~受注者の6割は、法改正後も価格協議が増加せず。発注者の9割が法対応を進めるも、6割は対応に課題あり~
働き方を変えるAXサービスを提供するSansan株式会社は、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(以下、取適法)の3ヶ月後における企業の対応実態を明らかにするため、受注者(中小受託事業者に該当する企業に勤め、受託業務を担当する会社員)743名および発注者(委託事業者に該当する企業の法務担当者)143名、計886名を対象に「取適法施行後の実態調査」を実施しました。
 
調査の結果、受注者の6割は取適法施行後も価格協議が増加しておらず、価格協議が増加した企業では「契約書や発注書を確認できるようにすること」が重要な取り組みとして最も多く挙げられました。また、発注者の9割が取適法への対応を進める一方、約6割が中小受託事業者の特定に課題を抱えるなど、一部に課題が残る状況が浮き彫りとなりました。
 
■調査の背景
2026年1月1日、発注者である委託事業者(旧:親事業者)の優越的な立場を利用した不公正な取引を規制する「下請法」が改正され、「取適法」として施行されました。取適法(旧:下請法)では改正前から、委託事業者に対して中小受託事業者との取引において、書面による取引条件の明示を義務づけています。対象となる中小受託事業者は資本金の基準で定められていましたが、改正により従業員数基準も追加されることで、範囲が拡大しました。さらに改正により、委託事業者による価格の一方的な決定を禁止することで、受注者である中小受託事業者が必要に応じて価格転嫁を実現できるよう後押しする制度となっています。
 
こうした変化を受け、企業においては契約管理の強化も求められています。具体的には、法改正に応じた契約内容の変更や、現場担当者が契約書・発注書で取引条件を明示して、条件変更などの「変遷」を含めて管理し、取適法に準拠した対応を実現できる運用が必要とされています。
施行から3カ月目の現在、企業がどのように対応しているのか、また対応を阻む要因は何かを明らかにするため、本調査を実施しました。
 
■調査結果サマリ
・取適法施行後、受注者の4割以上は価格協議が増加する一方、6割は協議の機会が増加せず。
・価格協議推進に重要なことは「契約書や発注書を確認できるようにすること」と6割以上が回答し最多。
・受注者の7割以上が「契約書や発注書が手元になく、価格交渉をためらった経験」があり、「契約変更を把握できておらず、誤った取引をした経験」がある人も約2割。
・発注者の約6割が「(取適法の)対象企業の特定」に課題があり、理由は「企業情報の個別収集」が最多。
 
