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中長期戦略ではAI活用・マーケティングDXへの関心が急速に高まる
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日本の経営コンサルティングのパイオニアである株式会社タナベコンサルティング(本社:東京都千代田区・大阪市淀川区、代表取締役社長:若松 孝彦)は、全国の企業経営者、役員、経営幹部を対象に実施した「2026年度 企業経営に関するアンケート」の結果を発表いたします。
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1.調査結果サマリー |
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(1)企業規模別の業績見通しでは、2025年度は全企業規模で「増収増益」が最多となりました。一方、2026年度は大企業の「増収増益」が47.3%(前年比▲10.9ポイント)に減少するなど、世界情勢の不確実性を背景に慎重な見方が広がっております。 |
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(2)中長期戦略の重点テーマでは「収益改善」が54.4%で最多となりました。注目すべきは「マーケティングDX」で、前年の7.1%から35.2%へ大幅に上昇しており、成長戦略における顧客接点の高度化への関心が急速に高まっております。 |
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(3)デジタル戦略における経営テーマでは「AI・生成AIの活用」が全企業規模で最上位となり、大企業46.4%、中堅企業48.8%、中小企業46.9%といずれも高水準となっております。 |
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2.各データ詳細 |
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(1)企業規模別の業績見通しについて、2025年度は「増収増益」が最多も、2026年度は慎重な見方が広がる |
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2025年度・2026年度の業績見通しを企業規模別に分析したところ、昨年2025年度アンケートでは、すべての企業規模において「増収増益」が最も高い割合を占め、業績改善への期待感が高いという結果でした。特に大企業では「増収増益」が58.2%と過半数に達しており、比較的安定した成長を見込む姿勢がうかがえました。中堅企業および中小企業でも4割超が増収増益を見込んでおり、内需の下支え効果や戦略分野への投資拡大がプラスに作用していると考えられる結果でした。
一方、2026年度については、大企業で「増収増益」が47.3%(前年比▲10.9ポイント)、中小企業で38.5%(同▲5.6ポイント)に減少するなど、成長期待は後退しております。中堅企業では「増収増益」が43.5%と横ばいで推移する一方、「横ばい」や「不明」の割合が増加しており、世界情勢の不確実性を背景に慎重な見方が広がっている状況です。 |
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(2)2026年度の業績に影響を与える主な要因は「市場の需要」と「コスト構造」が二大要因に |
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業績見通しに影響を与える外部要因を分析したところ、業績の良し悪しにかかわらず「市場の需要」が最も重要な要因として位置づけられていることが明らかになりました。増収増益を見込む企業では「市場の需要」が51.2%と最も高く、需要の回復や拡大を業績成長の前提条件として捉えている状況が示されております。
一方、減収増益(34.1%)、減収減益(16.1%)、増収減益(14.8%)と、業績の先行きに不安を抱える企業では「コスト構造」を挙げる割合が相対的に高く、原材料費や人件費の上昇、固定費負担などが収益確保に影響していることが示唆されます。「競争環境」はいずれの業績見通しにおいても1割台半ばとなっており、「市場の需要」や「コスト構造」と比較すると、短期的な業績見通しに与える影響は相対的に小さい結果となっております。「技術革新」や「規制の変化」についても、現時点では影響度は限定的に捉えられております。 |
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(3)中長期的戦略では「収益改善」が引き続き最重要テーマ、「マーケティングDX」は7.1%→35.2%へ大幅上昇 |
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2026年度以降の中長期的戦略においては、「収益改善」が54.4%と最も高く、2025年(55.6%)に続き最重要課題として位置づけられております。世界経済の減速や先行きの不透明感、原材料費・人件費の上昇といった外部環境を背景に、収益基盤の強化を重視する姿勢が継続しております。注目すべきは「マーケティングDX」の急伸です。前年の7.1%から35.2%へと大幅に上昇しており、成長戦略において既存事業の競争力強化や顧客接点の高度化を重視する動きが強まっております。
また、「組織再編」や「グループ経営・ホールディングス体制構築」も増加しており、経営体制や組織構造の見直しを通じた対応が進んでいることがうかがえます。総じて、企業は収益性の確保を軸に、DXと組織高度化による持続的成長を目指していると考えられます。 |
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(4)ビジネスモデルの再構築に向けた重点テーマは、全企業規模で「コスト構造の見直し」と「差別化」が上位に |
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ビジネスモデルにおける経営テーマを見ると、企業規模を問わず「コスト構造の見直し」と「製品・サービスの差別化」が最上位に挙げられており、原材料費や人件費の上昇といったコスト圧力への対応とともに、競争環境の中で自社の独自性を確立しようとする動きが共通の方向性です。企業規模別に見ると、大企業では「イノベーションの促進」(33.6%)や「パートナーシップの構築」(20.0%)が他規模と比べて高く、外部資源の活用や事業変革を通じた競争力強化を図る姿勢がうかがえます。
