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一般社団法人S.C.P. Japan(代表:井上由惟子)は、日本財団の助成を受けて2025年4月より「スポーツにおける子どもの安全保護(セーフガーディング)システムの構築プロジェクト」に取り組んでいます。本プロジェクトは、国際オリンピック委員会(以下、IOC)が2024年に発表した「スポーツにおける対人暴力(Interpersonal Violence)とセーフガーディング」に関するコンセンサス声明(以下、IOCコンセンサス)や、国際サッカー連盟(以下、FIFA)が公表しているセーフガーディングに関する各種資料(FIFA Guardians)など、国際的なセーフガーディングの知見を参考に、日本のスポーツ現場において実践可能なセーフガーディングの仕組みづくりを目指すものです。 |
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今回この取り組みの一環として、S.C.P. Japanは公益財団法人日本サッカー協会(以下、JFA)の協力のもと、セーフガーディングを学ぶためのeラーニング教材と実践ガイドを作成しました。さらに、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(以下、Jリーグ)には、これらの活用において推進協力として参画いただいています。 |
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セーフガーディングとは何か ―IOCコンセンサスが示すスポーツの安心・安全の考え方―
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近年、スポーツ界では「Safe Sport(セーフスポーツ)」や「Safeguarding(セーフガーディング)」という概念が国際的に重視されています。IOCでは、セーフスポーツを「参加者が身体的・心理的に安全で、スポーツ参加の恩恵を最大限に享受できる支援的な環境」と定義しています。また、セーフガーディングは「スポーツにおけるハラスメントや虐待に関する懸念の予防と、それらに適切に対応するためのあらゆる積極的な取り組み」であり、アスリートのウェルビーイングを包括的に促進するアプローチの推進も含むものとされています。 |
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これは、暴力やハラスメント問題への対策を、発生した後の処罰にとどめるのではなく、 |
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を含む包括的な仕組みとして、スポーツの安心・安全を捉える考え方です。そして、セーフスポーツの実現のためには、こうした仕組みづくり(セーフガーディングの取り組み)が不可欠であるという考え方が、国際スポーツ界におけるスタンダードになりつつあります。一方で、日本やアジア地域においては、セーフガーディングに関する知見の蓄積や実践が十分に進んでいないという課題もあります。 |
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■現場で活用できる実践ガイドを公開 |
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こうした日本の課題を踏まえ、本プロジェクトは、国内におけるセーフガーディングの推進を目的として始動しました。 |
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本プロジェクトでは、子どもの権利とセーフガーディングの専門家であり、IOCセーフガーディングオフィサー養成コースのアドバイザリーボードメンバーでもある森克己教授(鹿屋体育大学)と、セーフスポーツの専門団体であるジャパンセーフスポーツプロジェクトの監修のもと、現場での実践に役立つ2種類の実践ガイドを作成しました。 |
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1.セーフガーディング基本の「き」(セーフガーディング推進ガイド) |
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本資料は、セーフガーディングの基本概念や、子どもへの危害(対人暴力など)の種類、組織として取り組むべき対策を整理した入門ガイドです。スポーツ現場でセーフガーディングを理解し、取り組みを進めるための基礎資料として活用できます。 |
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日本ではコンプライアンスやインテグリティの文脈で暴力・暴言の根絶に取り組む動きはあるものの、人権や子どもの権利の視点から組織として責任を持って安全環境を整えるというセーフガーディングの考え方は、まだ十分に浸透しているとは言えません。そのため本資料では、まず「セーフガーディングとは何か」を理解していただくことを目的に、各組織ができる範囲から仕組みづくりに取り組めるよう整理しました。 |
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ガイドをダウンロード:https://scpjapan.com/wp-content/uploads/2026/03/0311FINAL_基本の「き」資料.pdf
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セーフガーディング基本の「き」表紙 |
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p1. セーフガーディングとは |
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2.セーフガーディング担当者向け 軽微な懸念の対応ガイド |
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実践ガイドの2つ目は、日常のスポーツ活動の中で生じる小さな違和感や懸念への対応を整理した「セーフガーディング担当者向け 軽微な懸念の対応ガイド」です。 |
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日本のスポーツ組織の多くはボランティアを中心に運営されており、重大事案への調査や対応体制をすぐに整えることは容易ではありません。だからこそ、日常の活動の中で小さな違和感に気づき、早い段階で対応し、暴力を未然に防止していくことが一層重要になります。ハラスメントや虐待は突然発生するものではなく、初期段階の兆候が存在します。重大な問題に発展する前に兆しに気づき、適切に対応することや、日頃から健全な組織文化を築いておくことが被害の予防につながると考えています。そこで、現場の担当者の実践を支えるために本ガイドを作成しました。 |
