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一般社団法人デジタル終活推進協議会(DEA、理事長:柴田駿)は、2025年3月14日(金)に、「2025年日本財団助成事業『親なきあとノート』アンケート結果発表会」をハイブリッド形式(会場+オンライン)で開催しました。 |
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本イベントは日本財団の助成事業として実施したもので、障害のある子を持つご家族・親御さんをはじめ、支援者・福祉関係者・医療関係者など約100名を超える多くの方にご参加いただきました。 |
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イベント当日は、全国の当事者家族・支援団体・自治体を対象に実施した「『親なきあとノート』に関する全国調査」の結果を発表しました。また、アンケートの中で寄せられたご質問の中から、最前線で活躍される専門家、ご家族をお招きし、多角的な視点から、ご質問に答えていただきながら、今後の支援の在り方について議論を深め、「親なきあと」問題が抱える構造的課題と支援情報のデジタル継承の必要性が改めて浮き彫りになりました。 |
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■ イベント概要 |
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開催日時:2025年3月14日(金)10:00~11:30 |
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開催形式:ハイブリッド開催(都内会場+オンライン参加) |
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主催:一般社団法人デジタル終活推進協議会(DEA) |
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対象:障害のある子を持つ家族・親御さん、支援者、福祉・医療関係者 等 |
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内容:「親なきあとノート」全国調査結果の発表、専門家による講演・質疑応答 |
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登壇者:渡部 伸 氏(行政書士・社会保険労務士、「親なきあと」相談室主宰、世田谷区手をつなぐ親の会会長)/ 藤井 奈緒 氏(一般社団法人 親なきあと相談室 関西ネットワーク 代表理事、一般財団法人 お寺と教会の親なきあと相談室 理事、八尾市教育委員会 教育委員) |
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会場の様子 |
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(左)渡部伸氏 (右) 藤井奈緒 氏 |
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終了後に実施した参加者アンケート(有効回答数:40件)では、「これまでの知識を復習する良い機会となった」「準備に関する理解を深めることができた」「新たな知識を得ることができた」などの感想が寄せられた。また、「親なきあと」に関するイベントや勉強会への再参加を希望する回答は97.5%にのぼり、本テーマに対するニーズの高さが示されました。 |
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■ 全国調査の概要 |
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調査名称:「親なきあと」障害者の未来を支えるための全国調査 |
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~「親なきあとノート」に関する調査~ |
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調査期間:2025年8月~12月(集計:2025年12月~2026年1月) |
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有効回答数:家族 n=237、支援団体 n=163 |
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調査対象:全国の障害者家族・支援団体(親の会など)・自治体 |
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調査方法:インターネット・紙アンケート |
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■ 主要調査結果 |
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1. 不安と準備状況の深刻な乖離 |
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家族の85.5%が「親なきあと」に強い不安を感じているにもかかわらず、具体的な準備に着手しているのは57.0%にとどまります。その内容も「預貯金・保険」などの資金面に偏っており、本人の意思や日常支援に関する情報を書き残しているのはわずか1割程度。「何を書けばよいかわからない」(26%)「書き方がわからない」(20%)という戸惑いが最大の障壁となっています。 |
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2. 支援情報の「ブラックボックス」化 |
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服薬、こだわり・パニック時の対応、身体介助の方法など、命をつなぐ支援情報の多くが親の記憶にのみ蓄積され、体系化されていない実態が判明しました。親の不在により情報継承が途絶えることは、財産の損失以上に当事者の生活基盤を崩壊させる重大なリスクです。支援団体でも「親なきあと」相談は頻繁に寄せられている(「ときどきある」47%・「よくある」12%)一方、人的・財政的リソース不足から受動的な対応にとどまらざるをえない現状が浮き彫りになりました。 |
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3. デジタル化への高い期待とセキュリティへの懸念 |