■調査の結果
・取適法施行後、受注者の4割以上は価格協議が増加する一方、6割は協議の機会が増加せず。
受注者に対し、取適法施行後に価格協議が増加したかを尋ねたところ、「増加した」と回答した割合は43.2%となり、「変わらない」と回答した割合が56.8%と約6割を占めました。価格協議が推進され始めている一方、まだ変化を感じていない担当者が多い状況が伺えます。
・価格協議推進に重要なことは「契約書や発注書を確認できるようにすること」と6割以上が回答し最多。
続いて「価格協議の機会を増やすために、重要だと思うこと」を尋ねました。前問で取適法で価格協議の機会が「増加した」と回答した層では、65.1%が「契約書、発注書などで取引条件を確認できるようにすること」を挙げ、最多でした。一方、価格協議の頻度が「変わらない」と回答した層は、同項目について52.1%が重要項目として挙げており、10ポイント以上の差が生まれています。
取適法では「書面での取引条件の明示」を定めていますが、明示するだけにとどまらず、「管理・可視化」をすることが価格協議を推進するうえでの重要な基盤であることが示唆されました。
・受注者の7割以上が「契約書や発注書が手元になく、価格交渉をためらった経験」があり、「契約変更を把握できておらず、誤った取引をした経験」がある人も約2割。
受注者に対し、「これまでに、契約書や発注書など取引条件を明示した文書が手元にないために価格交渉をためらった経験があるか」を尋ねたところ、72.1%が「ある」と回答しました。価格協議を進める意思があっても、契約情報へのアクセス環境の不備が交渉の障壁になっている実態が浮き彫りとなりました。
また、「これまでに、契約内容の変更を把握できていなかったために、誤った条件で取引をしてしまった経験はあるか」についても、「誤った内容で取引をした経験がある」と回答した人が17.1%にのぼりました。法改正で契約内容の変更が増加する中、変更点も含めて契約情報を管理し、最新の契約条件を把握することが適正な履行においても不可欠であることが示唆されています。
・発注者の約6割が「(取適法の)対象企業の特定」に課題があり、理由は「企業情報の個別収集」が最多。
発注側である委託事業者の中で取適法の対応をすることの多い法務担当者に対し、取適法の対応状況を尋ねたところ、87.4%が対応を「行っている」と回答し、対応が進んでいることが確認されました。  
一方、取適法の改正により「受託事業者」の対象範囲が広がったなかで、新たに増加した受託事業者の特定について、59.5%が「課題がある」と回答しており、「問題なく対応できている」と回答したのは40.6%に留まる結果となりました。
課題が残る理由として最も多かったのは「企業情報を個別に確認・収集する必要がある」(32.9%)でした。取適法の改正により従業員数が新たな基準として加わったことで、情報収集の煩雑さが対応の課題になっている実態が明らかになりました。
■Sansan株式会社 執行役員/ Contract One Unit ゼネラルマネジャー 尾花政篤のコメント
取適法では、取引の透明性確保や公正な取引の実現を目的に、取引の内容を書面で明示することが定められています。しかし、今回の調査から明らかなように、現場が最新の契約書やこれまでの取引の変遷も含めて把握できなければ、価格協議の推進や取引条件の遵守は困難です。また法改正に対応する観点では、受託事業者の正確な把握に課題が残っていることが明らかになりました。こうした課題に対応するため、「Contract One」では、契約内容や企業情報を取引に活用できる環境を提供しています。
「Contract One」では、契約書や発注書などの取引書類をデータ化し、基本契約書と覚書といった書類同士の関係性をひも付けることで、契約内容をその変遷も含めて把握できます。さらに、資本金や従業員数などの企業情報も確認できるため、中小受託事業者の特定を効率化します。
当社は、こうしたプロダクトを通じて、企業の取引適正化を支援してまいります。
 
■調査概要
調査名:取適法施行後の実態調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:受注者:お勤めの会社が中小受託事業者に該当し、受託業務を担当する会社員743名
     発注者:お勤めの会社が委託事業者に該当する法務担当者143名
調査期間:2026年3月11日~2026年3月16日
調査企画:Sansan株式会社
補  足:本調査結果において、比率は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計した数字が100%にならない場合があります。
 
(以上)
 
■AI契約データベースが、利益を守る「Contract One」
Contract One(コントラクトワン)は、Sansan株式会社が提供する取引管理サービスです。紙や電子といった形式を問わず、契約書をはじめとする取引書類を一元化。自社開発のAIやオペレーター補正を組み合わせて、正確にデータを抽出し、取引書類同士の関係性を自動でひも付けます。取引の全体像や変遷を俯瞰できるデータベースを構築することで、機会の損失や信用の低下を防ぐ事業判断をサポートし、企業の利益を守ります。
https://contract-one.com/
 
■Sansan株式会社 会社概要
「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、働き方を変えるAXサービスを提供しています。主なサービスとして、ビジネスデータベース「Sansan」や名刺アプリ「Eight」、経理AXサービス「Bill One」、取引管理サービス「Contract One」、データクオリティマネジメント「Sansan Data Intelligence」を国内外で提供しています。
 
設立:2007年6月11日
URL:https://jp.corp-sansan.com/
所在地:〒150-6228 東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージ 28F
資本金:72億91百万円(2025年11月30日時点)
事業内容:働き方を変えるAXサービスの企画・開発・販売
Sansan https://jp.sansan.com/
Eight https://8card.net/
Bill One https://bill-one.com/
Contract One https://contract-one.com/
Sansan Data Intelligence https://jp.sansan.com/sansan-data-intelligence/

・取適法施行後、受注者の4割以上は価格協議が増加する一方、6割は協議の機会が増加せず。

・価格協議推進に重要なことは「契約書や発注書を確認できるようにすること」と6割以上が回答し最多。

・受注者の7割以上が「契約書や発注書が手元になく、価格交渉をためらった経験」があり、「契約変更を把握できておらず、誤った取引をした経験」がある人も約2割。

・発注者の約6割が「(取適法の)対象企業の特定」に課題があり、理由は「企業情報の個別収集」が最多。