日本郵政株式会社(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 根岸 一行、以下「日本郵政」)および日本郵便株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長兼執行役員社長 小池 信也、以下「日本郵便」)は、離島地域における郵便局の安定運営および地域の持続可能性に資する取り組みとして、島根県隠岐郡海士町の特定地域づくり事業協同組合である海士町複業協同組合(島根県隠岐郡海士町、代表理事 奥田 和司)と協力し、郵便局に当該組合の派遣社員を受け入れる実証を開始します。
 特定地域づくり事業協同組合は、人口急減地域において、無期雇用で安定した働き方を生み出すための仕組みです。移住者や地域の若者などに就業の場を提供することで、人材の育成・定着を進め、地域の活性化を目指す制度です。
 本実証は、地域人材の活用を通じた離島地域における郵便局の安定的な業務運営と地域の持続可能性向上に寄与することを目的としています。
1 背景・目的
 日本郵政グループでは、社会課題に取り組む企業や地方公共団体などに社員を派遣し、共同で新規事業創出に取り組む「ローカル共創イニシアティブ」の一環として、2024年4月1日から島根県隠岐郡海士町に社員を派遣しています。
 離島地域における郵便・物流事業の運営は、地域の人口規模が小さいことに加え、通勤や荷物の移動が船便に依存するため、天候などにより出勤可能人数や取扱物数が変動しやすく、郵便局の要員確保なども影響を受けやすくなっています。
 また、離島地域をはじめとする人口急減地域では、地域内の雇用機会や人材が限られる一方で、特定地域づくり事業協同組合が複数事業間での人材シェアを実施し、派遣社員が地域における役割を見出しながらキャリア形成できる就労機会を提供している事例も見られます。
 今般、これらの状況を踏まえ、特定地域づくり事業協同組合による「地域人材の派遣」という仕組みを郵便局の運営に取り入れる実証を開始することとしました。
 本実証は、島根県隠岐郡海士町に所在する菱浦郵便局において、海士町複業協同組合から人材を受け入れ、主にゆうパック関連業務などに従事していただくことで、地域内での人材循環の可能性を模索するものです。
2 実証の概要
(1) 対象郵便局
島根県隠岐郡海士町 菱浦(ひしうら)郵便局
(2) 派遣形態
・ 派遣元:海士町複業協同組合
・ 主な業務:ゆうパック関連業務
(3) 実証期間(予定)
人材受入月から半年間
3 本実証に期待される効果
 日本郵便は、特定地域づくり事業協同組合による「地域人材の派遣」という仕組みを業務運営に取り入れることで、繁閑や欠員リスクに対する耐性を向上させ、離島に所在する郵便局の負荷平準化や業務品質の安定を図るとともに、離島地域における日本郵便および当該地域の持続可能性を高めることを目指します。
 海士町複業協同組合は、小規模事業者の季節労働や時間外労働のニーズを満たすことを主眼として設立された組合であり、郵便局が通年雇用先候補に加わることで、派遣社員の職業選択肢を広げることができます。
 また、同組合は、複業により本人のキャリアを自主的に選択していく(一次産業を中心にスキルを磨く、当該地域内の関係性のある事業所に就職するなど)ことも目的の一つとしており、これまで同組合に参画していなかった物流分野の事業所が加わることで、派遣社員のキャリア選択の幅をさらに広げることができると考えています。
4 今後の取り組みと展望
 日本郵政および日本郵便は今回の実証結果を踏まえ、特定地域づくり事業協同組合をはじめ地域の多様な主体と連携し、持続可能な地域づくりに貢献してまいります。