|
|
|
|
US Steel Gary Works 20251112-16 |
|
|
|
|
(2026年3月31日、東京)本日発表された、国際気候NGOスティールウォッチによる初の「鉄鋼企業スコアカード」[1]の調査によると、対象鉄鋼メーカー18社のうち、脱炭素への移行に必要な準備が整っている企業は1社もなく、中でも日本企業は遅れを取っていることが明らかになった。本調査は2024年度までの企業の公開データに基づく。 |
|
|
|
日本最大の鉄鋼メーカーである日本製鉄は18社中17位(100点満点中16.8点)、JFEスチールは12位(同23.4点)と、いずれも下位にとどまった。対象となった鉄鋼メーカーのスコアはいずれも50点に満たなかったが、中でも日本製鉄とJFEスチールは世界の同業他社よりも低スコアにとどまり、その背景には石炭依存がある。 |
|
|
|
日本製鉄が最下位グループの企業と評価された主な理由は、高排出な石炭高炉の段階的な廃止ではなく、その延命技術に注力しているためだ。石炭消費量に関しては、増加傾向にある。一方で、スコアカードの評価対象企業の中には石炭利用を終了させる明確な計画を掲げる企業もある。 |
|
|
|
総合評価によると、ほとんどの企業でネットゼロ目標を公表しているにもかかわらず、高排出を伴う石炭依存が続いており、低排出技術の拡大は遅々として進んでいない。各社は深刻な「移行レディネスギャップ」、いわゆる鉄鋼メーカーの移行に求められる水準と、企業の現在の取り組みとのギャップを抱えている。 |
|
|
|
「日本製鉄やJFEスチールのような影響力のある鉄鋼メーカーが、本スコアカードの評価結果を踏まえ、抜本的構造改革に向けた取り組みを加速することを期待する」と、スティールウォッチ、アジア・リードのロジャー・スミスは述べている。 |
|
|
|
報告書全文およびウェブページへのリンク: https://steelwatch.org/scorecard?lang=ja
|
|
写真や図表、企業スコア情報などの素材はこちらよりダウンロード可能。 |
|
|
|
以上 |
|
|
|
参考: |
|
|
|
1. |
|
総合スコア(100点満点)は、「気候対策実績」「目標設定と透明性」「社会・環境への影響」を含む計5つのカテゴリーによって評価される。「石炭からの脱却」の平均スコアは10.5点(25点満点)にとどまり、4社を除く全対象企業が、石炭高炉への投資を直近に実行または計画している。「低排出な鉄鋼生産の拡大」の平均スコアはさらに低く、わずか0.6点(25点満点)である。 |
|
|
2. |
|
|
|
|
|
|
|
• |
|
現時点で、対象企業においてニア・ゼロエミッションへの移行に向け十分な軌道に乗っている鉄鋼メーカーは存在しない。大部分の企業が長期のネットゼロ目標を有する一方で、自社の気候変動対策を実行に移す準備は整っておらず、気候変動を食い止めるのに必要なスピードと規模には到底及んでいない。 |
|
|
• |
|
評価対象企業の多くが依然として石炭高炉への投資を続けており、石炭依存およびグリーンアイアン(低排出な鉄源)拡大の不足が、移行を妨げる共通の要因となっている。グリーンアイアン拡大と再生可能エネルギーに関する平均スコアは、25点中1点未満にとどまった。 |
|
|
• |
|
現代製鉄(韓国)、日本製鉄、HBIS(中国)はそれぞれ100点満点中21.2点、16.8点、8.3点という総合スコアを獲得し、最下位グループとの評価を受けた。これらの企業は石炭を利用した高炉生産への高い依存、再生可能エネルギーに関する進展・報告の不足、本報告期間におけるグリーンアイアン開発に向けた具体的取り組みの欠如により、移行レディネスギャップを解消する機会を逃していると見られた。 |
|
|
• |
|
求められる移行には程遠いものの、SSAB(スウェーデン)が1位(100点満点中46.2点)、ティッセンクルップ(ドイツ)が2位(同41.9点)となった。これら2社は対象他社に見られる石炭高炉への再投資やリライニング改修を行わず、高炉廃止やグリーンアイアンに関する具体的な計画を有することから、他社よりもやや先行した。一方、両社ともグリーンアイアンの導入と規模拡大を進める必要がある。 |
|
|
• |
|
このような憂慮すべき状況の中で、わずかな進展の兆しも見られる。たとえば現在、高炉の新設を進めている対象企業はほとんどない。SSABは再生可能エネルギー導入で良い実績を挙げている。また一部の企業では直接還元鉄(DR iron)の生産能力を一定規模有しており、将来的にニアゼロ・エミッション鋼材を生産する機会へとつなげることが期待される。進展は発表に終始せず、具体的行動を伴う必要があり、その進捗は厳格に検証されることとなる。一部の対象企業は、現時点で最終投資決定には至っていない、または評価期間以降に発表されたため評価対象外となっている新規プロジェクトを発表しているが、これについては各社の進捗状況を踏まえ、今後のスコアカードで評価に反映される見込みである。 |
3.
「スティールウォッチ鉄鋼企業スコアカード」はSSAB(スウェーデン)、ティッセンクルップ(ドイツ)、アルセロール・ミッタル(ルクセンブルグ)、テルニウム (Ternium、ルクセンブルグ)、JSWスチール(インド)、クリーブランド・クリフス(米国)、NLMKグループ(ロシア)、USスチール(米国)、ゲルダウ(Gerdau、ブラジル)、タタ・スチール(インド)、宝山鋼鉄(BaoSteel、中国)、JFEスチール、マグニトゴルスク製鉄(MMK、ロシア)、オヤック(トルコ)、
ポスコ(POSCO、韓国)、現代製鉄(Hyundai Steel、韓国)、日本製鉄、およびHBIS(河北鋼鉄集団、中国)(順番は総合スコアランキング上位順)の18社(29か国で事業展開)を評価対象としている。本評価は、主に2024年度を対象として2025年度に公開された企業報告書のデータに基づき、今後年次ごとに改定予定。 |
|
4. さらに鉄鋼メーカー各社の詳細を知りたい方は、以下の「鉄鋼企業移行トラッカー」より、各社の脱炭素への移行に関する進捗について閲覧可能。https://steelwatch.org/tracker/?lang=ja
|
|
|
|
|
|
現時点で、対象企業においてニア・ゼロエミッションへの移行に向け十分な軌道に乗っている鉄鋼メーカーは存在しない。
石炭依存およびグリーンアイアン(低排出な鉄源)拡大の不足が、移行を妨げる共通の要因となっている。
現代製鉄(韓国)、日本製鉄、HBIS(中国)はそれぞれ100点満点中21.2点、16.8点、8.3点という総合スコアを獲得し、最下位グループとの評価を受けた。
SSAB(スウェーデン)が1位(100点満点中46.2点)、ティッセンクルップ(ドイツ)が2位(同41.9点)となった。