株式会社イワテック(本社:長崎県長崎市、代表取締役:岩元孝一郎 以下、イワテック)は、2025年6月より、トヨタ自動車九州株式会社(本社:福岡県宮若市、代表取締役社長:長木哲朗 以下、トヨタ自動車九州)が運用する定置型燃料電池へのグリーン水素(※1)供給を開始しました。

■「再エネ水素実証プラント」での取り組み

イワテックは、持続可能な社会の実現を達成するため、その柱となる再生可能エネルギー分野の事業を展開しています。さまざまなエネルギー源から生成することができ、どこでもCO2フリーで利活用できる水素について、地球環境に寄り添い、地産地消の新たなエネルギーシステムの中核を担うエネルギーキャリアとして位置づけ、再エネ由来水素のサプライチェーンの実現に取り組んできました。

2021年に運転を開始した、自社「再エネ水素実証プラント」では、天候や時間帯により出力が変動する太陽光発電設備で発電した電気を、蓄電池と組み合わせたエネルギーマネジメントシステムにより安定化し、発電可能量に応じて水素発生量を適切に制御するシステムの検証を行っています。そして、発生した水素ガスを高圧ガスとしてシリンダーに充填、燃料電池発電システム等さまざまな用途で利用可能な状態とし市場へ流通する、サプライチェーンの最適化も検討しています。

2026年度から本格稼働する「排出量取引制度(※2)」では、CO2排出量が多い国内企業に参加が義務付けられ、より一層の環境負荷の低減が求められます。イワテックの取り組みは、こうした環境施策へのソリューションとなるだけでなく、企業イメージや商品価値の向上と、市場競争力の強化にも寄与します。

トヨタ自動車九州は2017年以降、「製造」から「使用」まで一貫したCO2排出量ゼロのシステム構築に向けた取り組みを進めており、トヨタFCモジュールを使用した定置型燃料電池の運転もその一環として行われています。これは、トヨタ自動車九州の工場のカーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、水素の利活用の一策として実証運用されているものです。

イワテックが「再エネ水素実証プラント」で製造する水素ガスは100%太陽光由来のグリーン水素であることから、今回トヨタ自動車九州のグリーン水素利用に関わる試みのひとつとして採用されました。また、今回のグリーン水素供給は、九州を代表するガスサプライヤーである福岡酸素株式会社(本社:福岡県久留米市、代表取締役:本間雄一 以下、福岡酸素)の協力のもと実現しました。本グリーン水素は、長崎県長崎市にあるイワテック「再エネ水素実証プラント」から福岡酸素を介し、福岡県北九州市のトヨタ自動車九州・小倉工場に設置された定置型燃料電池へと供給されています。

本グリーン水素供給は、イワテックが目指すサプライチェーンの構築に向けた第一歩であり、同時に、他社と共に新たな水素の利活用の道を模索する試みでもあります。イワテックは、水素を利活用した新しいエネルギー供給システムの実現に向けた取り組みを通して、再生可能エネルギーの導入拡大に寄与し、地球環境にやさしく持続可能な次世代のエネルギー社会の構築を目指します。