～当社の「チタンロッド内部挿入陽極工法」が採用～
 
　株式会社高松コンストラクショングループ（本社：大阪市淀川区、代表取締役社長：高松浩孝、以下高松CG）のグループ会社である東興ジオテック株式会社（代表取締役社長：吉井睦雄、本社：東京都中央区/以下、東興ジオテック）は、当社の電気防食工法が採用された端島（軍艦島）整備事業における70 号棟への補修試験施工（以下、本事業）に参加し、このたび本事業にかかわる施工が完了しました。
 
　現在、生活を支えている社会インフラの多くは、50年以上前の高度経済成長を機に整備されたものであり、また、今回施工した70号棟のような歴史的建造物には鉄筋コンクリートを活用したものが数多く存在しています。使用されている鉄筋コンクリートはひび割れなど、経年や環境の影響で劣化が進んでおり、人命に関わる事故やライフラインの寸断といった深刻な問題を引き起こす「インフラ老朽化」が重大な社会課題となっています。
 
　こうした中、東興ジオテックでは、鉄筋コンクリート建造物の電気防食工法として、外部電源方式と流電陽極方式を取り扱ってきました。過酷な塩害環境下における電気防食工法の高い鉄筋防錆効果と、東興ジオテックが保有している外部電源方式の「チタンロッド内部挿入陽極工法」における外観変化への配慮が評価され、本事業での採用となりました。本工法は、室内側からの施工が可能で現状の外観を維持できること、さらにソーラーパネルを使用した電源供給と独自のモニタリングシステムによる遠隔地からの操作や維持管理データの収集・回収が可能であることを特長とします。
 
対象建造物の外観・景観は維持する
70 号棟室内側より防食対策を施す
　本事業では「チタンロッド内部挿入陽極工法」を用いて、70号棟外壁の外観を極力変化させずに、塩害による外壁内部の鉄筋腐食を抑制することで長期にわたって70号棟の景観を維持します。また、「チタンロッド内部挿入陽極工法」と併せて、流電陽極方式の「パッチガード工法」の2種類の工法を用いて供試体を作製し、島内での屋外暴露試験による長期検証も実施します。
チタンロッド内部挿入陽極工法の施工
ソーラーパネルと電気防食制御装置
　過酷な塩害環境に晒される端島を将来にわたって保存していくため、本技術の有効性を継続的な試験調査により検証していきます。東興ジオテックは、この技術を活かし、全国で課題となっている「インフラ老朽化」問題の解決に向けて尽力してまいります。
 
※長崎市より特別な許可を得て撮影
 
 
■チタンロッド内部挿入陽極工法について
電気化学的にコンクリート内部の鋼材の腐食を抑制する電気防食工法です。なかでも、当社の内部挿入型のチタンロッド工法は、陽極をコンクリート内部へ挿入して防食する工法です。現場の条件に応じて背面からの施工も可能です。
この工法の利点 
チタンロッド工法は防食したい箇所へ内部挿入により陽極を設置するため、施工する面が限定されません。防食したい箇所へあらゆる方向から挿入 し施工することができます。
■端島（軍艦島）について
高島炭鉱の技術を発展させ、海底炭鉱の島として開発されました。1810年頃に石炭が発見された後、石炭採掘を開始し、大正以降高層住宅が建設され、最盛期は約5,300人が居住していました。70号棟は1958年に建設され、端島小中学校として使用されてきました。エネルギー政策の転換により1974年に閉山となりましたが、2015年7月に「明治日本の産業革命の構成資産」の一部として世界文化遺産登録され、2017年の上陸者数は291,665人を記録しました。
 
■東興ジオテック株式会社について
1956年設立。リニューアル事業としては、電気防食などを用いたインフラ補修事業を全国展開しています。環境アセスメントの思想をいち早く取り入れ、自然と社会との調和をはかりながら法面事業、地中事業、プラント事業などの特殊専門技術を活かした事業も推進してまいりました。今後も自然環境との調和をはかりながら豊かな生活環境を創造し、社会に貢献し信頼される企業であり続けてまいります。
東興ジオテックホームページ:https://www.toko-geo.co.jp/
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高松グループ（東証プライム上場/証券コード：1762）
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