行動変容型、機器制御型の2つの実証で「上げDR」効果を確認
「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンに掲げ、エネルギーと暮らしの新しいあり方を追求する株式会社Looop(本社:東京都台東区、代表取締役社長 CEO:中村創一郎、以下「Looop」)は、環境省が実施する「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)の一環として、「令和7年度昼の再エネ余剰電力需要創出モデル実証(市場連動型電気料金プラン)」を実施いたしましたので、その結果をお知らせいたします。なお、Looopは昨年度も同省の「昼の余剰電力需要創出モデル実証」を受託しており、2年連続での受託・実施となりました。
「昼の再エネ余剰電力需要創出モデル実証」メディア発表会より 左から:環境省 地球環境局地球温暖化対策課 デコ活応援隊長(脱炭素ライフスタイル推進室長) 清水延彦 様、隊長補佐 堀越直樹 様、Looop 戦略本部GX推進部 部長 渡邊裕美子、ボストン コンサルティング グループ 伊原彩乃 様
今回の「昼の再エネ余剰電力需要創出モデル実証」で実施した実証の内容と結論は下記の通りです。
(以下の用語の使い方として、「DR」は電力需給のバランスを整えること、「上げDR」は太陽光発電の増加で電気が余る昼間等に電気の消費を促して需要を増やす取組み、「DR量」はDRによって調整できた電力量、「DR行動、行動変容」は消費者がDRに向けた行動をとることを指します。)
 
実証1.Looopでんきアプリを用いた行動変容型DR実証
 
実証内容:Looopの電力小売サービス「Looopでんき」のご契約者に対し、公式モバイルアプリを通じてユーザー特性に応じたDR行動のレコメンドやインセンティブ提供を行い、DR量の変化を検証
 
サンプル数:
●約9,000世帯(一般的なDRグループ、レコメンデーション提供グループ、インセンティブプログラム提供グループの3群を用意し、それぞれ約3,000世帯を割り当て)
○レコメンデーション提供:「参加者が持っている家電の種類に合わせた内容」にてDR行動を促すメッセージを通知(これと比較するため、一般的なDRグループでは一律の内容にてDR行動を促すメッセージを通知)
○インセンティブプログラム提供:ユーザーランク施策を提供:推奨されるタスクを参加者に提示し、達成量が多いほどランクが上昇(一律の内容にてDR行動を促すメッセージも通知)
 
主な検証内容:
1.DR量の検証
2.ユーザーの受容性及び行動変容の実態把握
 
結論:
●1世帯平均のDR量については、統計的に有意に上げDRであると判定された30分コマに限定した場合、一般的なDRグループが0~0.0333kWh/コマ、レコメンデーション提供グループが0~0.0343kWh/コマ、インセンティブプログラム提供グループが0~0.0249kWh/コマであった。統計的に有意に日中における上げDRが観測された日数については、一般的なDRグループが0~3日、レコメンデーション提供グループが0~7日であった。全体的にゆるやかな上げDR傾向が確認され、過半数の参加者がDR行動をとったことが観測された。
●ユーザーの受容性及び行動変容の実態把握について、DR行動の促進要因としては、「稼働時間帯をシフト可能な設備の保有」、「家庭内の協力」等が挙げられた。DR行動を実施できなかった理由としては「昼間の外出」、「稼働時間帯をシフト可能な設備をあまり保有していない」等が挙げられた。
●レコメンデーション提供グループの有意な上げDR日数が比較的多い結果となった。レコメンデーションにより継続して行動変容を実施するハードルを低減する効果があることを示唆している。
●インセンティブプログラム提供グループにおいてDR量は一般的なDRグループおよびレコメンデーション提供グループよりも少ない結果となった。しかしながら、実証期間中のアプリログイン頻度が比較的高く、再生可能エネルギー余剰に対する認知度及び参加意欲が比較的に高いことから、インセンティブプログラムは関心形成と納得感の醸成に寄与し得ることが示唆された。
●今後は、個別最適化された行動提案、効果の見える化と次アクション提示、予約運転・自動制御等を組み合わせ、上げDRの安定性・再現性を高める設計が重要である。
 
実証2.機器制御型DR実証:電気代の安い時間にEVプラグインを促すレコメンデーション(EVレコメンド)、電気代が安い時間にEVとエコキュートの複数機器を自動制御(複数機器制御)
 
実証内容:対象のEV(電気自動車)とエコキュート(ヒートポンプ式給湯器)をお持ちの、Looopの電力小売サービス「Looopでんき」のご契約者に対し、Looopでんきの電力量料金単価(卸電力市場連動価格)の安い時間帯でEV充電とエコキュート沸き上げを自動制御する実証を実施し、かつエコキュートでは自宅の太陽光発電余剰電力を優先的に利用する制御ロジック、複数機器で大量に電気を使うことで契約電力(ピーク)を超過しないようにする制御ロジック(ピークカット)を組み込むことで、DR量の変化と電気代削減効果を検証。市場連動型プランに合わせたEV・エコキュートの自動制御実証は国内初(2025年7月時点 「市場連動型プランに合わせたEV・エコキュートの自動制御実証」Looop調べ)。
EV充電制御(スマート充電)についてはKaluza Japan株式会社と、エコキュート沸き上げ制御については株式会社LiveSmartとそれぞれ連携して実施した。
 
サンプル数:
●124世帯
○内訳:複数機器制御(※) 10名、EV単独制御(※) 52名、エコキュート単独制御 62名 ※電気代の安い時間にEVプラグインを促すメッセージを送信する「EVレコメンド」施策を実施(EV単独制御の実証参加者には約半数に、複数機器制御の実証参加者には全員に)
 
