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インクルーシブデザインスタジオCULUMU(運営:株式会社STYZ、所在地:東京都渋谷区、代表取締役:田中辰也、以下 CULUMU)は、大阪府大東市立南郷小学校の長寿命化改良事業において、株式会社小河建築設計事務所(所在地:大阪府大阪市、代表取締役:油谷康司)と連携し、インクルーシブデザインの手法を用いた共創ワークショップを実施しました。このたび、本プロジェクトの成果の一部である図書室「なごのヒロバ」が2025年10月に先行して引き渡しを終えたことを受け、プロジェクトの経緯と設計を担当した建築家・上野氏へのインタビュー記事を公開いたしました。 |
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本記事では、老朽化した校舎を「インクルーシブで創造的な学びの場」へと再生させるプロジェクトの全容を紹介しています。 管理上の制約や相反する要望が多い学校建築において、CULUMUが実施したワークショップ(当事者との対話)が、具体的空間の実現にどのような成果をもたらしたのか。建築家の視点から語られる「共創の意義」とあわせてお届けします。 |
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記事のポイント: 学校建築には、安全性や管理のしやすさといった厳しい制約が存在します。一方で、多様な子どもたちが過ごすこれからの学校には、一人ひとりに寄り添った柔軟な空間が求められています。 記事内では、このジレンマに対し、建築家がどのように向き合い、CULUMUとの連携がどう機能したのかを紐解いています。 |
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CULUMUの取り組み |
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CULUMUは発達障害のある当事者や保護者、行政職員を交えたワークショップを企画・運営しました。ワークショップでは参加者が自身の体験や感覚(音・視覚への刺激や、パニック時の逃げ場所の必要性など)を言語化し、対話を重ねました。これにより建築家が提案していた居場所の必要性が、単なるアイデアではなく利用者にとって“不可欠な機能”として関係者間で再認識されました。 |
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【成果1】見送られがちな空間の実装を「後押し」 |
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本プロジェクトの象徴的な空間のひとつが、図書室「なごのヒロバ」の一角に設けられた『おこもりスペース(※)』です。学校建築において「死角」となる閉鎖的な空間は、管理・安全上の観点から通常は避けられる傾向にあります。しかし、ワークショップでは当事者から「開放的な大空間は魅力的だが、自分を守れるパーソナルスペースも必要」という意見が出されました。集団生活が基本の学校において、刺激に疲れた際、誰にも邪魔されずに「ほどよく孤立」できる場所。ワークショップを通じて可視化されたこの「潜在的なニーズ」が、管理上の懸念を超えて設計案を維持・実装するための後押しとなりました。 |
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(※)おこもりスペースとは、小さく囲われた「巣穴」のような安心感のある場所のこと。カームダウン室(パニック時の緊急避難的な個室)とは異なり、読書や休憩、または単にぼーっとするなど、子どもたちが日常の中で自分の時間を楽しみ、心理的なエネルギーを自己回復(リラックス)させることを目的としています。 |
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プロポーザル時の『おこもりスペース』のイメージ |
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完成した『おこもりスペース』(写真左:ロールカーテンが上げられた状態、写真右:ロールカーテンが下げられた状態) |
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【成果2】建築家の視点に生まれた「変化」 |
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設計を担当した上野氏は、本プロジェクトを経て、自身の建築観に変化があったと語っています。機能性や合理性を追求する従来の設計プロセスに加え、多様な人々を巻き込みながら共に創っていくことの難しさと、それ以上の意義。記事では、建築家がワークショップを通じて得た「気づき」についても触れられています。 |
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小河建築設計事務所 建築家 上野様 |
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小河建築設計事務所 建築家 上野氏のコメント(インタビュー記事より抜粋) |
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「居心地のいい場所をつくるためには、そこで過ごす人たちの体験や感覚を設計の手がかりにすることは自然なことです。しかし、従来のやり方ではこぼれ落ちてしまう声がありました。 例えば今回のおこもりスペースについても、私一人の意見として『大切です』と言うだけでは説得力が弱かったかもしれません。でも、CULUMUさんとのワークショップを通じて『当事者からこういう声があり、共感を得たんです』と伝えることができました。多様な声を可視化するプロセスが、設計の実現に向けた大きな後押しとなりました」 |
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【ご参考:大東市立南郷小学校 長寿命化改良事業について】 |
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■ 単なる「修繕」ではなく、時代に合わせた「再生」へ |
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「長寿命化改良」とは、老朽化した建物の不具合を直して耐久性を高める(物理的な延命)ことに加え、現代の学校に求められる水準まで機能や性能を引き上げる(質的な向上)改修のことです。大東市では、高度経済成長期に整備された学校施設が一斉に更新時期を迎える中、従来の「50年で建て替え(スクラップ&ビルド)」る手法から、建物を「80年使い続ける」ストック活用型へと転換を図っています。 |
