株式会社類設計室と協働し、建築の面白さや奥深さに触れながら探究を深められる冊子型教材を開発
探究・創造的な学びを推進する株式会社a.school(東京都文京区、代表取締役 岩田拓真、以下「エイスクール」)は、株式会社類設計室 教育事業部 しごと学舎「こども建築塾」と協働し、子どもたちが建築の面白さや奥深さに触れながら探究を深められる教材として、「こども建築塾 探究ブック」2冊(各20ページ)を企画・制作しました。エイスクールは、探究学習プログラムや教材パッケージの企画開発を強みとしており、今回も建築という専門領域を、子どもたちが自分ごととして学べる形へ再編集しています。
本教材は、建築を単なる知識として学ぶのではなく、身の回りの空間や暮らしを観察し、そこにある工夫や価値に気づき、自分なりの視点で考え、形にしていく学びを支えるものです。子どもたちが「建築っておもしろい」「もっと見てみたい、考えてみたい、つくってみたい」と感じる入口となることを目指して制作されました。
■ こども建築塾とは
こども建築塾は、現役の一級建築士から、建築・ものづくり・デザインについて本格的に学ぶことができる学びの場です。50年以上にわたり建築設計と人材育成を追求してきた類設計室を母体に、第一線で活躍する建築のプロが講師を務め、子どもたちに本物の建築の世界をひらきます。“頭と心と身体で学ぶ”ことを重視し、これからの未来を担う人材を育てています。
 
背景には、建築業界における人材不足があります。一級建築士は50代以上に偏り、若手人材の育成が課題となるなか、次世代の建築人材を育てることは、設計事務所としての重要な使命でもあります。また、デジタル人材育成への注目が高まる一方で、建築を学ぶには、自分の目で見て、手で触れて、実際につくるリアルな体験も欠かせません。
 
こども建築塾では、粘土や紙を使った模型制作、身の回りのものの計測、かんな削りや彫刻、野山でのツリーハウス設計など、体験を重視したカリキュラムを展開しています。さらに、第一線で活躍する建築のプロによる実演はもちろん、インターンやコンペなどを通して、「プロの現場」や実際の「仕事の場」を体感できる機会も用意しています。知識の習得にとどまらず、実際の仕事や社会とのつながりを体感できることも大きな特長です。
 
こども建築塾についての詳細は、ホームページをご覧ください。
■ こども建築塾「探究ブック」の内容
今回制作した2冊の探究ブックは、こども建築塾の1年目A日程・B日程に対応した教材で、いずれも「建築の原点をつかむ」をテーマに制作されました。
 
建築の世界に初めて触れる子どもでも読み進めやすいよう工夫しながら、単なる読み物にとどまらず、「問い」を起点に子どもたち自身が考え、行動し、実践していく探究の動きを自然に引き出す構成としています。実際に手を動かして取り組めるミニワークや探究ミッションも掲載し、学びをより深められる内容としました。図やイラスト、写真、余白、見出しにも工夫を凝らし、専門性と親しみやすさを両立。エイスクールがこれまで培ってきた探究学習教材の企画設計・編集デザインの知見を活かし、学びの流れが自然に立ち上がる紙面を目指しました。
1.「そもそも建築って何だろう?」から始まる
建築士の仕事とはどのようなものなのか、人類はいつから建築物をつくるようになったのか、そして建築は長い歴史の中でどのように変化してきたのか。建築の成り立ちや役割を、原点からたどれる内容となっています。
2.建築を観察し、考え、自分で発見する
身近な建物や空間に目を向け、「なぜこうなっているのだろう?」「どんな工夫があるのだろう?」と問いを持てるように構成しました。普段は見過ごしがちな建築の工夫や役割に気づくきっかけをつくり、正解を探すだけでなく、自分なりの視点で建築を捉える力を育みます。
3.建築を“つくる”側に挑戦する
「こんな場所があったらいい」「こんな人のための空間を考えたい」といった発想へつながるよう、建築を自ら構想する立場へと橋渡しする内容も盛り込みました。さらに、パースや図面の描き方、建築模型のつくり方など、建築の世界にふれるための実践的な技術や方法も紹介しています。最終的には、各冊子ごとの探究ミッション(建築提案・模型制作プロジェクト)へとつながる構成になっています。
4.プロの世界を感じ、未来の学びにつなげる
建築士や職人、建築の研究者など、建築のプロへのインタビュー記事を掲載するほか、さまざまな建築の技術や道具も紹介しています。加えて、建築についてさらに深めるための場所や本も取り上げ、子どもたちの興味関心が次の学びへと広がっていく構成としています。
■ エイスクールの探究ブック制作 ~専門領域を、子どもの探究にひらく~
建築は、社会性や公共性、機能性、審美性など、多様な観点が交差する奥深い領域です。一方で、専門性が高いからこそ、子ども向け教材として届けるためには、内容を丁寧に翻訳し、再構成することが欠かせません。
 
今回エイスクールは、こども建築塾が持つ建築・ものづくり教育の知見や現場感を丁寧に受け取りながら、それらを子どもたちの学びにつながる一冊へと編み直す視点で、企画・編集・構成を行いました。建築の専門性を損なうことなく、子どもたちの自然な言葉や問いへと翻訳すること、単なる知識習得にとどまらず、観察・発想・表現へとつながる探究的・創造的な学びを生み出すこと、さらに、こども建築塾の教室での学びをより豊かに発展させることを重視して制作しています。
 
エイスクールはこれまでも、企業・団体とともに、理念や仕事の本質をもとに、教材・プログラム・研修を一貫して企画・制作してきました。「仕事」や「社会」の本質を、子どもたちが体験や実践を通して学べる、好奇心や探究心をひらく教材へと変換・再編集できることが、エイスクールの強みです。
 
<これまでの制作事例>
1. 森づくり自然塾 ワークブック(発行:株式会社三井住友フィナンシャルグループ)
動画を活用しながら環境保全について学ぶ授業と、ネイチャーゲームを通して五感で自然を感じる校外授業という、2つの探究プログラムの補助教材(冊子教材)を制作しました。
2. ものづくりサマーキャンプ ワークブック(発行:土屋鞄製造所)
土屋鞄製造所軽井沢工房を舞台に、鞄づくりの工程や職人の技を学びながら、実際に職人の道具や本物の素材を使って「自分だけの鞄づくり」に挑戦する探究プログラムに連動した冊子教材を制作しました。
3.日本科学未来館 探究学習プログラムガイドブック(発行元:国立研究開発法人科学技術振興機構)
日本科学未来館の展示を活かしながら、「科学技術と社会・未来」について学ぶ探究学習プログラムと、その全体像や活用方法をまとめた教員向けガイドブックを、未来館と共同で開発しました。
お問い合わせ・資料請求はこちら
探究ブック制作にご関心をお持ちの企業・自治体・団体の皆さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご面談の場で、制作事例を詳しくご紹介させていただきます。
【関連イベント案内】
マナビのこれから〈第10回〉探究ブック制作の裏側(4/6 20:30~)