4年連続トップ営業を生んだ「書く力」を知識表現AIで、リズム・指示語・ドラマ性の観点で解析
 知識表現AIを用い、会話・文章情報から組織課題を可視化するコグニティ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:河野理愛、以下「コグニティ」)は、分析解説動画「解体新書」シリーズにおいて初となる「営業レター・営業メール」の構造分析コンテンツを公開しました。
 今回取り上げたのは、営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明氏による営業レター・営業メールです。今回の企画では、営業現場で長年支持されてきた「訪問しないで売れる営業」の実践知を、文章構造の観点から可視化し、営業担当者が日々の実務に転用できる具体的なポイントとして整理しています。
■ 「相手に伝わるように書いているのに成果につながらない」と感じる理由
 営業活動において、メールや手紙、メッセージなどの文章は重要な接点ですが、「読まれているか分からない」「伝わっている実感がない」「信頼関係につながらない」といった課題を抱えるケースは少なくありません。原因は、「何を書くか」ではなく、文章の長さ・流れ・語り口といった構造が再現可能になっていない点にあります。そこでコグニティは、「営業レター」という属人化しやすい文章スキルを対象に、構造として可視化・分析を行いました。
■動画情報
・【第五回】営業解体新書(営業サポート・コンサルティング編)
https://youtu.be/9XMwgejJXT0
・解体新書シリーズ一覧https://www.youtube.com/playlist?list=PLkvIVIN1NyRkLjQ4t_GfFI1BBXz1UJJRI
■ 初の営業レター分析:文章を構造として解剖
 本分析で用いるのは、コグニティが独自に開発した知識表現AI「CogStructure(コグストラクチャー)」です。本技術は約13年前に開発されたもので、近年普及している生成AI(LLM)とは異なるアプローチに基づいています。人々のトークや文章を読み込み、話題と話題の関係性を構造として捉え、図式化することで論理の流れや話題構成の特徴を分析します。これにより、従来は感覚的に評価されがちだったコミュニケーションを、構造的かつ客観的に把握することが可能になります。
 一般的なAIが単語や文脈の生成・予測に強みを持つのに対し、本技術は「話題の関係性」や「構造」に着目している点に特徴があります。人工知能学会が整理するAI技術領域においても、生成AIとは異なる領域に位置づけられるアプローチです。また、本技術を用いることで組織内に存在するコミュニケーションデータを、部署・シーン・個人単位などさまざまな粒度で分析し、「どこで・何が・誰に対して機能しているのか」を明らかにすることができます。これにより、これまで曖昧だった施策の判断を、エビデンスに基づいて行うことが可能になります。
 今回の営業レター分析では、文章を対象とした分析ツール「COG-ESSAY」を用い、菊原氏の営業レターにおける構造的な特徴を明らかにしました。
■ 今回の達人:営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明氏
 菊原智明氏は「訪問しない営業」をコンセプトに、営業レターを軸とした営業手法を確立。ハウスメーカー在籍時には、文章によるアプローチにより4年連続トップ営業を達成しました。現在は営業研修・コンサルティングを通じて、文章を活用した営業ノウハウの提供を行っています。本分析では、菊原氏の営業レターを対象に、読まれる文章の構造を明らかにしました。
 
営業サポート・コンサルティング株式会社 公式サイト:http://www.tuki1.net
■ 分析結果:達人の営業レターが読まれる理由
 今回の分析から、成果につながる営業レターには以下の特徴が確認されました。
1)短い文章によるリズム設計
 今回分析した営業レターは、全体として一文あたりの長さが短く、平均25文字前後の短文をベースに構成されていました。一般的な営業文書では、説明を丁寧にしようとするほど一文が長くなり、情報が連なって読み手の負荷が高まりやすくなりますが、本レターでは一文ごとに意味が区切られており、視線が止まりにくい構造になっていました。さらに特徴的だったのは、すべてを短文で揃えるのではなく、伝えたい主張は短く言い切り、体験や背景を語る場面だけ文章をやや長めに取っていた点です。これにより文章全体に単調さが出ず、読み手は自然にテンポを感じながら読み進めることができます。
 つまり本レターでは文章の長さそのものが単なる文体の癖ではなく、最後まで読ませるためのリズム設計として機能していました。
【深掘り解説】
 本レターでは、短い文章をベースにしながら、体験や背景を語る場面で文章が長くなっていました。このような長さの変化により、読み手は自然に区切りを感じながら読み進めることができます。
2)こそあど言葉による距離の近さ
「その時」「この経験」「こんな思い」といった表現が使われ、説明ではなく語りかけるような文章になっていました。通常、指示語は文脈が曖昧なまま増えると分かりにくさにつながりますが、本レターでは単なる省略表現としてではなく、体験や感情の場面を立ち上げる言葉として使われていました。