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■ 「インクルーシブ教育」の具現化が必須条件 |
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本事業の設計者選定(プロポーザル)において、大東市は評価テーマの一つに「インクルーシブ教育システムの理念を具現化する教育環境」を掲げました。これは、肢体不自由や発達障害など、多様な特性を持つ子どもたちが共に学ぶための「合理的配慮」や「交流の場」を整備することを求めたものです。CULUMUが支援したワークショップは、この市の要求に応え、多様な子どもたちのニーズを設計プロセスに組み込むための具体的なアクションとして実施されました。 |
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事業主体 |
大阪府大東市 |
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業務名 |
大東市立南郷小学校長寿命化改良工事基本・実施設計業務委託 |
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設計業者 |
株式会社小河建築設計事務所 |
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選定方式 |
プロポーザル |
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全体竣工予定 |
2026年秋(「なごのヒロバ(図書室)」は2026年1月オープン予定) |
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インクルーシブデザインスタジオCULUMUについて |
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CULUMUの支援は「共創プロセスを取り入れた新たな事業創造支援」「尖ったインサイトを発見するリサーチ支援」「アイデアを形にするプロトタイピング支援」「全ての人にやさしい空間・建築デザイン支援」「価値を最大化するブランディング・アクセシビリティ支援」などがあります。 |
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CULUMUは、高齢者や障がい者、Z世代など多様な当事者との「共創」を核とするインクルーシブデザインスタジオです。事業創造、リサーチ、空間デザイン、ブランディングまで、ビジネス・デザイン・技術のスペシャリストが多角的に事業開発を支援します。 最大の特徴は、5,000団体以上の非営利団体と連携した独自の調査パネルです。従来リーチが困難だった層への定性調査を可能にするこの仕組みは、「2024年度グッドデザイン賞」を受賞しました。大手企業からスタートアップまで100件以上の実績を持ち、社会課題解決やD&I領域のプロジェクト経験も豊富です。 |
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CULUMUの建築領域について |
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CULUMU(くるむ)は、「障壁を生まない豊かな社会をデザインする」というビジョンの実現に向け、建築・空間領域においては「人と空間の関係をやさしくデザインする」ことを理念としています。 |
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CULUMU(くるむ)は、「障壁を生まない豊かな社会をデザインする」というビジョンの実現に向け、建築・空間領域においては「人と空間の関係をやさしくデザインする」ことを理念としています。 |
私たちはインクルーシブデザインを起点としたコンサルティングと実装支援を行っています。住宅・公共施設・商業空間など多様な空間において、ユーザー視点からの共創リサーチや企業や建築物に合わせた独自のインクルーシブデザインガイドラインの策定、施設のネーミング・タグライン設計など、空間とデジタル・ソフト・ビジネスを横断した提案を強みとしています。 また、公共福祉施設や文化施設との協働も進んでおり、本事例のような リードユーザーとの共創プロジェクト を通じて、現場からのリアルな気づきを社会実装に繋げています。インクルーシブデザインを通じた施設価値の再編集にご関心のある企業・自治体の皆さまからのお声がけをお待ちしています。 |
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【建築領域における活動実績】 産学連携による「住まい・まちづくり」の共同研究
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CULUMUは、株式会社LIFULL、株式会社日建設計、株式会社日建設計総合研究所、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 松田雄二研究室との5者共同で、暮らしやまちづくりにおけるアクセシビリティとインクルーシビティの向上を目指す共同研究を開始しました。住宅に関する課題やニーズ調査を起点に、将来的には都市空間や社会全体の包摂性を高める仕組みづくりや、その社会実装の推進に取り組んでいます。 |
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株式会社 STYZ 概要 |
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「民間から多種多様な社会保障を行き渡らせる」をミッションに掲げ、STYZは3つの事業があります。非営利セクターを中心に新しく資金流入を促す『ドネーションプラットフォーム事業』、企業課題と社会課題の解決を共に目指す『インクルーシブデザイン事業』。そして、次世代的なテクノロジーで人間ならではの体験を創造する『システム開発&エンジニアリング事業』になります。3つの事業を通じて、企業(ビジネスセクター)・行政(パブリックセクター)、NPO(ソーシャルセクター)、個人との媒介となり、社会の課題解決の促進を行います。 |
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