中堅企業では「新規市場の開拓」(38.1%)や「新たな収益モデルの導入」(37.0%)が高水準となっているほか、「イノベーションの促進」や「サプライチェーンの最適化」も中小企業を上回っており、既存事業の効率化と並行して事業の広がりや構造変化を意識した取り組みが進められております。中小企業では、大規模な事業変革よりも既存事業や現在の経営資源を前提としながら、収益力の底上げや競争力強化を図る取り組みが中心となっております。 |
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(5)デジタル戦略における経営テーマは「AI・生成AIの活用」が全企業規模で最上位に |
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デジタル戦略における経営テーマを見ると、企業規模を問わず「AI・生成AIの活用」が最上位に位置しており、大企業46.4%、中堅企業48.8%、中小企業46.9%といずれも高水準となっております。あわせて「DXビジョン・戦略の策定・可視化」や「業務プロセスの自動化・効率化」も各規模で上位に挙げられており、デジタル戦略の方向性を定める取り組みと業務変革の具体化が並行して進められていると分かります。
企業規模別に見ると、大企業では「ナレッジや業務ノウハウの共有・活用」(24.5%)が相対的に高く、部門横断でのデータや知見の活用を通じた全社的なDXが進展しております。中堅・中小企業では「業務プロセスの自動化・効率化」や「AI・生成AIの活用」への関心が高く、現場業務の効率化や生産性向上を起点とした実務ベースのデジタル活用が中心となっております。なかでも中堅企業では、戦略設計と現場活用を並行して進める傾向が見られ、全社展開を見据えた段階にあることが特徴的です。 |
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(6)人的資本戦略における経営テーマは、人材育成・採用が引き続き最重要課題、大企業・中堅企業では「定着と活躍」、中小企業は「確保と育成」に注力 |
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人的資本戦略における経営テーマを見ると、企業規模を問わず「人材育成プログラムの充実」や「人材採用戦略の強化」が上位に挙げられており、人材の確保と育成が引き続き経営の重要課題として位置づけられております。特に中堅企業(人材育成53.9%、人材採用52.0%)および中小企業(人材育成57.3%、人材採用49.5%)で高水準となっており、人的基盤の強化が成長や安定経営の前提条件として認識されていることがうかがえます。
企業規模別に見ると、大企業では「従業員エンゲージメントの向上」(39.1%)や「キャリア開発支援の強化」(27.3%)が相対的に高く、人材の定着や中長期的な活躍に重点が置かれております。中堅企業では「人事制度・評価システムの見直し」(40.0%)が高水準となっており、制度整備を通じた人材活躍の高度化へと取り組みが広がりつつあります。 |
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(7)事業ポートフォリオ・M&A戦略では、大企業・中堅企業はM&A活用による成長を志向、中小企業は内部成長・新規事業開発を重視 |
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事業ポートフォリオ・M&A戦略では、「事業ポートフォリオの最適化」と「新規事業開発」がすべての企業規模で高水準となっており、既存事業の見直しと成長分野への展開が共通の関心事項であることがわかります。短期的な業績対応にとどまらず、中長期的な成長を見据えた事業構成の再検討が進められております。企業規模別に見ると、大企業・中堅企業では「シナジー効果の最大化」(大企業43.6%・中堅企業38.6%)や「戦略的M&A候補の探索」(大企業37.3%・中堅企業39.0%)が高く、M&Aを成長戦略の一手段として位置づける動きが見られます。一方、中小企業では資金・人材面の制約を背景に「新規事業開発」(52.0%)や「業界内提携の推進」(24.5%)を通じた内部成長への関心が示されております。 |
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3.総括・提言 |
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〈総括〉 |
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本調査から、企業全体として利益率向上を中心とした業績改善への期待が見られる一方、外部環境の不確実性から、環境変化に応じた柔軟かつ機動的な戦略対応が求められている状況が確認されました。AI活用を含むDXの推進や人的資本投資、事業ポートフォリオの見直しは、企業規模や業種を問わず、競争力の維持・強化に向けた共通の経営テーマとして重要性を増しております。 |
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企業規模別に見ると、大企業では資本効率の改善やM&A、ブランド価値向上など中長期的な価値創出を見据えた取り組みを重視する傾向が見られます。中堅企業は既存事業の強化と新たな成長機会の探索を並行して進める局面にあり、DXや人的資本投資を経営戦略と一体で実行できるかが競争力形成の分岐点となっております。中小企業では、収益基盤の安定や人材確保・育成といった足元の経営課題への対応が優先されております。 |
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〈提言〉 |
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(1)成長段階を踏まえた戦略テーマの優先順位付け |
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短期的な業績対応と中長期的な成長の両立を図るためには、自社の成長段階や事業特性に即した戦略設計が不可欠です。大企業では資本効率の改善やM&Aの活用など中長期的な価値創出につながるテーマを戦略の中核に据えることが重要となります。中堅企業は選択と集中を伴う戦略判断が求められ、中小企業では収益基盤の安定を優先しつつ将来の成長オプションを段階的に検討していくことが望ましいといえます。 |
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(2)DX・人的資本投資を実行可能な形で推進 |
