはじめとする多様な作物において、持続可能な農業を支える資材として、農業現場への普及を目指します。
 
※本事業は「OKBアグリビジネス助成金2025」の助成を受けて実施しています。
 
■飛騨の森から生まれたバイオスティミュラント資材「杉山水」
 飛騨の森において、間伐時に生じる未利用の杉枝葉を原料に抽出されたバイオスティミュラント資材です。創業100年を超える木工家具メーカーとして、地域産材を活かした家具づくりに取り組む飛騨産業が、一本の木を余すことなく活用したいという想いから、杉枝葉の蒸留成分が植物の細胞を活性化することを見出し、誕生しました。
 手入れが行き届いた森から流れ出る水は、川を経て田畑へと広がり、土壌を潤します。飛騨産業では、「杉山水」を通じて森林資源を農業に活かし、森と里をつなぐ取り組みを進めています。
 
 
「杉山水」製品情報
200ml IM200 ¥1,100(税込)
500ml IM500 ¥1,650(税込)
2L   IM002 ¥2,500(税込)
10L   IM010 ¥8,800(税込)
20L   IM020 ¥15,400(税込)
原材料:杉枝葉(岐阜県飛騨産)
成分:杉枝葉蒸留成分
使用方法:葉面・灌注
適用作物:作物全般(野菜、水稲、果樹等)

オンラインストア:https://hidasangyo.com/products/series/sugisansui/#products
 
お問合せ先
飛騨産業株式会社 森のめぐみ事業部
morinomegumi@hidasangyo.com
https://sugisansui.hidasangyo.com/
 
飛騨産業について
 木工家具ブランドHIDAを展開する飛騨産業は、飛騨地方の悠久の森と飛鳥時代より続く匠文化を背景に、地域の発展を願う有志によって1920年に創業された家具メーカーです。「匠の心と技をもって、飛騨を木工の聖地とする」という志のもと、「人を想う」「時を継ぐ」「技を磨く」「森と歩む」の4つの価値観を軸に、地域に根ざした持続可能な木製家具づくりに取り組んでいます。
 曲木やスギ圧縮など独自の技術の研鑽を続けながら、国内外のデザイナーとの協働によって開発されたコレクションは、海外の展示会やアワードにおいて国際的な評価を獲得しています。また近年では、木工職人の育成を行なう「飛騨職人学舎」や「遊朴館 HIDA GALLERY」などの取り組みを通じて、木工文化を未来につなぐための活動にも力を入れています。