東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)と東京ガスエンジニアリングソリューションズ(社長:小西 康弘、以下「TGES」)は、このたび、株式会社えきまちエナジークリエイト(社長:鈴木 孝子、以下「えきまちエナ」)がTAKANAWA GATEWAY CITYにて本格稼働するエネルギーセンター(以下「本施設」)に、東京ガスが特許を持つ強化学習AI*1のアルゴリズムを実装した「熱源機器 最適制御AI(以下「熱源AI」)」を導入しました。強化学習AIを活用して熱源機器を制御する取り組みは、新設の地域冷暖房施設としては国内初*2です。
本施設は、東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」)が開発し2026年3月28日にグランドオープンを迎えるTAKANAWA GATEWAY CITYをはじめ、近隣の再開発ビル等へのエネルギー供給を担う拠点で、国内最大級の蓄熱槽(20,500m3)と20,000冷凍トン(家庭用エアコン約3.2万台分相当*3)の冷房能力を持つの冷熱源設備を備えています。更に、高度な中央監視装置を導入し、熱需要予測・熱源機器の運転計画立案および制御を行います。
熱源AIは、中央監視装置と連携し、本施設に設置された多種多様な熱源機器の特性を自律的に学習しながら熱源機器が最適に運転するポイントを探索し、出力バランス調整と制御指令をきめ細かく行うことで、省CO2およびエネルギーコストの削減に貢献します。なお、熱源AIを構成する機器の設計と導入は、東京ガスとTGESが行いました。熱源AIと本システムの基盤環境には、東京ガスが開発・販売を手掛けるSCADA*4ソフトウェア「JoyWatcherSuite*5」を活用しています。
TAKANAWA GATEWAY CITYのエネルギーセンターにおける熱源AIのしくみ。
熱源AIは東京ガス・TGESのソリューション事業ブランド「IGNITURE*7」のソリューションの一つで、東京都の令和6年度「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業」にも採択*8されています。オフィスビルや商業施設(延床面積:約5~6万m2、冷却能力1,000~2,000RT規模)を対象として行った実証試験では、制御安定性と約5~6%の高い省エネ効果が確認されました。 東京ガスは、熱源AIに実装するアルゴリズムとして、強化学習AIのみならず、より高い省エネ・省コスト性能を目指し、機械学習や数理最適化を活用した独自のアルゴリズム開発を進めています。今後、本施設における取り組みを通じて培った実績・知見を元に、新設の大規模地冷のみならず、建物ごとに設置されるような比較的小規模かつ既設の熱源施設においても熱源AIの導入を推進し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを進めます。
安全安心なエネルギー供給を実現するとともに、JR東日本グループの目指す心豊かなくらしづくりとサステナブルな環境先導なまちづくりの推進のため、先進的な環境・エネルギー技術を取り入れて、まちの魅力や価値向上に取り組み、地域と社会のより良い未来づくりに貢献していきます。
*1:業務提携先である株式会社エイシングと共同開発。熱源機器最適制御AIの開発に関する基本契約をエイシング社と締結(2024年3月13日東京ガス・TGES発表)
*3:1冷凍トン = 3.52kW 、家庭用エアコン1台 2.2kW = 0.625RTで換算。
*4:Supervisory Control and Data Acquisitionの略。インフラ、工場・ビルの統合的な設備監視・制御及びデータ収集を目的とした自動化システムのこと。
*6:オンサイトで電気をつくり、同時に発生する廃熱を冷房・暖房・給湯・蒸気などに有効利用する分散型エネルギーシステム。さらに本件はTGESのエネルギーサービスによりCGSの遠隔監視とフルメンテナンス対応、最適運用支援を実施。
*8:東京都「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業」に「AIを活用した熱源機器の最適制御」が採択!(2024年10月2日 東京ガス発表)