|
医療、介護、保育サービスなどを全国で提供する株式会社ニチイ学館(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員:中川 創太)は、介護士がどのような業務に負担を感じ、どのような解決策を必要としているかを詳細に把握することを目的として、ニチイグループで働く介護職員11,120人を対象にアンケート調査を行いました。このたび結果分析が完了しましたので発表いたします。 |
|
|
|
|
|
|
|
当社は2025年4月、介護人材不足の解消や現場負担の軽減につながるテクノロジー活用を検討する研究組織として、「GENBA SMILE Lab(ゲンバ スマイル ラボ)」を設立し、活動を進めています。本調査はその取り組みの一環として実施したもので、数字の集計のみならず自由記述の回答をもとにしたテキストマイニング方式の分析も行い、課題を深掘りしました。今後はGENBA SMILE Labが中心となり、明らかになった課題を踏まえて、介護現場の実情に即したテクノロジー活用の在り方を検討し、実証や検証を重ねながら、課題解決に向けた取り組みを推進してまいります。 |
|
|
|
【アンケート調査 概要】 |
|
|
|
調査名 :介護の仕事で感じる負担・課題に関するアンケート調査 |
|
調査方法:インターネット調査(アンケートフォームを活用した社内アンケート調査) |
|
調査期間:2025年6月~7月 |
|
回答者数:ニチイグループの介護職員11,120人 |
|
|
|
<ポイント> |
|
●介護の仕事の中で、負担が大きいと感じる業務1位は「移乗支援」19.8%、2位は「スタッフ自身の移動」17.6%。 |
|
●サービスごとに負担と感じる業務の順位が変動。通所介護(デイサービス)と認知症対応型共同生活介護(グループホーム)では「移乗支援」が1位だが、訪問介護では「スタッフ自身の移動」が1位に。 |
|
●「移乗支援」を最も大きな負担と感じる比率は、50~70代で上昇。 |
|
●テキストマイニングを用いた分析で、通所介護の「入浴支援」の課題は浴室環境や暑さと判明。 |
|
●訪問介護の「スタッフ自身の移動」の具体的な課題は「移動時間・効率性」で9割超に。 |
|
|
|
|
|
【I. アンケート調査結果】 ※n=11,120人 |
|
|
|
1. 介護業務の中で、“最も”「負担が大きい」「課題である」と感じる業務(単数回答) |
|
介護の業務の中で“最も”「負担が大きい」「課題である」と感じられる業務について尋ねたところ、一番多かったのは、利用者様のベッド・車椅子・便座などへの移動の手助けをする「移乗支援」で、全体の約2割(19.8%)を占めました。 |
|
次いで、利用者様の居宅を訪ねてサービスを行う訪問介護の「スタッフ自身の移動」が約18%、入浴の介助を行う「入浴支援」が約12%となりました。 |
|
一方、「特になし(負担に感じる業務はない)」と答えた人も約14%いました。 |
|
|
|
|
|
|
|
2. 従事しているサービス別の負担の内訳 |
|
1.であげられた「負担が大きい」「課題である」と感じる業務について、サービスごとに内訳を出してみました。特にニチイグループで従事者が多い通所介護 (11.7%)、訪問介護(59.9%)、認知症対応型共同生活介護(11.2%)の3つについて比較してみると、サービスによる違いが見られました。※サービスごとの内訳は、下記の回答者属性をご参照ください。 |
|
施設に利用者様を迎えてサービスを行う通所介護では、「移乗支援」が最も多く(28.6%)、次いで「入浴支援」(19.1%)となりました。訪問介護では、「スタッフ自身の移動」が最も多くなり(28.2%)、「移乗支援」(17.7%)を10.5ポイント上回りました。認知症の利用者様の共同生活を支援する認知症対応型共同生活介護では、通所介護と同様に「移乗支援」が22.3%で最も多いものの、「見守り・コミュニケーション」(16.2%)、「徘徊防止」(16.1%)も高い比率となりました。 |
|
|
|
|
|
|
※本グラフでは、割合が0%となった項目は、視認性向上のため表示を省略しています。 |
|
|
|
|
|
|
3. 性別ごとの負担の内訳 |
|
1.であげられた「負担が大きい」「課題である」と感じる業務について、性別による違いを見てみました。 |
|
男性は、1位「移乗支援」、2位「徘徊防止」、3位「入浴支援」の順となりました。 |
|
