1. はじめに

 

既婚者コミュニティを運営するレゾンデートル株式会社(東京都渋谷区)が実施した「セックスレス“じゃない”夫婦の実態調査」の報告です。
 

本調査は、インターネット上で一般の既婚男女を対象に実施したもので、対象者のなかから月1回以上の頻度でパートナーと性行為をし、かつ、子どもがいると回答した既婚男女466人を抽出して分析を行いました。
 

これまでの調査では、セックスレス“じゃない”夫婦の多くが、性行為の有無とは切り分けた形で日常的なスキンシップを取っていること、また、現在の性生活をおおむね肯定的に受け止めていることが明らかになりました。
 

一方で、満足している理由やセックスに対する価値の置き方には男女差があり、男性では自分自身の満足感や気分転換と結びつけてとらえる傾向が見られるのに対し、女性では関係性の維持や情緒的なつながりを重視する傾向が確認されています。
 

これらの結果から、セックスレス“じゃない”という状態は、単に性行為の頻度が保たれていることを意味するのではなく、夫婦それぞれが価値観や気持ちの違いを調整しながら関係を続けている状態である可能性がうかがえました。

 

そこで第3報(最終報告)となる本記事では、子どもがいるセックスレス“じゃない”夫婦に焦点を当て、出産や育児という大きなライフイベントを経た後、性生活の頻度は妊娠前と比べてどのように変化しているのか、また、どのようなプロセスを経て性行為を再開しているのかについて深堀りしていきます。

 

なお、本記事では「セックスレス」という言葉について、日本性科学会が示している定義を参考として扱います。

同学会では、セックスレスを

「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交やセクシャル・コンタクトがいずれも1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」

と定義しています(※1)
 

(※1)日本性科学会「セックスレスの定義」(https://sexology.jp/sexless/

 

<調査概要> 

・調査タイトル:セックスレス“じゃない”夫婦の実態調査 第3報

・調査期間:2025年12月15日〜12月28日 

・調査対象者:20〜59歳の月1回以上の頻度でパートナーと性行為をしており、かつ、子どもがいると回答した既婚男女466人

・調査⽅法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利⽤) 

・エリア:全国 

・調査機関:レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/) 

・調査報告の掲載:既婚者の男女関係に関する調査

・本報告の発表⽇:2026年3⽉3⽇
 

<調査対象者について>

下表の通り男女、各年代とも均等なサンプルになっています。

 

男性(256人)

女性(210人)

20代

54人(21.1%)

45人(21.4%)

30代

67人(26.2%)

55人(26.2%)

40代

68人(26.6%)

53人(25.2%)

50代

67人(26.2%)

57人(27.1%)

 

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2. 出産後、性行為の頻度はどのように変化したのか?

 

まず、子どもがいるセックスレス“じゃない”既婚者について、出産後の性行為頻度の変化を年代別に見ていくと、年代が上がるにつれて「増えた」(やや増えた/大きく増えた)と回答する割合は低下する傾向が見られました。

 

一方で、「減った」(やや減った/大きく減った)と回答した割合は、20代では38.4%にとどまっていますが、30代以降ではいずれの年代もおおむね半数前後となっています(30代:51.7%、40代:47.9%、50代:52.5%)。特に20代と30代の間で約13ポイントの差が生じており、出産後の性生活の受け止め方に一定の変化が見られることが分かります。

 

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一般的には、出産後は育児負担や身体的変化の影響により、性行為の頻度は減少する、あるいは多くても現状維持にとどまるというイメージが強いと考えられます。本調査でも、30代以降では「減った」と回答した人が半数前後を占めており、この見方とおおむね整合する結果となっています。
 

しかし同時に注目すべきなのは、すべての年代で「増えた」と回答している人が一定数存在している点です。特に20代では、「やや増えた」「大きく増えた」の合計が38.4%と高く、出産後にもかかわらず、性生活が活発化したと感じている層が若年層では決して少なくないことが分かります。
 

その背景としてまず考えられるのは、妊娠中に控えていた性行為を出産後に再開したことによる反動や、子どもがまだ幼く、生活リズムを比較的柔軟に調整しやすい時期であることです。加えて、第一子出産をきっかけに夫婦の関係性が再構築され、育児という新たな役割を共有する中で心理的な結びつきが強まるケースも考えられます。

 

こうした点を踏まえると、出産は必ずしも性生活の停滞を意味するものではなく、夫婦によっては関係性を再確認する契機となっている可能性も示唆されます。
 

一方で、30代以降では仕事と育児の両立、子どもの人数の増加、体力的な変化など複数の要因が重なり、結果として頻度が減少するケースが多くなっていると考えられます。とりわけ50代では減少と回答する割合が再び高まっており、出産後の影響に加え、加齢による要素も関係している可能性が示唆されます。

