株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、当社が設計を行った「旧本多邸」が第35回BELCA賞ベストリフォーム部門を受賞しましたことをお知らせします。
1991年に良好な建築ストックの形成に寄与することを目的として設けられた、既存建築物に対する表彰制度です。
長期にわたって適切な維持保全をしたり、優れた改修を実施した既存の建築物について、【ロングライフ部門】と【ベストリフォーム部門】の2部門を設け、特に優秀なものを選考委員会で審議して選び、その関係者が表彰されるものです。
このたび、「旧本多邸」がBELCA賞 ベストリフォーム部門を受賞できたことを、大変光栄に思います。
本プロジェクトは、創設者・久米権九郎の精神を継承し、建築的な価値や技術を後世につなぐとともに、本建物の運営を通じて、地域社会や建築文化に貢献することを目的とした、挑戦的かつ意義深い取り組みでした。その成果をこのような形で評価いただけましたことを、心より嬉しく思っております。
長らく空き家であったことから老朽化が著しく、再生が危ぶまれる状態ではありましたが、歴史的建造物の再生に長けた施工者の皆さまとのご縁を得て、多くの職人の方々の力が結集されたことにより、往時の姿を取り戻すことができました。さらに、調査段階から新たな構造補強方法の考案に至るまでご協力いただいた学術関係者の皆さまのおかげで、「古くて新しい」これからの技術のヒントとなる試みを実践できたことも、私たちにとって大きな成果となりました。
竣工後の本建物は、地域のこどもからお年寄りまでが集う場となり、地域活動の拠点としてその存在が広まりつつあります。単に鑑賞するためだけの建物ではなく、「生きる文化財」として地域に根差し続けることが、地域を耕し、建築やまちづくりに携わる私たち自身の組織文化をも育んでいくものと願っております。今回の受賞を励みに、今後も建築を通じた社会貢献と文化の継承に取り組んでまいります。
旧本多邸は1939年に竣工した木造洋風住宅である。久米設計の創設者の久米権九郎が設計者であること、久米が考案した「久米式耐震木骨構造」が採用されていることが判明し、その文化財的価値の保存と将来的活用を目指し2021年に久米設計が本多家より継承した。保存・改修にあたっては原形・現況の意匠や材料・工法を尊重すること、最大の特徴である久米式耐震木骨構造を活かしながら建物の安全性を確保すること、将来活用に対応できる機能を補うことを軸に工事を行った。 増築部分は撤去し、間仕切りの改変はキッチンやトイレの拡充をはじめ水回りに限定することで、外観・平面ともほぼ原形状態を保存している。浸水・漏水や倒木等による損傷や腐食が深刻な状態であったが、傷んだ部位は丁寧に取り換えや補修を施し、健全な部位は極力再利用しながら工事を進め、大工や左官をはじめとする職人たちの熟練した技術により往時の姿を蘇らせた。
「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。
1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。