今年で創設40周年を迎え、会員企業800社以上が参画する一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)。今回はその会員企業であり、kintone活用支援の第一線を走る株式会社MOVEDに焦点を当て、同社でBizDevリーダーを務める峠健太郎氏へのインタビュー内容を公開いたします。
 
全文はこちら
kintone導入41,000社時代に問われる、「使いこなす人材」の育成
業務改善クラウド「kintone」のグローバル導入社数が41,000社を突破し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)はツール普及から「使いこなす人材の育成」へとフェーズが移行しています。いかにして自社内でDX人材を育て、業務改善の文化を根付かせるか--その問いに対し、市場全体の機運が高まっています。
 
こうした時代背景のなかで存在感を放つのが、株式会社MOVEDです。同社が提供するkintone特化型の教育プラットフォーム「クラウドユニバーシティ」は、受講企業数1,600社・述べ受講者数10,000名を超え、kintoneを網羅的かつ体系的に学べる業界ナンバーワンの研修サービスとして確固たる地位を築いています。
 
その最前線でセールス・アライアンス・動画配信支援という3つの領域を横断的にリードするのが、BizDevリーダーの峠健太郎氏です。
「自身や組織が成長するにはインプットを増やす考えを持つ方もおられますが、アウトプットも行うことでさらに品質が向上するわけで」
業務改善の本質は技術ではなく、人の心を動かすこと。IT業界の多様性と可能性を体現する一人の物語を追いました。
ユーザー目線から生まれた、エンドユーザーに寄り添う強み
峠氏が現在担うのは、セールス全般・アライアンス全般・動画配信支援チームのリーダーという3つの役割です。
「弊社のサービスは、kintoneなどサイボウズ製品の研修、kintoneの導入構築・運用支援、そしてプレゼンテーショントレーニングがメインです。エンドユーザーさんは小規模個人事業主から大企業のチームまで、幅広く対応しています」
峠氏の仕事は、まだ輪郭の定まっていない顧客課題を整理するところから始まります。
 
「具体的にどういうトレーニングをしましょうか、どういうシステムを構築しましょうか、というのを一緒に考えて提案していく仕事です」
MOVEDの際立った強みは、2014年から続くkintone研修の実績です。クラウドユニバーシティは「kintoneとは何か」というレベル1の入門者から、「kintoneでビジネスを構築する」上級者まで、段階別に対応するカリキュラムを整備しており、この体系的な網羅性こそが競合他社との明確な差別化要因となっています。
 
さらに注目すべきは、構築・運用を担うメンバーの経歴です。
「弊社のメンバーは、専門のエンジニアというよりユーザー上がりばかりなんです。私もそうですが、元々kintoneのユーザーで、運用管理者として最前線で戦ってきた人たちです」
一方で、峠氏は自社サービスが合わないケースも明確に伝えます。エンタープライズ企業による全社導入など、対応規模が大きくなりすぎる場合には、信頼できる他のベンダーへの紹介も厭わない誠実さが、顧客との長期的な信頼関係を生んでいます。
病院のIT担当が偶然出会ったツール--キャリアを変えた「巡り合わせ」
峠氏のITキャリアは、新卒で入社したSE企業のインフラエンジニアから始まりました。その後、縁あって京都の病院に転職。ITに精通した人材が少ない現場で、医療のエキスパートたちをITで支援する立場を担うことになります。
そこで、業務のデジタル化を進めるべくグループウェアを探していた峠氏が出会ったのが、kintoneでした。
 
「業務の片手間でアプリを作って、それを自分の業務にすぐ活用できる。データベースを自分で作れるというのは結構すごいことだなと思いました」
Excelと電卓で業務をこなすスタッフ、Windowsのメモ帳でスケジュール管理をするスタッフ--そうした現場の「生々しい不便」を肌で知るからこそ、峠氏のkintone活用は深みを持ちました。一つアプリを作ると、次もその次もアイデアが湧いてくる。しかし、チームに使ってもらうには納得感が必要だと気づき、「外堀を埋める」戦略で院内普及に取り組みました。
 
やがてその実績が院外にも広がり、サイボウズのイベントに登壇する機会を得た峠氏。そこで、kintone導入に関する外部からの相談が寄せられるようになります。しかし、病院勤務という立場上、営利目的の活動はできない--そんな葛藤を抱えていた頃、MOVEDの代表がSNSで求人を出しているのを目にしました。
 