 

このように、出産後の性生活は、多くの年代で減少が優勢である一方、若年層では増加と減少が拮抗しており、必ずしも一方向に変化するものではないことが分かります。出産という出来事が性生活に与える影響は、夫婦の年齢や生活環境によってその現れ方が異なっていると考えられるでしょう。
 

では、子どもがいながらセックスレス“じゃない”本調査の対象者たちは、出産後、どのようにして性行為を再開したのでしょうか。時間の経過とともに自然に戻ったのか、それとも何らかの工夫や話し合いがあったのか。次に、出産後の再開のプロセスについて整理していきます。

 

3. 出産後どのように性行為を再開したのか?

 

子どものいるセックスレス“じゃない”夫婦が、出産後にどのような形で性行為を再開したのかを年代別に見ていきます。

 

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まず全体として目立つのは、「自然な流れで再開した」という回答が各年代で最も高い水準にある点です。20代で32.3%、30代で33.6%、40代で38.0%、50代では41.1%と、年代が上がるにつれてやや高まる傾向も見られます。多くの夫婦が意識的な段取りよりも、時間の経過の中で自然に再開しているケースが少なくないことが分かります。
 

また、「再開しやすいタイミングを工夫した」は各年代でおおむね4人に1人前後と大きな差はなく、子どもが寝た後など生活リズムの中で機会を見つける工夫は、世代を問わず共通していることが分かります。

 

一方で、年代差が比較的はっきり表れているのは、「不安や気持ちを会話で共有した」や「家事や育児の負担を調整して負荷を減らした」といった項目です。これらは30代で比較的高い割合を示す一方、50代では低下しています。特に「不安や気持ちを会話で共有した」は、20代17.2%、30代21.3%に対し、50代では4.0%にとどまっています。

 

つまり、若い世代ほど再開にあたって言葉での確認や役割の分担を意識的に行う傾向がある一方、年代が上がるにつれて、そうしたプロセスを経ないケースが増えている可能性がうかがえます。

 

これらの結果から、出産後の再開には決まった正解があるわけではなく、夫婦ごとに異なるプロセスが選ばれていることが分かるでしょう。時間の経過の中で自然に戻るケースもあれば、会話や役割の分担を通じて環境を整えるケースもあるというわけです。
 

いずれにしても、出産という大きなライフイベントの後も性生活を続けている夫婦は、単に頻度を保っているのではなく、変化した生活環境の中で、それぞれの状況に応じた調整や工夫を重ねている様子がうかがえます。この辺りの配慮が、出産後にセックスレスになる夫婦と、そうでない夫婦の違いかもしれません。


 

4. まとめ
 

本調査では、月1回以上の頻度で性行為を行っている、いわゆるセックスレス“じゃない”夫婦のうち、子どもがいる既婚男女466人を対象に、出産後の性生活の変化と再開のプロセスを整理しました。

 

その結果、出産後の性生活は単純に減少するとは言い切れないことが明らかになりました。30代以降では「減った」と回答した人が半数前後を占める一方、20代では増加と減少が拮抗しており、出産後に性生活が活発化したと感じている層も一定数存在していました。出産という出来事が与える影響は、夫婦の年齢や生活環境によって異なる形で現れていることが分かります。
 

また、再開のプロセスについても一様ではありませんでした。「自然な流れで再開した」とする回答が各年代で最も高い水準にある一方で、体調の回復を待つ、タイミングを工夫する、会話や役割調整を行うなど、さまざまな方法が選ばれています。若年層では言葉による確認や負担の調整が比較的多く見られ、年代が上がるにつれて「自然な流れ」とする割合が高まる傾向も確認されました。
 

これまでの調査結果をあわせて見ると、セックスレス“じゃない”夫婦の実態として浮かび上がるのは、単に頻度が維持されているという事実以上に、変化する生活環境の中で夫婦がその都度折り合いをつけながら性生活を調整し続けているという点です。

 

出産という大きな転機の後も性生活を続けている夫婦は、環境の変化に応じて関係のあり方を組み直しています。そこには「増えた」「減った」といった単純な増減を超えて、それぞれの夫婦なりの向き合い方の違いが表れています。
 

本シリーズを通して見えてきたのは、セックスレスという言葉だけではとらえきれない、夫婦関係の多様な実態です。性生活は固定的なものではなく、年齢やライフステージに応じて揺れ動きながらも、その都度かたちを変えて続いていくものでもあります。

 

本調査が、現代の夫婦関係をより立体的に理解する一助となれば幸いです。

 

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◎調査の目的 

私どもレゾンデートル株式会社(東京都渋谷区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発企業です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。

 

◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ 

今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。 

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担当:浦野