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DXや人的資本投資は多くの企業で重要な経営テーマとして位置づけられておりますが、成果創出のためには実行可能性を重視した推進設計が不可欠です。投資の規模や先進性よりも、業務変革や人材活用にどのようにつなげるかという視点が重要となります。戦略や施策を現場レベルの業務改善や人材育成と結び付け、成果を可視化しながら段階的に展開していくことが求められます。 |
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(3)中長期的な成長を見据えた経営基盤・成長オプションの整備 |
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企業の持続的成長に向けては、足元の業績対策にとどまらず、中長期的な視点で経営基盤を整備し将来の成長オプションを確保していくことが重要です。事業ポートフォリオの見直しやM&A、アライアンスといった戦略的選択は、環境変化への対応力を高める有効な手段となります。経営管理体制や意思決定プロセスを段階的に高度化し、戦略の実行力を高めていくことが求められます。 |
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〈総括・提言 執筆者プロフィール〉 |
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株式会社タナベコンサルティング 戦略総合研究所 本部長 細江 一樹 |
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大学卒業後、商社の企画営業を経て、当社に入社。大阪本社と北海道支社にて、地域の大企業から中堅企業のコンサルティングに従事。特に、学校・教育業界における経営改革やマネジメントシステム構築を強みとしており、大学、専門学校、高等学校、こども園などにおいて、経営改革の実績を持つ。 また、専門としてHR分野に強く、「人事制度で人を育てる」をモットーに、制度構築を通じた人材育成はもちろんのこと、高齢者・女性の活躍を推進する制度の導入などを通じ、社員総活躍の場を広げるコンサルティングでも高い評価を得ている。 |
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4.関連リンク |
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・「2026年度 企業経営に関するアンケート」資料ダウンロードページ |
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URL:https://www.tanabeconsulting.co.jp/vision/document/detail93.html
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5.調査概要 |
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[調査方法]インターネットによる回答 |
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[調査期間] 2025年12月1日~12月19日 |
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[調査エリア] 全国 |
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[有効回答数] 1,920件 |
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※各図表の構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。 |
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※本調査では、アンケートにご回答いただいた企業において、従業員規模が2,001人以上の企業を大企業、100人超~2,000人以下の企業を中堅企業、100人以下の企業を中小企業として分類し、分析を行いました。 |
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TCGは、1957年創業の東証プライム市場に上場する日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、未来の社会に向けた貢献価値として「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパスを掲げております。現在は、グループ8社、約900名のプロフェッショナル人材を有する経営コンサルティンググループとなり、国内外の中堅企業を中心とした大企業から中規模企業のトップマネジメント(経営者層)を主要顧客とし、創業以来18,900社以上の支援実績を有しております。 |
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トップマネジメントアプローチで経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、チームコンサルティングにより経営の上流から下流までを一気通貫で支援する唯一無二の経営コンサルティングモデルを国内地域密着のみならず、グローバルへと展開しております。 |
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「2026年度 企業経営に関するアンケート」の結果を発表いたします。
(1)企業規模別の業績見通しでは、2025年度は全企業規模で「増収増益」が最多となりました。一方、2026年度は大企業の「増収増益」が47.3%(前年比▲10.9ポイント)に減少するなど、世界情勢の不確実性を背景に慎重な見方が広がっております。
(2)中長期戦略の重点テーマでは「収益改善」が54.4%で最多となりました。注目すべきは「マーケティングDX」で、前年の7.1%から35.2%へ大幅に上昇しており、成長戦略における顧客接点の高度化への関心が急速に高まっております。
(3)デジタル戦略における経営テーマでは「AI・生成AIの活用」が全企業規模で最上位となり、大企業46.4%、中堅企業48.8%、中小企業46.9%といずれも高水準となっております。