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ガイドをダウンロード:https://scpjapan.com/wp-content/uploads/2026/03/0311FINAL_軽微な懸念の対応ガイド.pdf
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セーフガーディング担当者向け 軽微な懸念の対応ガイド表紙 |
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セーフガーディング担当者のための実践ガイド |
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これらの資料は今後、S.C.P. Japan、JFA、Jリーグの各WEBサイトにて無料のツールとして公開されます。 |
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S.C.P. Japan WEBサイト:https://scpjapan.com/news/774/
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■eラーニング「子どものセーフガーディング基礎コース<サッカー編>」の開発 |
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本プロジェクトでは、実践ガイドの作成に加え、サッカーに関わる幅広い立場の人がセーフガーディングの基礎について学べるeラーニング教材を開発しました。セーフガーディングの取り組みは、特定の担当者だけが担うものではありません。セーフスポーツの実現のためには、スポーツに関わるすべての人が自分の役割を理解し、行動することが重要になります。 |
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本eラーニングコースでは: |
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・セーフガーディングの基本概念 |
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・スポーツにおけるハラスメントや虐待のリスク |
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・子どもの権利を尊重したスポーツ環境の考え方 |
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・セーフガーディングの実現に向けた組織としての取り組み方 |
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などを体系的に学ぶことができます。 |
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公開に先立ち実施したトライアルでは、モニター受講者約180名に受講いただき、事後アンケートでは、98.6%の受講者が「理解が深まった」、さらに96.4%が「本研修を他の人に勧めたい」と回答するなど、スポーツ現場におけるセーフガーディング教育の必要性が確認されました。 |
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本eラーニングは2026年度中に一般公開される予定であり、JFAとの連携を通じて、JFA公認指導者に向けた展開も検討されています。 |
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eラーニングサイト:https://scpjapan.online-learning.jp/
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本プロジェクト実施の背景と今後の展望 |
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■データとエビデンスに基づくセーフガーディング実践の推進 |
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IOCは、スポーツにおけるハラスメントや虐待への対策を進める上で、研究やデータ収集など、エビデンスに基づいた取り組み(実装)の重要性を強調しています。今回のeラーニング開発にあたり、事前に実施したモニター調査では、スポーツ現場においてセーフガーディングの重要性は一定程度認識されているものの、その理念が現場の実践や組織体制に十分に反映されているとは言いがたい状況が明らかになりました。
また、約3分の1のサッカー関係者が、自身の所属するチームや現場において過去に子どもに対する虐待・暴力・暴言などの問題が発生したことがあると回答しており、スポーツ現場における依然として大きな課題であることが示されました。これらの結果から、子どもが安心してスポーツに参加できる環境を確保するためにも、スポーツ現場においてセーフガーディングの取り組みを一層推進していく必要性があります。 |
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調査報告書:https://scpjapan.com/wp-content/uploads/2026/03/★FINAL_調査報告書.pdf
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こうした実態を明らかにし可視化することは、スポーツ組織にとって必ずしも容易なことではありません。IOCコンセンサスでも、多くの組織が社会的評判の低下や財政的損失への懸念から、自らのセーフガーディング上の課題を認めることに消極的になってしまう場合があると指摘されています。そして、こうした組織の消極性が、スポーツにおける対人暴力の問題を見えにくくし、結果として問題が見過ごされてしまう可能性も指摘されています。 |
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しかし、セーフガーディングの取り組みは、憶測や思い込みではなく、実態に基づくエビデンスと向き合いながら、透明性をもって進めていくことが重要です。そのため本プロジェクトでは、国際的に推奨されているデータとエビデンスに基づくアプローチを踏まえ、学びの機会の提供(eラーニング)とあわせて現場の実態やニーズを把握する調査も行える仕組みを設け、継続的にセーフガーディングの実践を改善していくことを目指します。 |
