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日本生態学会自然史研究振興賞を受賞した大塚泰介総括学芸員と授賞式の様子 |
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大塚泰介総括学芸員が第3回 日本生態学会自然史研究振興賞を受賞しました。 |
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2026年3月14日の日本生態学会*1 第73回全国大会 (国立京都国際会館)で授賞式と受賞講演が行われました。 |
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「日本生態学会自然史研究振興賞*2 」は、生物の記載、分布、生活史など、地域の生物多様性情報の収集と公開を通して、生態学の基盤強化に寄与している一般社団法人日本生態学会の会員を対象とした賞です。 |
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*1 日本生態学会は、生態学とその関連分野を研究する者のコミュニティーとして、研究成果の発信、会員の交流を通じて生態学を深化・発展させること、またその成果を社会に還元することを目的として活動を行っています。生態学およびその関連分野に関わる研究を推進するため,研究者を始め関連する職業や学生の方々を会員として,1953年に設立されました。現在、約3900人の会員が入会されており,研究活動だけでなく,生態学に関連した社会的アウトリーチにも力をいれています。 |
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*2 「日本生態学会自然史研究振興賞」は、生物の記載、分布、生活史など、地域の生物多様性情報の収集と公開を通して、生態学の基盤強化に寄与している日本生態学会の会員を対象とした賞です。自薦による応募者もしくは日本生態学会会員により推薦された者の中から原則として2件の受賞者を選考しています。 |
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大塚 泰介(滋賀県立琵琶湖博物館 総括学芸員) |
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気づけばマッド・サイエンティスト |
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大学院時代に後輩の藤田裕子氏から、水田の珪藻の共同研究 |
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を持ちかけられたことが、私が泥(mud)にはまった契機である。その研究成果は、後に何本かの共著論文として出版された (例 |
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えばOhtsuka & Fujita 2001, Fujita & Ohtsuka 2005)。島根大 |
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学汽水域研究センターの研究員だった頃、佐藤正典氏から諫早 |
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湾の潮受堤防締切以前に採集された干潟の珪藻試料を頂き、後 |
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にその中に含まれていた珪藻の一つをNitzschia gyrosigmaとして新種記載した(Ohtsuka 2005)。また同センターでマッド・ |
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サイエンティスト(mud scientist)を自称する田中秀典氏と出 |
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会い、自らもその仲間であることを自覚した。 |
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大塚泰介総括学芸員 |
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琵琶湖博物館では珪藻研究サークル「たんさいぼうの会」を立ち上げて担当学芸員(影の会長)を務めた。当初は河川・湖沼の珪藻を調べていたが、会員の関心が湿原の珪藻に移ると私も引きずり込まれ、会員と共に泥炭地にはまりながら調査を行うことになった(例えばKihara et al. 2009,
2015)。琵琶湖博物館で水田の総合研究立ち上げにかかわり、ますます泥の世界にはまることになった。2013年から参加型調査「ハッタミミズ・ダービー」(代表:渡辺弘之氏)の事務局長を務め、滋賀、石川、福井の3県の泥深い水田にのみ生息する日本最長のミミズ、ハッタミミズの分布を明らかにした(大塚 2020)。本種の(したがって日本のミミズの)最長記録は現時点で私が保持している(96
cm)。2010年に金尾滋史氏らと共に「琵琶湖地域の水田生物研究会」を立ち上げて毎年12月に研究会を開催する中で、水田の様々な生物を研究する多くの研究仲間と出会った。その仲間たちの研究成果に基づき、2010年に刊行された『改訂版 田んぼの生きもの全種リスト』の不足をあげつらっていたところ、「そんなに言うならお前が増補改訂しろ」と言われてリストのデータを引継ぐことになり、約40人の共同研究者とともにリストを増補改訂して『田んぼの生きもの全種データベース』(桐谷・大塚編
2020)として公開した(現在6,661種掲載)。大昔に堆積した泥に含まれる珪藻も調べている。最近、東京都心で1976年に発掘されたナウマンゾウ浜町標本に付着していた泥に含まれる珪藻を調べ、林竜馬氏の花粉分析の結果と合わせて死亡現場の古環境推定を行った(高橋ら 2025)。 (記録や数字は2026年2月12日現在) |
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