「副業でいいって書いてあったから、メッセージ送って働き始めました」
2019年に副業でジョインし、2020年に正社員として完全移行。農学部出身、インフラSE、病院IT担当--一見バラバラに見えるキャリアの点と点が、今の峠氏という人物を形作っています。すべては「巡り合わせ」であり、同時に情報をキャッチしてチャンスを逃さなかった姿勢の結果でもあります。
きっかけ作りと連鎖--業務改善文化を社会に広げるビジョン
kintoneの普及が加速し、DX人材育成の機運が高まる今、峠氏が描くビジョンはシンプルで、かつ力強いものです。
 
「プレゼンのトレーニングを受けた人が、次また別の人に教える立場になる。そうすればどんどんプレゼンテーションが好きな人が増えていく。kintoneも業務改善も同じです」
学びが人から人へと伝播し、組織を超えて広がる--この「連鎖」こそが峠氏の目指す姿です。エンドユーザーに対してだけでなく、サイボウズパートナーとしてkintoneビジネスの確立を目指すパートナー企業に対しても、同様のきっかけを提供することで、業務改善を考える人・実践する人・次世代に伝える人が社会全体で増えていくと峠氏は考えます。
 
そのために峠氏が強調するのが、インプットとアウトプットの両立です。
「自身や組織が成長するにはインプットを増やす考えを持つ方もおられますが、アウトプットも行うことでさらに品質が向上するわけです」
 
この哲学は研修設計にも反映されています。転職が当たり前となった時代、あるいは社内起業という選択肢が広がる今日においても、どの組織・どの立場でも通用する「ポータブルスキル」を身につけることが、個人と組織双方の強さにつながる。クラウドユニバーシティが目の前の業務効率化にとどまらず、受講者の未来に視点を置いた設計となっている所以です。
SAJとの関わり--業界の「温度」を知るためのちょうどいい組織
峠氏のSAJへの関与はイベント参加を中心としていますが、そこから広がるネットワークは確実にビジネスの糧となっています。
「人が多いので、いろんな業種・職種・立場の方がいらっしゃるから、そこから縁で今お世話になっている会社さんもいます」
 
峠氏がSAJに見出す価値は、業界全体の「温度」を感じられる場としての機能です。
「古い会社から新しい会社まで、年代も立場も全然違う方がいらっしゃる。業界の様子を見るにはちょうどいい組織だと思います。国でもかなりの立場をお持ちの方がスピーカーとしてお迎えされているので、ソフトウェア業界に対する視線、各社がどういった将来を目指しているのか、どんな気持ちでやっているのかが分かる」
 
さらに峠氏は、業界内部の視点に閉じることの危うさも指摘します。
「我々システム屋の目線だけでやりすぎると、市場のニュースが見えてこなくなる。一見IT系と関係がないような世界的なイベントでも、こういう連携があるのか、こういう関係があるのかと見られる。どんなニュースも対岸の火事にならないように、必要に応じて関連して認識しておきたい」
常に外を見て、きっかけをつかみ、連鎖を生み出す。技術ではなく人の心を動かすこと、学んだことを次の人へ伝えること--それが業務改善の本質であり、峠氏が体現し続ける哲学です。
 
【プロフィール】
峠健太郎(とうげ けんたろう) 株式会社MOVEDBizDevリーダー。
新卒で富士通グループに入社し、インフラエンジニアとして勤務。その後、京都の病院に転職し、IT担当として電話・FAX中心の現場と向き合う中で、グループウェア導入のために検索して偶然kintoneと出会う。100%ユーザーとしてkintoneを活用し、病院内外で導入を広げ、サイボウズのイベントにも登壇。病院勤務と並行してMOVEDでも副業を開始し、2020年に正社員として完全移行。現在はセールス全般、アライアンス全般、動画編集チームのリーダーという3つの役割を担う。
 
全文はこちら
 
【一般社団法人ソフトウェア協会】
一般社団法人ソフトウェア協会(略称:SAJ)は、ソフトウェアに関わるあらゆる企業、団体、個人を繋ぎ、デジタル社会の実現を推進する業界団体で、800社以上にご加入いただき、創立40周年を迎えることができました。これからもソフトウェアの未来を創造し、国内外のデジタル化推進に貢献してまいります。
 
入会お問い合わせ・詳細は以下ページよりご連絡ください。
一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)事務局お問い合わせページ:https://www.saj.or.jp/contact/
【関連リンク】  
インタビュー記事全文https://www.saj.or.jp/40th_branding/heroes_moved
本企画のインタビュー記事一覧https://www.saj.or.jp/40th_branding
SAJ 40周年記念サイトhttps://40th.saj.or.jp/ 
一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)https://www.saj.or.jp/
株式会社MOVED様 公式サイトhttps://www.moved.co.jp/