2024年12月から大麻取締法及び向精神薬取締法の一部を改正する法律が施行されたことにより、大麻由来の医薬品の使用が可能となりました。このような新たな局面にて開催される第11回本学術集会(25年11月16日)は、日本線維筋痛症・慢性痛学会 第15 回学術集会との合同開催とし、テーマを「患者に寄り添う医療と研究の融合;慢性痛克服への挑戦」としました。本年の春の学術セミナーにおいても領域を超えた様々な立場の医師や研究者、関連領域の専門家が一堂に会して議論することで、カンナビノイド関連の医学・医療に関しての活発かつ有意義な情報交換が行われることを期待しております。
大会長 山野 嘉久(本学会理事、聖マリアンナ医科大学脳神経内科 教授)
13:00~ 受付 ZOOMに入って待機可能。
13:30 開会挨拶
令和7年度~令和9年度厚生労働行政推進調査事業費医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業「カンナビノイドの実態把握に資する研究」(研究代表者:太組一朗)に関する成果報告会(※印のもの)
最新タイ王国の医療用大麻事情―タイHEMP EXPO(11月5日~7日)視察報告―(※)
日本の大麻使用者を対象とした質的研究(※)
バーブ医薬品 米国薬局方について(※)
カンナビノイド製品の検査課題と患者支援デジタルツール ―研究テーマの検討と構想(※)
アルツハイマー病モデルにおけるカンナビノイド混合物の効果
教育講演
Current Overview of Medical Cannabis in Korea(韓国の医療用大麻の最新動向)
Min Too Jae(MEDICAL CANNABIS ASSOCIATION OF KOREA, President)
令和7年度~令和9年度厚生労働行政推進調査事業費医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業「カンナビノイドの実態把握に資する研究」(研究代表者:太組一朗)の進捗状況及び6月1日から指定薬物となるCBN規制について
16:30 閉会挨拶
参加申込はこちらのサイトから
http://cannabis.kenkyuukai.jp/event/event_detail.asp?id=81749
Δ9-THC:
デルタ9-テトラヒドロカンナビノール。THCとも表記される。144種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、最も向精神作用のある成分。いわゆるマリファナの主成分として知られている。痛みの緩和、吐き気の抑制、けいれん抑制、食欲増進、アルツハイマー病への薬効があることが知られている。
CBD:
カンナビジオール。144種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、向精神作用のない成分で、てんかんの他に、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、神経性疼痛、統合失調症、社会不安、抑うつ、抗がん、吐き気抑制、炎症性疾患、関節リウマチ、感染症、クローン病、心血管疾患、糖尿病合併症などの治療効果を有する可能性があると報告されている。2018年6月に行われたWHO/ECDD(依存性薬物専門家委員会)の批判的審査では、純粋なCBDは国際薬物規制の対象外であると勧告された。
CBN:
カンナビノール。144種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、THCが酸化・分解して生じる成分として知られ、向精神作用はTHCより弱いとされている。近年は、睡眠、鎮静、疼痛、炎症、神経保護、食欲、抗菌作用などとの関連が研究されており、神経変性疾患や慢性疼痛、炎症性疾患などに対する治療効果を有する可能性が報告されているが、CBDほど臨床エビデンスは蓄積しておらず、ヒトでの有効性はなお限定的である。日本においては26年6月1日から指定薬物となる。
内因性カンナビノイド系:
内因性カンナビノイド系(ECS)は、内因性リガンド(アナンダミド、2-AG等)、それらのカンナビノイド受容体(CB1,CB2等)、および内因性カンナビノイドの形成と分解を触媒する酵素(FAAH、MAGL等)を含む脂質の複雑なネットワークである。内因性カンナビノイド系は、学習と記憶、感情処理、睡眠、体温制御、痛みの制御、炎症と免疫応答、食欲など、私たちの最も重要な身体機能の調節および制御を担っている。
2018年米国農業法による「ヘンプ」の定義:
「ヘンプ」という用語は、「大麻(学名Cannabis sativa L.)」の植物および、その植物のいずれかの部位(種子と全ての派生物、抽出物、カンナビノイド、異性体、酸、塩、異性体の塩を含む)であり、成長しているか否かにかかわらず、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(delta-9 tetrahydrocannabinol)の濃度が乾燥重量ベースで0.3%以下であるもの」を指す。
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。http://cannabis.kenkyuukai.jp/
日本の大麻取締法
我が国における大麻は、昭和5年(1930年)に施行された旧麻薬取締規則において、印度大麻草が≪麻薬≫として規制されてきた。第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により印度大麻草と国内の大麻草は同一だと指摘を受け、一旦は、大麻草の栽培等の全面禁止が命じられた。ところが、当時の漁網や縄などの生活資材に必要不可欠であり、国内の農家を保護するために大麻取締法(1948年7月10日制定、法律第124号)を制定した。医師の取り扱う麻薬は、麻薬取締法(1948年7月10日制定、法律第123号)となり、農家が扱う大麻は、大麻取締法の管轄となった。その後、化学繊維の普及と生活様式の変化により、大麻繊維の需要が激減し、1950年代に3万人いた栽培者が1970年代に1000人まで激減した。欧米のヒッピー文化が流入し、マリファナ事犯が1970年代に1000人を超えると、それらを取り締まるための法律へと性格が変わった。つまり、戦後、70年間で農家保護のための法律から、マリファナ規制のための法律へと変貌した。2018年の時点で、全国作付面積11.2ha、大麻栽培者35名、大麻研究者401名。この法律では、大麻植物の花と葉が規制対象であり、茎(繊維)と種子は、取締の対象外である。栽培には、都道府県知事の免許が必要となるが、マリファナ事犯の増加傾向の中、新規の栽培免許はほとんど交付されていない。また、医療用大麻については、法律制定当初から医師が施用することも、患者が交付を受けることも両方で禁止されたままであった。
現在は、厚生労働省による21年大麻等の薬物対策のあり方検討会(全8回)、22年大麻規制検討小委員会(全4回)を経て、23年1月12日の厚生科学審議会 (医薬品医療機器制度部会)にて法改正の方向性が示された後、第212回臨時国会にて大麻取締法(大麻草の栽培の規制に関する法律案)、麻薬及び向精神薬取締法を一部改正する法律案が成立して公布された。24年12月及び25年3月に施行された。