歴史ある木造校舎を未来へ受け継ぐ。地域にひらかれ、市民とともに実現した「ストック活用」による新しい教育空間
株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、当社が設計した「鎌倉市立御成小学校」が第25回JIA 25年賞を受賞しましたことをお知らせします。
 
JIA 25年賞・JIA 25年建築選とは
https://www.jia.or.jp/twentyfive_years/
 
鎌倉市立御成小学校
撮影:エスエス 走出直道
【設計者コメント】
この度は第25回JIA25年賞を受賞できましたこと、大変光栄に思っております。
25年以上の長きにわたり、この建築に愛着を持って丁寧に利用してくださる鎌倉市民のみなさま、および木造建築の適切な維持管理を継続して頂いている鎌倉市に対し深く感謝申し上げます。
旧校舎の老朽化に伴うこの改築は、熱心な市民の参加や建築、学校教育の専門家等の叡智を集結し、木造校舎での改築を軸に新しい教育空間のあり方を追求しました。
児童数の変化や教育システムの更新など、今後も改築を繰り返しながら、時代への対応が必要となります。「御成小学校の原風景を継承する」という意思はどの時代も変わらず受け継がれ、地域の皆様に愛され続ける建築であって欲しいと願います。
 
【建築概要】
名称:鎌倉市立御成小学校
所在地:神奈川県鎌倉市御成町19-1
建築主:鎌倉市(神奈川県)
設計者:久米設計
施工者:竹中・大洋・清興特定建設工事共同企業体(建築)
    ナウル設備(空調)
    ダイダン・ヤマノイ特定建設工事共同企業体(衛生)
    弘電社・柴田電気特定建設工事共同企業体(電気)
    竹中・大洋・清興特定建設工事共同企業体/蔵並建設/グリーン企画(外構)
延床面積:6,935平方メートル
階数:地上2階
構造:RC/S/W
竣工:1998年12月
受賞:JIA25年賞/日本建築学会作品選集/神奈川建築コンクール 最優秀賞
 
【設計コンセプト】
歴史を継承し、地域に開かれた学校
鎌倉市立御成小学校は、1933年に創立された伝統ある学校です。擬洋風の木造校舎は、単なる懐古的な存在にとどまらず、地域住民の心の拠り所として長く親しまれてきました。小学校は人々にとって最も身近な公共施設であり、地域の核となる存在です。
旧校舎の老朽化に伴う改築の検討は1980年代に始まりました。多くの市民が熱心に議論に参加し、1990年代後半には改築専門委員と私たちも加わり、木造校舎の保存を軸としながら、新しい教育空間のあり方を追求しました。
本計画では、地域住民の心象風景ともいえる外観を復元するとともに、旧校舎の構造材や造作材の一部を再利用しています。これにより、卒業生が少年少女時代を思い起こすことのできる佇まいが受け継がれています。
また、校舎の各所で子どもたちが学び、遊び、さらに地域住民が教育の現場に関わることができる環境を整えました。その結果、地域の核としての小学校のあるべき姿を実現しています。これは、再生的保存というハード面と、市民参加というソフト面が一体となって導き出された成果です。
新校舎の完成を記念して市民の手により埋められたタイムカプセルは、改築30年後の2029年に掘り起こされる予定です。そこに込められた思いとともに、本校の歴史の重みはこれからも語り継がれていくことでしょう。
 
【会社概要】
株式会社久米設計
「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。
1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。
 
URL:https://www.kumesekkei.co.jp/
所在地:東京都江東区潮見2-1-22
取締役社長 井上宏
 
【久米設計Instagram】
https://www.instagram.com/kumesekkei/