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今回先立って行われたモニター受講者向けの調査において、調査実施をご快諾・ご協力いただいたJFA関係者の皆様と、回答にご協力いただいた受講者の皆様に心より感謝申し上げます。 |
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■スポーツ界全体で取り組む文化へ ~健全な人間関係(Healthy Relationship)を育むために~ |
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セーフガーディングは、前述の通り、「担当者」や「指導者」だけが学び取り組むべきものではなく、スポーツ団体、クラブ、指導者、選手、保護者、スタッフ、ボランティアなど、スポーツに関わるすべての人が、それぞれの役割を理解し協働して取り組むことが求められています。 |
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S.C.P. Japanでは、セーフガーディングを特定の個人の問題として捉えるのではなく、スポーツ現場の構造や文化とも関わる課題であることを認識しています。そのため、選手と指導者、選手同士、スタッフ間、保護者と指導者など、スポーツ現場に存在するさまざまな関係性に目を向けながら、健全な人間関係(Healthy Relationship)と健全な組織文化を育む取り組みとして今後もセーフガーディングを推進しています。 |
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安心安全なスポーツ環境は、制度や仕組みだけで実現するものではありません。一人ひとりが相手を尊重し、日々の関わりの中でその価値を実践していくこと、そしてその関係を支える仕組みの両方があってこそ実現します。私たちは、こうした「人」と「仕組み」の両方の視点を大切にし、今後も教育と仕組みづくりの両面からセーフガーディングを推進していきます。 |
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■今後の取り組みと継続的な課題 |
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スポーツにおけるハラスメントや暴力などの加害行為は決して許されるものではありません。セーフガーディングには、このような行為を予防することだけでなく、問題が生じた際に適切な調査や透明性のある処分を行う体制、被害を受けた人の救済やトラウマに配慮した保護対応を整えることも含まれます。 |
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また、スポーツの現場では、子どもだけでなく、障害のある人、女性、LGBTQ+、外国人など、社会の中で差別や不平などの影響を受けやすい人々が、ハラスメントや暴力行為などのリスクにさらされやすいことも指摘されています。 |
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そのためセーフガーディングの実践においては、こうしたリスクの高まりやすい状況にも目を向けるとともに、スポーツへの参加の機会から排除されている人はいないか(インクルーシブなスポーツ環境の実現)という視点も持ちながら、すべての人が安心・安全にスポーツに関われる環境づくりを進めていくことが重要です。 |
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今後も、こうした課題に一つひとつ向き合いながら、教育、仕組みづくり、そして現場での実践の積み重ねを通じて、セーフガーディングの取り組みを継続的に推進していきます。 |
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関係者からのコメント |
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【公益財団法人日本サッカー協会 リスペクト委員会 今井純子委員長】 |
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JFAは、「リスペクト=大切に思うこと」を掲げ、こどもや弱い立場にある人々が、安心・安全にサッカーを楽しむことができる環境を目指しています。このたび共同開発した二つの教材はセーフガーディングを一歩前進させるものと期待しています。JFAは、S.C.P. Japan、Jリーグ、そしてサッカーファミリーの皆さんとともにセーフガーディングがサッカー界の文化として根づいていくようさらなる取り組みを進めてまいります。 |
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【公益社団法人日本プロサッカーリーグ】 |
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Jリーグでは、Jクラブと共に、2019年よりセーフガーディングに取り組んでいます。安心・安全が全ての活動のベースです。また、この活動に垣根はありません。S.C.P. Japan、JFAと共に、これからもセーフガーディングの取り組みを推進してまいります。 |
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<お問い合わせ> |
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一般社団法人S.C.P. Japan |
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S.C.P. Japanは「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来をつくる」をビジョンに掲げ、スポーツを通じて共生社会の実現を目指し、2020年に設立。1.運動プログラム、2.研修・啓発活動、3.交流プログラムを柱に、障がい、女性、LGBTQ+、国際協力、人権/セーフガーディングの5つのテーマに注力して、多様な団体と連携しながらプロジェクトを実施しています。 |
公式ホームページ:https://scpjapan.com/
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〒277-8520 千葉県柏市若柴178-4柏の葉キャンパス148-2-6F |
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TEL:090-9974-1012 |
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MAIL:info@scpjapan.com(担当:井上・川合) |
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