最新レポートにより、超高層ビルにおいて「形状」が「高さ」と同様に重要であることが判明
グローバルなプロフェッショナルサービス企業であるターナー&タウンゼント(Turner & Townsend、本社:英国ウェスト・ヨークシャー州、代表取締役社長:ヴィンセント・クランシー)は本日、世界6都市の高層ビル市場に関する独自の見解をまとめた最新レポート(英語版)「グローバル高層ビルレポ-ト(Global Tall Buildings report)」を発表しました。本レポートは、ロンドン、ニューヨーク、ソウル、東京、ムンバイ、ドバイ各都市における超高層ビルのデベロッパーが直面する課題と機会を、独自のデータに基づき分析したものです。建設コストの他、デザインや高さが事業の実現可能性に与える影響が含まれています。
 
本レポートによると、東京の新規オフィスビル建設コストは2020年以降で最大5割上昇しており、分析対象都市の中で最大の上昇率を記録しました。現在、東京で超高層ビルを建設するコストはソウルの3倍以上、ムンバイの10倍に達しています。この大幅なコスト増は、インフレだけでなく、紛争や地政学的リスク、サプライチェーンの制約、為替変動など、さまざまな要因によるものです。
 
最も重要なポイントは、超高層ビルの「形状」が「高さ」と同様に建設コストに影響を与えることです。一部の都市では、最も野心的なプロジェクトと最も費用対効果の高いプロジェクトの間で25%の価格差が生じる場合があり、建物のボリューム(マッシング)が重要な決定要素となっています。
 
過去5年間、東京の高層ビル市場では大手デベロッパーの間で激しい競争が続くと同時に、ESG投資が急増し、サステナビリティ認証の取得やエネルギー効率が優先されるようになっています。また、長期化する円安により外国投資は引き続き堅調な為、東京ミッドタウンのブルガリホテルや日本橋のウォルドルフ・アストリアなど、高いリターンが期待できる世界的魅力を持つ高級ホテルプロジェクトが注目を集めています。同時に、ライフスタイルの変化に伴い、オフィス、住宅、商業施設、文化空間を統合した複合施設の需要も高まっています。 これにより、東京駅、日本橋、虎ノ門周辺の優良なグレードA用地をめぐる競争が激化し、デベロッパーは規模だけでなく、高さやデザインの革新性においても、都市のスカイラインを変える競争を行っています。
 
しかし、大阪のIR(統合型リゾート)、北海道や九州の半導体工場、防衛省発注の全国規模の建設プロジェクトなど、大型案件が進行しています。国内の多くの大手ゼネコンが、規模が大きく長期的な収益が見込めるこれらの開発に注力しているため、高層ビル向けのサプライチェーンが圧迫されています。その結果、建設コストの更なる上昇、プロジェクト期間の延長、地方プロジェクトにおける中堅ゼネコンへの依存度が高まっています。
 
特に高さ100メートルを超える建物の場合、日本国内で対応可能な建設会社の数は限られている為、調達のかなり早い段階から参加を確保することが不可欠となっています。その結果、コスト抑制の為に既存建物のリノベーションへの注目も高まっており、賃貸オフィススペースの空室率低下につながっています。
 
ターナー&タウンゼントは、プロジェクトマネジメント、コストマネジメント、プログラムアドバイザリーサービスの提供において業界をリードする企業です。ロンドンの22ビショップスゲート、ニューヨークの30ハドソンヤード、オーストラリアのザ・ジュエル、ムンバイのピラマル・アラニヤなど、世界中で200棟以上の高層ビル建設を支援してきました。
 
ターナー&タウンゼントの高層ビル部門責任者であるスティーブ・ワッツ(Steve Watts)は次のように述べています。
 
「世界的に高層ビルへの需要は依然として非常に高く、東京も例外ではありません。特に都心のグレードAオフィスへの需要が、スカイラインを更に高く押し上げています。建設コストの高騰に加え、インフレの継続やサプライチェーンの逼迫がさらなる圧力をかけているため、事業の採算性は喫緊の課題です。東京を含む多くの市場で『より少ない資源で、より多くのニーズに応える』ことが求められています。また、より迅速なリターン、コスト効率、持続可能な価値創造を求めて、新築よりも改修を好むデベロッパーが増えている傾向も強まっています。
 
プロジェクトのコスト効率をよくする上で、形状が高さと同様に重要であることを認識することが、かつてないほど重要になっています。また、高層ビルを東京のより広い街並みに統合させることへの関心も高まっており、オフィス、住宅、商業施設、文化空間を組み合わせた複合施設の再開発案件の増加につながっています。
 
このような状況下で、東京でプロジェクトを成功させるには、プロジェクトチームが初期段階から参画し、実現可能性を高めることが極めて重要です。要件を検証し、設計段階での戦略構築と詳細な設計コントロールの両方により早い段階から注力し、サプライチェーンの重要な部分の協力をいち早く確保し、明確かつ連携よくプロジェクトを立ち上げることが求められます。」
 
レポートの本文(英語版)はこちらからお読みいただけます。日本語版レポートは現在制作中です。
 
高層オフィスおよび住宅のシェル&コア建設のコスト範囲
2025/
26年
コスト
ロンドン ソウル 東京 ムンバイ ニューヨーク ドバイ
オフィス シェル&コア  (米ドル/m² GIA) $6,900-$8,700 $2,100-$2,500 $7,300-$8,400 $705-$805 $7,000-$9,700 $1,500-$1,800
住宅 シェル&コア
(米ドル/m² GIA)
$4,900-$5,700 $1,800-$2,200 - $521-$586 $5,900-$7,800 $1,400-$1,750
*コストデータの分析は、2026年第1四半期にターナー&タウンゼントによって実施され、コストの範囲は同社の実績データから算出されています。なお、本報告書は中東地域で最近発生した事象以前に取りまとめられており、それらに起因する潜在的な影響は反映されていません。
 
問い合わせ先:
FTI Consulting
turner&townsend@fticonsulting.com
itaru.kobayashi@fticonsulting.com
marilyn.kawakami@fticonsulting.com
 
ターナー&タウンゼント(Turner & Townsend)について
ターナー&タウンゼントは、世界60か国以上に2万2,000人以上の従業員を擁するグローバルプロフェッショナルサービス企業です。
 
不動産、インフラ、エネルギー、天然資源分野のお客様と協力し、世界中の市場で大規模プログラム、プロジェクト、コストおよびコマーシャルマネジメント、プロジェクトのコントロールおよびパフォーマンス、ネットゼロ排出、デジタルソリューションを専門としています。
 
ターナー&タウンゼントは、世界最大級の商業不動産サービスおよび投資会社であり、主要なクリティカル・インフラストラクチャ・サービス・プロバイダーあるCBREグループ(CBRE Group, Inc.)が過半数の株式を保有しています。また、パートナー各社も非支配的ながら重要な持分を保有しています。
 
詳しくは、当社のウェブサイトをご覧ください: https://asia.turnerandtownsend.com/jp/