AI時代に重要になる「判断」を経験する機会が、企業の仕事の中で減少。AIが知識や手順を担う一方で、企業では状況に応じて考える経験をどのように育てるかが新たな人材育成課題となっています。
生成AIの普及と業務効率化により、企業では前例や手順で進める仕事が増加。その一方で、状況に応じて考える「判断経験」が減少していることが明らかになりました。AI時代の人材育成では、管理職が部下の判断経験を仕事の中で設計する役割が重要になります。
組織行動科学(R)を提供するリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は、企業における「判断経験」の変化について分析した調査結果を公開しました。
 
本分析は、当社が人的資本開発支援を行ってきた 980社・33.8万人の業務経験データを対象に、2022年から2025年にかけて定点観測したものです。
分析の結果、企業の82%で仕事の中の「判断経験」が減少していることが確認されました。
※ 詳細は以下を参照してください。
調査レポート公開:企業の82%で、AI時代に必須の「判断経験」が減少。33.8万人・980社の分析から、AI時代の人材育成課題を公開(組織行動科学(R))
また、管理職の72%が「部下の判断機会が減っている」と感じていることも明らかになりました。
調査結果(要点)
今回の分析では、企業の業務経験データおよび管理職調査から、以下の傾向が確認されました。
 
企業の82%で判断経験が減少
 
管理職の72%が「部下の判断機会が減っている」と実感
 
前例・手順で進める仕事が増加
 
これらの結果から、企業では 判断を経験する機会そのものが減少していることが示唆されます。
なぜ判断経験が減っているのか
近年、生成AIの普及により、文章作成・資料作成・情報整理・問い合わせ対応などの業務は急速に自動化されつつあります。
 
さらに企業では、標準化・マニュアル化・IT化・働き方改革が進み、多くの仕事が 前例や手順を適用すれば進められる業務へと変化してきました。このような仕事は 知識として教えることができる仕事であり、AIによる代替が進みやすい領域でもあります。
 
その結果、部下は業務を効率よく進められる一方で、状況を見て考え、優先順位を決め、判断する機会を得にくくなっています。つまり企業では、仕事の効率化が進むほど判断を経験する機会そのものが減少するという構造が生まれています。
AI時代に残る仕事は「判断」
一方で企業の現場では、
顧客ニーズの多様化
人口減少による市場縮小
案件ごとの条件差
などにより、前例だけでは対応できない仕事も増えています。こうした仕事では、
何を優先するのか
どのリスクを取るのか
どこに価値を置くのか
といった 状況に応じた判断が必要になります。
これらの判断は、知識として教えることではなく、経験の中でしか習得できない能力です。
AI時代、管理職の役割は「判断する人」から「判断経験を設計する人」へ
今回の調査では、管理職の72%が「部下の判断機会が減っている」と感じていることが確認されました。これは多くの企業で部下が判断経験を積む機会そのものが減少していることを示しています。
 
AI時代においては、管理職がすべて判断するのではなく、部下が判断経験を積める仕事を意図的に設計することが重要になります。
 
つまり管理職の役割は、「判断する人」から「部下の判断経験を設計する人」へと変化していると考えられます。
AI時代の仕事構造
AIが担う仕事 人が担う仕事人が担う仕事
知識 優先順位判断
手順 リスク判断
前例 価値判断
調査概要
調査期間:2022年~2025年(定点観測)
対象企業:980社
対象人数:33.8万人
調査方法:企業の業務経験データ分析および管理職調査
リクエスト株式会社では、AI時代の人材育成において重要なのは、知識研修だけではなく、実務の中で判断経験を設計することだと考えています。
 
企業の仕事構造が変化する中で、管理職には、部下が判断経験を積める仕事を意図的に設計し、判断できる人材を育てる役割が求められています
AI時代、企業競争力を左右するのは「判断できる人材」です。
■ 会社概要
リクエスト株式会社
コーポレートサイト:https://requestgroup.jp
会社案内:https://requestgroup.jp/corporateprofile
代表取締役 甲畑智康:https://requestgroup.jp/profile
E-mail:request@requestgroup.jp
 
リクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は「より善くを目的に」を掲げ、33.8万人の働く人のデータに基づいた 組織行動科学(R) を基盤に、7つの研究機関が980社を支援している企業です。
組織行動科学(R)は組織で働く私達の思考と行動が「なぜ起こり」「なぜ続くのか」を事業環境と経験から解明し、より善く再現する手段です。

生成AIの普及と業務効率化により、企業では前例や手順で進める仕事が増加。その一方で、状況に応じて考える「判断経験」が減少していることが明らかになりました。AI時代の人材育成では、管理職が部下の判断経験を仕事の中で設計する役割が重要になります。