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紙媒体の「親なきあとノート」に加えたアプリ化について、家族の75%以上が「有効」と評価。将来の備えとしてアプリへの「関心がある」との回答は86%に上ります。期待される機能は「親族・支援者との情報共有」(23%)、「情報の整理・共有のしやすさ」(23%)、「更新・保管のしやすさ」(20%)が上位でした。一方、「セキュリティ面の不安」(16%)・「データ消失のリスク」(15%)・「個人情報保護」(14%)への懸念も根強く、提供元の高い信頼性と強固なセキュリティ体制の整備が普及の鍵となります。 |
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4. アプリ普及の鍵は「継続的なサポート体制」 |
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アプリ利用促進に必要な支援策として、家族は「利用者への継続的なサポート体制整備」(28%)、「自治体・施設等との連携」(24%)、「専門家による情報管理アドバイス」(24%)を求めています。デジタル機器の操作に不安を持つ親世代への使い方講習会や、官民連携による伴走型サポートが不可欠です。 |
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調査結果は4月以降に当協議会のホームページ(https://digital-ending.or.jp/)などで公開していきます。 |
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■ 登壇者コメント(質疑応答より) |
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渡部伸 氏(行政書士・社会保険労務士、「親なきあと」相談室主宰) |
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地域の支援者とつながること、本人を支えるチームを作ることが最も大切です。10年以上前から「親なきあと」ノートの重要性をお話ししてきましたが、「書くのがおっくう」「状況が変わったときの更新が面倒」という声が多く聞かれます。ノートからアプリになることでこうした不便さが解消され、早い段階から「地域に託していく」という決心を後押しできることを期待しています。 |
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藤井奈緒 氏(一般社団法人親なきあと相談室関西ネットワーク代表理事) |
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障害のある娘を育てる母として、また専門家として「親なきあと」への備えの重要性を痛感しています。ノートを一人で書き上げるのは大変な作業ですが、同じ悩みを持つ仲間と集まり、笑いながら励まし合いながら少しずつ更新していけばよいのです。万が一何も準備が進まないとしても、人とのつながりさえあれば周りが助けてくれます。無理のない範囲で、やれることから始めていきましょう。 |
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■ 今後の展開 |
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当協議会は日本財団(障害者の「親なきあと」サポートプロジェクト)と連携し、デジタル版「支援引継ぎカルテ(仮称)」の開発と制度化を推進しています。 |
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親が長年蓄積してきた日常支援・療育に関する情報をICTで次の支援者(次世代)へ継承する仕組みを構築し、将来的には公的インフラ化を目指します。 |
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■ 2026年の活動 |
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1. 「支援引継ぎカルテ」に向けた要件定義&開発 |
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2025年の調査では、「親なきあとノート」のデジタル化にご家族の89%が関心を示し、86%が有効と回答。支援者も76%が有効性を認めており、デジタル活用による情報整理や連携強化のメリットについて、ご家族・支援者双方が共通して高く評価しています。こうした調査結果を踏まえ、それぞれの視点から必要な機能を整理し、プラットフォーム(支援引継ぎカルテ(仮称))構築に向けた要件定義を進めます。また、当事者・ご家族、支援者、士業などの専門家によるワーキンググループ(WG)を設置し、意見を集約します。さらに行政・国にも参加を求める研究会を通じて、支援要望や政策提言につなげる活動も展開していきます。 |
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2. 「親なきあと」チャットボットの構築 |
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孤立しがちな障害当事者や家族が抱える「親なきあと」の具体的な不安(医療・福祉支援の継続、権利行使、生活設計等)に対し、専門家・家族・施設の知見を統合したAIチャットボットを相談窓口として整備します。24時間・匿名・低負担での情報アクセスを実現し、家族に寄り添う支援体制を構築することで、以下の3つの効果を目指します。 |
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(1)家族にとっては24時間・匿名の相談窓口として機能し、準備の早期化と不安の軽減を促す |
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(2)自治体相談員・施設支援者にとっては「情報データベース(Q&A)」として活用でき、支援の平準化と説明負荷の軽減につながる |
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(3)蓄積されるQ&Aと検索行動を、制度改善・モデル化・教材化へつなげる |
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「親なきあと」を先行モデルとして他の福祉テーマへ応用・拡張しながら、福祉領域におけるAI活用の実装を着実に進めてまいります。 |
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本事業は2025年日本財団助成事業として採択・実施しております。 |
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