主な検証内容:
1.DR量の検証
2.電気代削減効果の検証
3.ユーザーの受容性及び行動変容の実態把握
 
結論:
●EVレコメンドによる行動変容の実態としては、「通知を見て電気代が安い日に充電するようにした」という意見が多く見られ、一定の行動変容を促していた。一方で、プッシュ通知を見る習慣があまり無い参加者がいる・プッシュ通知への「煩わしい」という感覚を持つ参加者が多い・参加者によって必要な情報が異なること等がレコメンドにおける課題として明らかになった。 定量的には、EV単独制御レコメンドなし群とEV単独制御レコメンドあり群を比較した場合、9~12時の上げDR量はそれぞれ0.10kWh・0.18kWh、12時~14時はそれぞれ0.07kWh・0.24kWhとなっており、レコメンドあり群の方が昼時間帯のDR量が大きい結果となった。一方で、レコメンド配信日のプラグインが多くなるような傾向は見られなかった。EVレコメンド群の方が相対的に日中寄りの充電完了希望時刻の設定が多いため、午前帯・日中帯での上げDRに貢献している可能性がある。
●1世帯平均のDR量について、EVとエコキュートの複数機器制御の日中(9時~17時)における合計DR量は平均0.21kWh/30分であり、12時~14時に限定すると、平均DR量は0.35kWh/30分であった。日中において、EV、エコキュートの単独制御における効果が大きかった時間帯でのDR量は、EV単独制御が平均0.16kWh/30分(12時~14時)、エコキュート単独制御が0.33kWh/30分(12時~14時)であったため、相対的に複数機器の自動制御により日中の上げDRの絶対量が増加した。EVは、参加者の出発時刻までに充電を完了させるという制御の特性上、上げDRが深夜時間帯にも分散するという特徴が見られた。
●1世帯平均の電気代削減効果※1 について、複数機器制御による平均削減額は約100円/日であった(月あたり平均約3,000円、年間では約36,000円に相当)。EV単独制御による平均削減額が全体で約4.71円/日※2(月あたり平均約142円※3、年間では約1,700円に相当)、エコキュート単独制御による平均削減額が約59.1円/日(月あたり平均約1,800円、年間では約2.2万円に相当する)であったため、相対的に複数機器の自動制御により電気代削減効果が増加した。
●ピークカットの機能によって、契約電力(ピーク)の超過を一定程度防ぐ効果を確認した。EV、エコキュートそれぞれの単独制御に比べて複数機器制御のほうが相対的に参加者から得た制御の適切性の評価も高かったことから、複数機器制御をピークカットをしながら自動制御を実施することの正しさを裏付けたものと考える。
●ユーザーの受容性については、EVの充電制御・エコキュート沸き上げ制御共に、参加者は実証期間中、手動での充電や沸き上げをほとんど使用せず自動制御を利用しており、また、「意識せずとも勝手に安い時刻で充電/沸き上げがされているのが便利だった」という肯定的な評価が集まったことで、一定の受容性を確認できた。
●EV制御においては特に追加機器なしで、エコキュート制御においてもHEMSと無線通信用の機器を追加することで、多くの需要家が昼の再エネ余剰にあわせた自動制御実証を利用できることを確認した。
 
※1 電気代削減効果は、エコキュート側については家庭の太陽光発電の利用を加味して計算し、EV側については利用を加味せず全量Looopでんきから買電として計算。このため上記記載のDR量は倍程度だが電気代削減効果は10倍以上の差がある。EV側も、太陽光を所有の参加者については、より大きな削減効果が生じていた可能性がある。
※2 平均削減額約24.2円/セッションに相当。EVについては毎日充電が行われるわけではないため、日単位の節約額は縮小する。
※3 EV充電制御の削減額はプラグイン時刻やアプリでの充電設定、充電頻度にも影響を受けるため参加者での差異が大きく、単月での節約額では800円/月超となる参加者も存在。
 
実証結果の詳細に関しましては下記のレポートをダウンロードの上、ご参照ください。
https://prtimes.jp/a/?f=d58095-179-2f8048a51aa1a7813e2dfe1079c5bd13.pdf
 
Looopは今後も官民の連携を通じ、再生可能エネルギーを最大活用した、新しい豊かな暮らしを提供してまいります。
 
株式会社Looopについて
 
株式会社Looopは、東日本大震災に際し、被災地に太陽光発電で電気を灯し喜んでいただいた経験を基に、2011年4月、「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンに掲げ創業しました。現在は、独自のテクノロジーを活用して電力消費の最適化を提案する電力小売事業(サービス名:Looopでんき)をはじめ、再生可能エネルギー発電所や蓄電池の開発・運用、エネルギーマネジメントを幅広く推進しています。2025年からはスマートホーム事業を本格化。エネルギーデータとAI・IoTを融合させ、エネルギーを「つくる」「使う」だけでなく、暮らしに溶け込み「賢く使いこなす」仕組みを構築することで、人や社会の可能性を広げる新しいエネルギーのあり方を追求しています。
 
設立日:2011年4月4日
本社所在地:東京都台東区上野3丁目24番6号 上野フロンティアタワー(受付17階)
代表者:代表取締役社長CEO/執行役員 中村創一郎
資本金:6,680百万円 ※2026年1月時点
売上高:50,524百万円 ※2025年3月期単体
URL:https://looop.co.jp/