 そのため文章を読んだときに読み手は、ただ説明を受け取るのではなく「その場面」を頭の中で補いながら読む状態に入ります。これは、営業文章でありがちな一方的な情報伝達とは異なり、読み手の想像を引き出す「会話的な読み心地」を生みます。
【深掘り解説】
 指示語(こそあど言葉)は多用すると分かりにくくなる傾向がありますが、本レターでは体験や感情と組み合わせて使われていました。
「その時」「この経験」といった表現は、読み手が内容を想像しながら読むきっかけになります。こうした言葉が体験とともに用いられることで、説明だけでなく場面が伝わる文章になっていました。
3)ストーリー構造による感情の引き込み
 話題の流れを追うと、本レターは情報を順番に並べているのではなく、感情の起点から改善や行動へと展開するストーリー構造を持っていました。特に「こんな思いはしたくない」「させたくない」といった問題意識や痛みの共有から入り、その後に「だからこうした」「こうしてよかった」という流れにつなげている点が特徴的です。
 この構造によって、読み手は最初に感情的なフックを受け取り、その後に行動や提案を理解することができます。単なる説明文では、読み手は内容を情報として処理して終わりやすい一方、ストーリー構造があると、自分の経験や感情と重ねながら読むため、内容が記憶にも残りやすくなります。
 本レターでは、文章量自体は決して多くなくても、話題の並べ方によって読み手を引き込むドラマ性が生まれていました。
■ 対談で見えた裏側:AI時代に求められる営業は「文章で関係をつくる力」
 営業レターのプロである菊原氏と、分析を担当したコグニティ代表・取締役との対談では、営業担当者の多くが文章作成を苦手としており、理想論ではなく「現場でまず書ける形」に落とし込むことの重要性が語られました。菊原氏は、研修の中で営業レターのテンプレートや型を提示し、まずその場で一本作成させることで、後日の未実施を防ぎながら現場導入を進めていると説明しています。さらに、完成した文章を使い回しながら部分的にアップデートしていく運用が、営業レター活用の定着につながると述べました。
 AIが商品比較や情報収集を担う時代において「誰から買うか」という意思決定は、人による関係構築に依存する領域が残るという示唆が語られました。その中で営業レターは、「この人から買いたい」「この人に相談したい」という関係を築く重要な手段として、今後さらに重要性が高まると考えられます。
■ 実践と分析を組み合わせた営業力強化のアプローチ
 営業レターの考え方を学ぶ手段として、菊原氏の著書も紹介されています。一方で、知識を理解するだけでは自身の文章の改善点が見えにくいという課題もあります。そこで本取り組みでは、学びと実践に加えてコグニティの分析技術による振り返りを組み合わせることで、改善のサイクルを回すアプローチを提示しています。「書く → 分析する → 改善する」という流れを繰り返すことで、営業レターは再現性のあるスキルとして定着していきます。
■ 属人スキルを再現可能な型へ
 コグニティはこれまで「解体新書」シリーズとして、営業トークやプレゼン、1on1などを対象に分析を行ってきました。今回の営業レター分析により、これまで言語化が難しかった「文章で信頼をつくるスキル」を再現可能な設計知として提供します。今後もコグニティはコミュニケーションを構造として可視化し、個人のセンスに依存しない営業力強化に貢献してまいります。
■ トライアルのご案内:Baseline Review機能
 コグニティは、会話・文章などの定性データを、独自の構造化技術により「改善に使える指標」と「行動に落ちる示唆」に変換する分析サービスを提供しています。商談・会議・社内共有・研修・顧客対応・IRなど、目的に応じてコミュニケーションの“伝わり方”と“成果につながる要因”を可視化し、改善の優先順位と打ち手を提示します。
 その入口として、短期間で現状の課題と改善の方向性を把握できる「Baseline Review(お試し)」を5万円(税別)で2026年1月27日にリリースいたしました。個人・組織の力量を確かめるため、パフォーマンスが良いトーク/悪いトークの違い(構成・論点の置き方・説得の流れ等)や最終版の再レビュー(Before/After比較)として、録画・音声・書類等を2本ご提出いただくことで、分析結果とブリーフィング1時間でフィードバックします。(個人利用の場合は、ブリーフィングに代わりメールもしくはオンラインセミナーにて実施)
申込ページ:https://cognitee.com/baseline-review-cog-evidence
【コグニティ株式会社 会社概要】
◯ 社 名:コグニティ株式会社
◯ パーパス :技術の力で、思考バイアスなき社会を。
◯ 事業内容 :定性情報の定量化技術を使った組織分析サービス
◯ 本 社:〒140-0015 東京都品川区西大井一丁目1番2-208号
◯ 設 立:2013年3月28日
◯ Web:https://cognitee.com/
◯ 資本金:6億円(準備金含む)
◯ 従業員:71名(リモートワーカー含む)
◯ 代表者:代表取締役 河野 理愛
◯ 受賞歴他 :
■EY Innovative Startup エンタープライズ部門受賞(2019)
■第11回 HRアワード 人材開発・育成部門 最優秀賞(2022)
■第22回 一般社団法人日本テレワーク協会 テレワーク推進賞 優秀賞受賞(2022)
■第3回TOKYOテレワークアワード 推進賞(2023)
■一般社団法人生成AI活用普及協会協議員(2023~)