| ~「指示待ち」から「自ら判断する」へ転換する新手法『避難訓練2.0』の実効性を実証~ |
| 【サマリー】 | |||||||||||
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特定非営利活動法人 減災教育普及協会(理事長:江夏猛史)は、日本大学危機管理学部 秦康範教授と共同で、第57回地域安全学会研究発表会にて、研究成果「避難訓練2.0-安全の原理原則に基づくRisk to Action型訓練の社会実装に向けて」 を発表しました。 |
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| https://prtimes.jp/a/?f=d145929-14-c20370bb98e6600e42c0ee8a4fdf6788.pdf | |||||||||||
| 研究で明らかになった事実 | |||||||||||
| 本研究で明らかになったのは、「想定を知ったことで、これまでの避難訓練が“想定にさえ足りていなかった”と現場が初めて認識した」という事実です。 | |||||||||||
| 静岡県内の保育者(161園・743名)を対象とした調査 | |||||||||||
| ・ 園の備えについて | |||||||||||
| 「想定にさえ足りていない」54%(400名) | |||||||||||
| ・ 想定される地震の震度・継続時間について | |||||||||||
| 「知らなかった」60% | |||||||||||
| 「想像していたものと異なっていた」25% | |||||||||||
| この“気づき”が起きない限り、訓練は改善されません。 | |||||||||||
| なぜ、避難訓練は30年以上変わらなかったのか | |||||||||||
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日本の避難訓練は長年、放送や教員の指示に従って一斉に動く形式が中心でした。 その結果、地域で想定されている災害の実態(リスク)と訓練内容を比較する機会がなく、想定とズレた訓練であっても「正解」として繰り返される構造が固定化してきました。 |
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本研究は、この停滞の原因を「現場の努力不足」ではなく、正しく恐れるための情報と、正しく備えるための評価の視点が欠けていた構造的問題として捉えています。 なお、保育者や教師は、その養成段階において、災害想定やリスク評価に関する専門的知識を体系的に学ぶ機会が限られていることが、先行研究でも指摘されています。 |
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| 解決策:避難訓練2.0(Risk to Action) | |||||||||||
| 本研究では、地域の災害想定(ハザード・被害)を起点に行動を再設計する『避難訓練2.0(Risk to Action)』という考え方を提示しました。 | |||||||||||
| これは、特定の姿勢や行動を正解とするのではなく、安全の原理原則に基づき、想定されるリスクに合わせて行動を選択するという考え方に立ち戻り、訓練が実際の災害時に機能するかを見直す枠組みです。 | |||||||||||
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| 実証結果:現場は「足りていない」と気づいた | |||||||||||
| 本研究における調査および実証は、地域および発達段階に応じて段階的に実施されています。 | |||||||||||
| 防災教育の出発点である保育施設では、静岡県内の施設を対象に調査・実証を行いました。 | |||||||||||
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結果 ・ 避難訓練の改善は「必要」:99% ・ 専門的・継続的な支援を「受けたい」:97% |
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重要なのは、「改善できたか」ではなく、これまでの訓練が、地域で想定されている災害に対して足りていなかったと、現場が自ら認識できた点にあります。 想定と比較できる視点を持ったことで、初めて改善に向けた検討が始まりました。 |
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| 現場での変化(地域・発達段階別の事例) | |||||||||||
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静岡県(保育施設) 保育現場において、画一的な姿勢や行動の指導に依存せず、周囲の状況を確認しながら回避行動を選ぶ指導へと方針転換が見られました。 |
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他地域での実践(小学生~中学生) 小学校・中学校段階では、想定される被害を踏まえた判断力の育成や、状況に応じた行動選択を重視した実践が行われています。 |
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| これらの結果から、防災教育は発達段階に応じて設計される必要があることが示唆されました。 | |||||||||||
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| 研究者コメント | |||||||||||
| 江夏猛史(NPO法人 減災教育普及協会、日本大学危機管理学研究所研究協力員) | |||||||||||
| 「現場で一番大きかったのは、想定を知ったことで、これまでの訓練が想定にさえ足りていなかったと気づけたことです。改善は簡単ではありません。だからこそ、比較できる状態をつくり、評価し、次につなげる。避難訓練を儀式で終わらせないためのアップデートを進めていきます。」 | |||||||||||
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秦 康範(日本大学 危機管理学部) 「避難訓練が変わらないのは、個人の資質ではなく、設計と評価の問題です。災害の実態と訓練が結びつかなければ、善意であっても誤りは温存されます。本研究は、訓練を本番に耐えうる内容へ更新するための学術的提言です。」 |
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| 関連資料 | |||||||||||
| 本研究の基礎となる、「標語(おかしも)」や「ポーズ(ダンゴムシ)」の有効性とリスクに関する検証論文、および本研究の背景を綴った寄稿文です。 | |||||||||||
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1. 学術論文: 地震時の身を守るための標語とポーズに関する一考察:「おかしも(おはしも)」と「ダンゴムシのポーズ」に着目して (第56回地域安全学会梗概集, No.56, pp.327-328, 2025) |
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| https://prtimes.jp/a/?f=d145929-14-87996c2a7550cbc7039e1036825e9346.pdf | |||||||||||
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2. 寄稿文: 「避難訓練をアップデートしよう!」 (地域安全学会ニューズレター No. 133, 2025.10) |
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【実態】防災先進県・静岡の調査で、54%の保育者が「備えが想定にさえ足りていない」と回答。正しい被害想定を知ることで、初めて現状の不足を認識した。
【原因】避難訓練が30年以上変わらなかった原因は、現場の努力不足ではなく、災害リスクと訓練内容を比較・評価する視点が欠けていた「構造的問題」にある。
【解決】地域の災害想定を起点に行動を再設計する『避難訓練2.0(Risk to Action)』を提示。実証実験では、99%が改善を必要と感じ、具体的な指導方針の転換が見られた。