女性は、1位「移乗支援」、2位「スタッフ自身の移動」、3位「入浴支援」となりましたが、1位と2位は拮抗した比率となっています。下記の回答者属性の通り、ニチイグループでは訪問介護を行う女性職員が非常に多いため、訪問介護に紐づく「スタッフ自身の移動」が男性の4.8%を大きく上回る結果となっていると推測されます。 |
|
|
|
|
|
|
|
4. 年齢別の負担の内訳 |
|
1.であげられた「負担が大きい」「課題である」と感じる業務について、年齢別の違いを見てみました。 |
|
ほぼ全ての年代で、「移乗支援」が最も高い比率となっています。40代のみ「スタッフ自身の移動」が上回っていますが、その差はわずか0.7ポイントです。 |
|
「移乗支援」は、10~40代よりも50~70代で比率が上がっています。 |
|
下記の回答者属性の通り、年齢が上がるにつれ訪問介護従事者が増えていますが、訪問介護に紐づく「スタッフ自身の移動」の比率は、70代で減少し13.8%にとどまっています。 |
|
更に、70代では「特になし」が23.9%と最も大きな比率となっています。 |
|
|
|
|
|
|
|
5. 経験年数別の負担の内訳 |
|
1.であげられた「負担が大きい」「課題である」と感じる業務について、経験年数別の違いを見てみました。 |
|
ほぼ全ての経験年数で1位「移乗支援」、2位「スタッフ自身の移動」、3位「入浴支援」となりました。1年以上3年未満のみ、「スタッフ自身の移動」が「移乗支援」を上回っていますが、その差はわずか0.6ポイントです。 |
|
この結果からは、経験年数が増えスキルを身に付けることによって負担が下がるといった関連性は見られませんでした。 |
|
|
|
|
|
|
|
【II. テキストマイニングによる集計結果】 |
|
|
|
当調査では、各サービスにおける主要な負担(上位1位・2位)について、自由記述の回答からテキストマイニング方式で原因分析を行いました。例えば、自由記述内に「腰痛」「体力」「きつい」といったワードがあれば、それは「身体的負担」に分類できます。そういった検索キーワードを予め設定したうえで、各業務のどの部分に負担を感じているかを深掘りしています。この手法をとることにより、数字だけでは見えない本音や負担の詳細を読み取ることができます。 |
|
以下に、ニチイグループ内で従事する職員が多い通所介護、訪問介護、認知症対応型共同生活介護の3つのサービスの結果について記載します。 |
|
|
|
1-1. 通所介護における「移乗支援」の課題について |
|
通所介護サービスに従事する職員の中で、「移乗支援」を課題としてあげた663人の回答を分析しました。 |
|
その結果、「移乗支援」という業務を通して感じる負担の中で最も多かったのは「腰痛・身体的負担」(65.2%)となりました。また、「移乗支援」の負担が、自身の「移乗技術・スキル不足」によるとする回答も約4割(36.3%)となりました。 |
|
|
|
|
|
|
|
1-2. 通所介護における「入浴支援」の課題について |
|
通所介護サービスに従事する職員の中で、「入浴支援」を課題としてあげた621人の回答を分析しました。 |
|
その結果、「入浴支援」という業務を通して感じる負担の中で最も多かったのは「暑さ・体力的負担」(60.1%)となりました。また、「入浴支援」の負担が、「浴室環境・設備の課題」によるとする回答もわずか3.3ポイント差の56.8%となりました。 |
|
「入浴支援」の負担は、体力面以外に、広さや暑さなどの環境によるものが大きいことがわかりました。 |
|
|
|
|
|
|
|
2-1. 訪問介護における「スタッフ自身の移動」の課題について |
|
訪問介護サービスに従事する職員の中で、「スタッフ自身の移動」を課題としてあげた3,209人の回答を分析しました。 |
|
その結果、「スタッフ自身の移動」という負担の中で最も多かったのは「移動時間・効率性」で、93.7%にまで達しました。 |
|
|
|
|
|
|
|
2-2. 訪問介護における「移乗支援」の課題について |
|
訪問介護サービスに従事する職員の中で、「移乗支援」を課題としてあげた2,402人の回答を分析しました。 |
|
その結果、「移乗支援」という業務を通して感じる負担の中で最も多かったのは「身体的負担・腰痛」で75.6%に達しました。通所介護では「移乗技術・スキル不足」によるとする回答も約4割ありましたが、訪問介護では「技術・経験不足」は2割弱(19.1%)にとどまりました。 |
|
|
|
|
|
|
|
3-1. 認知症対応型共同生活介護における「移乗支援」の課題について |
|
