株式会社ソラコム(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO 玉川憲)は、2023年から一部のユーザーで先行利用を開始し、フィードバックをうけ、生成AIの活用などの機能を拡充してきたデータ分析基盤サービス「SORACOM Query(ソラコム クエリ)」を、2025年7月16日より正式に提供開始します。
「SORACOM Query」は、SIMの状態や通信量、利用料金といったSORACOMプラットフォーム上に蓄積された通信管理情報、ならびにデータ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest Data」に蓄積された時系列のIoTデータを検索・分析できるデータ分析基盤サービスです。リアルタイムデータの可視化、スケーラブルなクエリ実行を使用し、IoT データを安全に収集、保存、および分析します。
今回の正式リリースにあわせて、「Query アシスタント AI」機能を搭載しました。生成AIにより、自然言語から SQL への変換を実現しました。「過去1週間で、最も通信量が多かったデバイスをリストアップしてください」、「IoTデータの異常値を検出してください」といった自然言語による問い合わせが可能となり、SQLに不慣れなユーザーもサポートします。
「SORACOM Query」の正式提供により、ユーザーは、SORACOM上に蓄積されたプラットフォームデータに対して、SQLベースでの自由なデータ照会が可能になります。これまで個別にデータをダウンロードしたり、クラウドに連携して加工・整形していたデータ分析のための作業を、SORACOM上で直接クエリを実行することで、より効率的に実現できるようになります。SORACOM Queryから、SORACOMのダッシュボード作成・共有サービス「SORACOM Lagoon」に連携して閲覧することもできますし、データを外部BIツールと連携して可視化するといった使い方も可能です。
SORACOM Queryの利用用途は大きく2つあります。ひとつは、SORACOM回線を大規模に運用するユーザーが、SIMの利用状況や通信量などの回線マネジメント情報を分析し、運用最適化に活用するケースです。もうひとつは、SORACOM Harvestに蓄積されたIoTセンサーデータに対して、異常値検出や予兆分析を行う用途です。たとえば、各地に設置された電圧センサーのログから、特定の傾向や異常の兆候を抽出するといったことが、専門知識がなくても可能になります。
また、今回の正式リリースに伴い、SORACOM Query APIの提供も開始しており、自社システムとの統合やサードパーティ製BIツールとの連携によって、さらに柔軟なデータ活用が可能になります。
SORACOM Queryは、Trialプラン(2ヶ月無料)、月額課金のBusinessプランをご用意しており、 利用規模や用途に応じて最適な選択が可能です。そして、カスタム対応のEnterpriseプランでは、データベースへの接続アカウントの提供、複数の SORACOM アカウントを統合したクエリの実行、カスタムレポート提供も可能になります。今後もソラコムでは、お客様のフィードバックを取り入れながら、IoTデータの利活用をより身近にする機能強化を進めてまいります。
「IoTの現場では、日々蓄積されるデータにこそ大きな価値がありますが、これまではその分析や活用のハードルが高いと感じていた方も多いのではないでしょうか。SORACOM Queryは、こうした課題を解決し、お客さまが自らのデータにアクセスし、活用できる環境を整えることで、IoTのビジネス的な価値をより引き出す基盤となることを目指しています。生成AIとの連携によって、データ分析は専門家だけのものではなくなりました。私たちは、SORACOMを“つなぐ”だけでなく、“理解し活かす”プラットフォームへと進化させ、あらゆる業界におけるデジタル化と意思決定の質を高める支援を続けてまいります」株式会社ソラコム 共同創業者 兼 CTO 安川健太
ソラコムは「IoTテクノロジーの民主化」を掲げ、IoTを軸に最新技術をより使いやすく提供することで、多くの活用事例とイノベーションの創出を目指します。
弊社が提供する「みてねみまもりGPS」において、通信はサービスの根幹を支える重要な要素です。そのため、ネットワークの安定性や異常兆候をいち早く把握することが、ユーザー体験の維持・向上に直結します。
今回、本分析基盤を活用し、SIM単位の通信状況やトラフィック量、異常傾向などを時系列で可視化・分析する環境を得たことで、従来見えづらかった兆候に対して新たな視点を持てる可能性を感じています。「SORACOM Query」は今後さらに高度化・複雑化していくIoTサービス運用において、大きなアドバンテージになると感じています。
Luupでは、電動マイクロモビリティの安全性と利便性向上を目的として、車両のソフトウェアの改善に取り組んでいます。その一環として、データの取得内容や通信量を事前に検証するPoCを行う機会が多くあります。これまで、複数台の通信状況を確認する際には、コンソール操作やAPIの活用など、煩雑な作業が発生していました。SORACOM Queryの導入により、必要なデータを一括取得、取得条件の柔軟な変更が可能になり、検証業務の効率化が大きく進んでいます。
旭光電気は、消費電力とCO2排出量をリアルタイムに可視化するIoTデバイス「wattXplorer」を提供しています。wattXplorerで得られるデータを有効に活用するには、高度な分析環境が不可欠です。
SORACOM Queryは、自然言語で直感的にデータ処理・集計・可視化・予測まで行える革新的なソリューションであり、wattXplorerとの連携により、CO2削減への具体的な取り組みを加速します。当社はSORACOM Queryのローンチを歓迎し、パートナーとして企業の環境対応とデータ活用を支援してまいります。旭光電機株式会社 DXソリューション部長 辻 一郎氏
株式会社MAGLABは、SORACOMソリューションパートナーとして、旭光電気様と共同でIoTデバイス「wattXplorer」の可視化アプリケーションを開発しました。生成AIを活用した新サービス「39/88パック」と「SORACOM Query」を組み合わせることで、エネルギーデータの高度な分析と自然言語による操作を実現し、開発期間を大幅に短縮しながら、ユーザーにも直感的で使いやすいソリューションとなりました。今後もSORACOMプラットフォームを活用し、IoT開発の加速を支援してまいります。
SORACOM Query の正式リリース提供開始日
日常的な利用 (データ分析、プラットフォームデータ、IoTデータの定期的な確認、SORACOMのサービスとの連携による業務の自動化)
<Enterpriseプラン>大規模プロジェクトでの回線やIoTデータのモニタリング、コネクティビティマネジメント
サービスの詳細についてはウェブサイトをご覧下さい。
IoTプラットフォームSORACOMは、世界180以上の国と地域でつながるIoT通信を軸に、IoTを活用するために必要となるアプリケーションやデバイスなどをワンストップで提供しています。製造、エネルギー、決済などの産業DXから、イノベーティブなスタートアップ、農業や防災など持続可能な地域社会を支える取り組みに至るまで、さまざまな業界・規模のお客様にご活用いただいています。
ソラコムコーポレートサイトhttps://soracom.com