~グローバル展開を見据えたスピーディーでサステナブルな製品開発の実現へ~
 株式会社ファイントゥデイ(本社:東京都港区、代表取締役 社長 兼 CEO:小森哲郎)は、複数の成分を複合化するコンプレックス※1技術により、洗顔料に配合した保水成分「シロキクラゲ多糖体」を洗顔後も肌に残存させることに成功しました。
 今回の研究成果は、日本農芸化学会2026年度大会(2026年3月9日~12日・京都府)にて発表しました。
 
■化粧品市場の課題とコンプレックス技術
 日本の化粧品市場では、商品展開数の増加や新規事業者の参入により、流通する商品点数が拡大しています。さらに、OEMやODMの活用による開発・投入スピードの向上を背景に、商品ライフサイクルは短期化傾向にあり、生活者ニーズやトレンドの変化を捉えた迅速な製品開発が求められています。また、生活者のサステナビリティ意識の向上に伴い、製品の機能性に加えて、環境への配慮や成分の安全性を重視する傾向が高まっています。※2
  一方で、新規成分の開発には、安全性評価や量産化検証、各種規制への対応など多岐にわたるプロセスが必要となり、さらにグローバル展開においては国・地域ごとの法規制への対応が加わるため、商品化までのリードタイムが長期化しやすいという課題がありました。
  そこで当社は、安全性が確認されている既存原料を用いてコンプレックス成分を構築することに着目しました。コンプレックス技術は、新規成分開発と比較して開発期間を短縮できることや、各国法規制への対応が容易なことに加え、水や電気など開発に必要な資源の使用量を削減し、開発に伴う環境負荷を低減できるといったさまざまなメリットがあります。当社はコンプレックス技術を研究開発における注力分野に位置づけ、グローバル展開を見据えたスピーディーでサステナブルな研究開発により、新たな機能や価値を生み出すイノベーションに取り組んでいます。
 
■研究背景
 洗顔料は、乾燥感なく洗いあがれることが求められる一方、高性能な保湿成分を配合しても、構造によっては成分が洗い流されてしまうという課題がありました。ヒアルロン酸Naに匹敵する保水力を持つシロキクラゲ多糖体は、化粧水や乳液等のスキンケア製品では多く使用されているものの、肌表面と同じマイナス電荷を有するため電気的反発により吸着しにくく、洗顔後に肌上へ残存させることが困難でした。 
 そこで、プラス電荷を有し、肌への吸着性と泡質向上に寄与することが知られるグアー豆由来成分(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)とシロキクラゲ多糖体をイオンの力でコンプレックス化することにより、洗顔後も保湿成分を肌に留めることができるか検証しました。
 
■研究内容
【実験1.】コンプレックス配合洗顔料の連用による肌への効果
 30~50代の日本人男女8名を対象に、シロキクラゲ多糖体とグアー豆由来成分のコンプレックス(以下、コンプレックス)を配合した洗顔料と未配合の洗顔料を4週間連用し、コンプレックスの肌への効果を検証しました。洗顔料の連用4週間後の角層水分量を比較した結果、コンプレックス配合の洗顔料を使用した場合は、未配合の洗顔料を連用した場合と比較し、有意に角層水分量が高いことが確認されました。この結果から、シロキクラゲ多糖体をコンプレックス化することで洗顔後も肌に留まりやすくすることができ、保湿効果を発揮した可能性が示唆されます。
 
 
図1 コンプレックス配合洗顔料4週間連用後の角層水分量
 
 
【実験2.】コンプレックス配合洗顔料の泡弾力への効果
 コンプレックス化してもグアー豆由来成分の泡質向上機能が維持されるかについて検証しました。ブランク洗顔料(各成分を未配合の洗顔料)、グアー豆由来成分配合洗顔料、シロキクラゲ多糖体配合洗顔料、コンプレックス配合洗顔料をそれぞれ同一条件で泡立て、泡の弾力を測定しました。その結果、コンプレックス配合洗顔料も、グアー豆由来成分配合時と同様に泡弾力の向上効果が認められました。
 
図2 泡の弾力比較
 これらの実験結果より、シロキクラゲ多糖体とグアー豆由来成分のコンプレックスは洗浄後も肌に残存し保湿機能を発揮すること、泡弾力の向上効果を増幅することが明らかとなり、両成分の機能を維持して洗顔料に配合することができる有用なコンプレックスであることが確認できました。
 
■今後の展望
 当社グループは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というパーパス(存在意義)のもと、多様化・高度化する生活者ニーズに応えるため、既存原料を活用しながら新たな機能を創出するコンプレックス技術の応用領域をさらに広げていきます。また、本技術によって開発効率を高めることで、創出した時間やリソースを新たな価値創出につなげ、世界中のお客さまへ高品質な製品を迅速にお届けしていきます。
 
 
※1 コンプレックスとは、複数の成分を組み合わせた化学的複合体を指します
※2 Grand View Research「Clean Beauty Market (2024 - 2030)」参照
 
 
<関連URL>
公式ウェブサイト:https://www.finetoday.com/
 
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