認知症対応型共同生活介護サービスに従事する職員の中で、「移乗支援」を課題としてあげた540人の回答を分析しました。 |
|
その結果、「移乗支援」という業務を通して感じる負担の中で最も多かったのは「身体的負担」で80.9%に達しました。また、「移乗支援」の負担が、自身の「技術・経験不足」によるとする回答も約3割(28.7%)ありました。 |
|
|
|
|
|
|
|
3-2. 認知症対応型共同生活介護における「見守り・コミュニケーション」の課題について |
|
認知症対応型共同生活介護サービスに従事する職員の中で、「見守り・コミュニケーション」を課題としてあげた477人の回答を分析しました。 |
|
その結果、「見守り・コミュニケーション」という業務を通して感じる負担の中で多かったのは「人員・時間不足」(63.3%)と「設備・環境問題」(60.6%)となりました。また、「コミュニケーション困難」によるものとする回答も約5割(48.8%)となりました。 |
|
|
|
|
|
|
|
【総括】 |
|
GENBA SMILE Lab所長 松本裕美子 |
|
昨年立ち上げた研究組織「GENBA SMILE Lab」では、ニチイグループの介護職員に加え、多様なパートナーと連携しながら、介護現場で今まさに直面しているリアルな課題の解決につながるテクノロジーの検討・検証を進めています。この活動の中で行った介護職員との議論を通じて、的確な解決策を提供するためには介護現場の課題をより深く、具体的に把握する必要があると認識したことから、このたびの「介護業務における負担・課題」に焦点を当てたアンケート調査を実施するに至りました。 |
|
|
|
本調査では、自由記述回答に対するテキストマイニング方式を取り入れ、単なる数字の集計にとどまらず、各負担・課題の背景について深い分析を行いました。ニチイグループの介護職員の約6割を占める訪問介護サービス従事者が、最も「負担が大きい」「課題である」と感じている業務は「スタッフ自身の移動」という結果でしたが、その課題を深掘りすると、時間や効率の問題が浮き彫りになりました。 |
|
|
|
一方、通所介護における課題では、「入浴支援」が「移乗支援」に次ぎ2位となりました。こちらも深掘りした結果、利用者様の移乗などの身体的負担に加え、高温多湿といった作業環境そのものが、大きな負担となっている実情が明らかになりました。 |
|
|
|
当社では、今回の調査結果を受け、各業務における負担や課題に対する具体的な対応策の検討をすでに開始しています。 |
|
さらに「GENBA SMILE Lab」では、テクノロジーを軸とした課題解決を目指す研究組織として、現場の業務改善・職場環境に資する実践的・実用的なテクノロジーの活用方法の検討を進めています。 |
|
|
|
ニチイグループはこうした活動を通じ、今後も現場の声に真摯に向き合い、介護職員の負担軽減と、より質の高い介護サービスの実現に向けて、継続的に取り組んでまいります。 |
|
|
|
|
|
<回答者属性>※n=11,120人 |
|
|
|
当アンケート調査は、ニチイグループである(株)ニチイ学館および(株)ニチイケアパレスに勤務する介護職員を対象として実施しました。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
※本グラフでは、割合が1%と未満となった項目は、視認性向上のため表示を省略しています。 |
|
|
|
|
|
|
【会社概要】 |
|
医療関連事業・介護事業・保育事業を中心に、地域に根差した包括的サービスを全国で提供する総合生活支援企業。全国で約6,000件の医療機関へのサービス提供、約1,900の介護事業所運営の他、人材養成では50年以上にわたり 200万人以上の医療・介護分野のプロフェッショナルを輩出しています。 |
|
|
|
[社 名] 株式会社ニチイ学館(NICHIIGAKKAN CO., LTD.) |
|
[代表者] 代表取締役社長 社長執行役員 中川 創太 |
|
[所在地] 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ |
|
[創業年月] 1968年12月 |
|
[設立年月] 1973年8月 |
|
[事業内容] 医療関連事業・介護事業・保育事業・ヘルスケア事業 |
|
[U R L] |
|
コーポレートサイト:https://www.nichiigakkan.co.jp/
|
|
GENBA SMILE Labサイト:https://genbasmilelab.jp/ |
|